第122話 女の『能力』
俺と女が触れる。
その瞬間、俺の手に激痛が走った。
ただの激痛じゃない。
まるで刃で斬られたような痛みだった。
俺は咄嗟に腕を引く。
そこに隙ができた。
女は俺の腹を殴った。
俺の腹に鋭い激痛が走る。
俺は吹っ飛んんだ。
腹の痛みがすごすぎて受け身をとれない。
何度も地面に叩きつけられる。
その痛みよりも、腹の痛みのほうがすごい。
「アシト!」
俺の後ろにルイナが回り込んで、俺を受け止めてくれた。
俺は痛みを我慢しながら腹を見る。
すると、刀で斬られたみたいな傷があった。
やっぱりあいつの能力、ヤベェな……。
『自身の皮膚を刃にする』だと思う。
だから腹を殴られたルイナは腹から血が出た。
そして俺の手から血が出た。
……体術が得意なルイナは不利だな……。
逆に言えば、俺が有利だ。
少しでも刀を敵に当てれれば敵を蒸発できる。
よし、そうしよう。
でも腹の傷が……。
「お腹、結構ダメージ大きい?」
「ああ……なんか切り傷みたいなのが……」
「……包帯巻けば大丈夫そう?」
「まぁ……」
でも包帯なんてどこにもない。
俺が頑張ってこの状態のまま戦うしかないのか……。
こういうときにトルアキナ族化できればな……。
そう考えてたら、突然ルイナが袖を破る。
長めに破いてる。
「アシト、お腹出して」
「ルイナ……?」
「大丈夫、巻くだけだから」
ルイナは無理やり俺の服を上げ、俺の腹を出す。
「ちょっ、ルイナ!?」
「痛いと思うけど、ちょっと我慢して」
ルイナは破った服を俺に巻く。
巻いてくれたおかげで、なんかちょっと痛みはおさまった気がする。
これで動ける……。
「ありがとな、ルイナ」
「うん」
俺は動ける。
でもルイナはまだ動けなさそうだ。
「ルイナ、俺、行ってくるな」
「うん。……私はちょっと……、休憩してるね……」
ルイナは苦しそうに手で腹を抑えながら地面に座る。
苦しそうだ。
ルイナが苦しんでる分、絶対に勝たなきゃ。
俺は刀を握り直して、女がいた方向に向かう。
ちょうどキイラとハナが女と戦ってるところだった。
キイラが斬りかかるけど、女はそれを腕で受け止める。
でも、女の腕は切断されない。
それより、刃と刃が交わる音がしてる。
その隙にハナが女の首に斬りかかる。
ハナの握っている刀が女に当たっても、女の首は切断されてない。
やっぱり自分の皮膚を刃にできるみたいだな……。
それより、能力を二つも持ってるのか……。
『刀を出す能力』と『自分の皮膚を刃にする能力』。
かなり厄介な敵だな。
俺は、刀身が炎になった刀で女に斬りかかった。




