第119話 『刀の操者』
「……? そこにいるの、『花』の操者?」
ハナの左手の甲を見て言う女。
ハナの左手の甲にある『花』という文字は消えずに、まだ残っている。
「『敗けた』とは聞いてたけど、死んでなかったんだ」
女は右手を俺たちに向かって伸ばす。
すると、女のすぐ後方に大量の刀が現れた。
全部鋒が俺たちに向いていて、宙に浮いていた。
「まずは様子見」
女がそう言うと同時に、全ての刀が俺たちに向かってくる。
結構速い。
刀を抜く時間がなかったから、俺はそれを避けようとした。
するとルイナが片腕を上げる。
「針刺五月雨!」
叫ぶと、上から大量の針みたいなのが落ちてくる。
それは刀に当たり、刀はその場で勢いをなくして落ちる。
「……厄介な能力。嫌われてるでしょ?」
女は地に落ちた刀を見つめながら言う。
そして俺たちのところに向かって歩いてくる。
俺はその間に刀を抜く。
みんなも武器を手にしていて、いつでも戦える状態になっている。
「……一つ言いたいことがある。今お前らが持っている武器には刃がついている。刃は刀だ。そう、刀が原点なのだ」
……?
なに言ってんだ、こいつ?
「刀は刀でも、お前らが持っている刀は偽物だ。本物はこの私、トラノアだ」
女が言い終わると同時に、女の姿が消えた。
次に見えたのは、刀で俺に斬りかかっている女。
しかもすぐ目の前にいた。
俺は持っている刀でその斬撃を防ぐ。
かなり力が強い。
でもこれで――
「剣炎!」
俺の刀の刀身が炎になる。
女の持っている刀は蒸発して、女の身体は俺に向かってくる。
俺一振りの刀をそのままにしておいて、もう一振りの刀で女を刺そうとする。
でも女はすぐ後方に退く。
「お前の持っている炎の刀、それは偽物だ」
「別に本物の刀を扱いたいと思ってねぇよ」
俺は女と話す。
その間に誰かが攻撃してくれるだろ、きっと。
そう思ってたらルイナが女の後方に回る。
女はルイナの方向を見てない。
まだ気づいてないみたいだ。
できるだけルイナを見ないようにして、後ろにルイナがいることを悟られないようにする。
ルイナの拳が女に当たりそうになった。
そのとき、女とルイナの間に刀が現れる。
ルイナの拳はそれに当たった。
女は、隙ができたルイナの腹を殴る。
ルイナは遠くに吹っ飛んだ。
「……刀を使って戦わない者は弱い。弱者だ」
女は、ルイナの拳を防いだ刀を持つ。
「さぁ、やるぞ」
女はその刀で俺に斬りかかった。




