第118話 その村へ
「……酷い……」
そう声を洩らすマユ。
俺たちは今、レツとケンがいた村にいる。
そこには大量の刀があった。
地面に刺さってたり、家に刺さってたりする。
でも不思議なことに、死体とか血は1滴もない。
今ここには、母さんとレツ、ケン以外のやつがいる。
あと母さん情報だけど、ハナはめちゃくちゃ強いらしい。
さすが元操者。
「でも全然血のにおいとかしないよ?」
呑気に家を眺めてるルイナ。
確かに、ここには刀が大量にあるだけで、血とかは一切ない。
本当にここで死人とか出たのかな?
「……トウヤだ……」
ハナがなんかつぶやく。
「トウヤだ……、これ……。『刀』の操者……」
『刀』のやつは『トウヤ』っていうんだ。
そのことは覚えてるみたいだな、ハナ。
「そいつ、どういう能力なの?」
「お姉ちゃん……。なんか、『刀を出しまくる』って能力……。単純そうに見えて、意外と面倒くさい能力なの」
「その出した刀って操れるの?」
「……そこまでは……、わからない……」
暗い表情をして、地面を見るハナ。
あんまりそのことを思い出したくないみたい。
でもハナって人とかを殺してないんだよな?
だって『邪気』がないらしいから。
未だに『邪気』の言葉の意味を理解できてない。
「――危ない!」
キイラが叫ぶ。
それと同時にキイラはマユとハナのところに突っ込んで、そのまま3人とも地面に倒れる。
次の瞬間、マユとハナがいたところを刀が超高速で通り過ぎた。
あのままだったら貫かれて、どっちか即死してただろうな……。
ってか、それより敵はどこだ……?
俺は刀が飛んできた方向を見る。
でも、そこにはなにもなかった。
「アシト!」
ルイナがそう叫ぶ。
俺は咄嗟に姿勢を低くする。
すると、俺の頭上を刀が通り過ぎる。
「――あ、よく避けれたね」
女の声が聞こえる。
その方向を見ると、白色の着物みたいなものを着ていて、右頬に紋様がある女がいた。
見た感じ、刀を背負っていない。
そして、左手の甲に『刀』と刻まれていた。
こいつが『トウヤ』ってやつか……。
「――違う……」
ハナがつぶやく。
「こいつ……、トウヤじゃない……。知らない……」
……? どういうことだ……?
「…………」
足元にあるものを、黙りながら見つめる男。
「……なにかあったんですか?」
その後ろからエレキが現れ、男が見つめているものを見る。
それは、ところどころに打撲の跡がある男の死体だった。
しかもその死体には、右頬に紋様があり、左手の甲に『刀』と刻まれていた。
「ッ! トウヤ……!」
死体を見たエレキは声を洩らす。
「……やはり死んでいたか……」
男もつぶやく。
「連絡が取れなかったからおかしいと思った。代わりをつくっておいて正解だったな」
「なんでトウヤが……! それに『代わり』って……」
「安心しろ。トウヤの何倍も強い」
男はそう言って、死体を跨いで進んだ。
作者が中間考査が近いのでしばらく投稿できません。
本当にすみません。
高校最初の中間考査……。




