第12話 セトオギロと先生の口論
「アンタ、この前『タハから護る』とか抜かしてた割にはすぐ殺されてたな」
セトオギロは先生を見下ろしながら言う。
先生はセトオギロを怖がってるみたいだ。
「ぼ、僕は殺されてない! ちゃんと生きてるじゃないか!」
「俺が復活させたんだよ。俺が死神だったことに感謝しろ」
「せ、先生に向かってその態度はなんだ!」
出た、よくある有名な名言。
『親に向かってその態度はなんだ!』とか。
「あぁ? 先生が差別とかしていいのかよ?」
おお! セトオギロのやつ、正論言ってる!
そしてルイナは俺の横でうなずいている!
今度こそ論破合戦か!
「だいたいさ、アシトにそんな喧嘩売っていいのかよ? 差別するってことは喧嘩売ってるのと同じだぜ? アシトに勝てると思えねぇけどな、ただのタハに殺されてるアンタが」
え? 俺そんな強いの?
まぁ、昨日手から炎出したし。
ちゃんとした知識があったら、俺めっちゃ強いのかな……
うわー、強くなって無双してみたい……
「最悪俺を退学にしてもいいぜ? その代わり、この学校が朽ち果てるのを覚悟しておけよ?」
うおー、セトオギロ怖ぇ……
朽ち果てるって……
俺もそういうことできるのかな……
やりたくはないけど。
「…………」
黙り込む先生。
ルイナはそれを面白そうに眺めている。
「な、何が起きたんですか!」
廊下からトカゲみたいなやつが、教室に入る。
多分先生だろう。
「あ、この死体、お願いしますね」
セトオギロはその先生に呑気に言う。
先生は何が起きたかわかっていないようで、『は、はい!?』と言っている。
「よーし、邪魔なやつは死んだし、同じ班のやつと話すか」
セトオギロは辺りを見渡す。
そして、さっきのタハに驚いて動けなくなっているやつに近づいた。
「お前、マユか? それともラーサか?」
……マユとラーサ……
俺と同じ班のやつの名前か。
「わ、私はマユじゃない……」
「へー、じゃあマユってやつは今どこにいるかわかるか?」
「あ、あれ……」
セトオギロが話しかけた生徒は、震えながらどこかを指で指す。
その方向には、俺たちを見て怖がっている女がいた。
その女は竜のような角が一本生えていた。
「サンキュな」
セトオギロは笑顔でそう言い、その女に近づく。
「よ! 俺はセトオギロ。同じ班のやつだ。よろしくな」
「……ヤ、ヤダ……!」
女は涙を流しながら言う。
どれだけセトオギロのことが怖いんだよ……
「は!? ヤダってなんだよ! こう見えても俺結構優しいんだぜ!?」
自分で言うな。
俺もその女に近づく。
すると、その女は崩れるように倒れた。
……気絶した……?
「おお! アシトが近づいた瞬間に気絶したぞ! どんな技なんだ!?」
セトオギロはやや興奮気味に俺を見て言う。
……別に俺何もしてないのに……
あんまり口論してない気がする……




