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第117話 なんでそんな嫌いなの?

 「なんで鬼のことそんなに嫌ってるの?」


 男と向かい合って座りながら、男に訊く母さん。

 母さんの隣には俺が座ってて、男の隣にはハナが座ってる。


 なんかこの男、ハナのことが好きになったみたい。

 でもマユのことはあんまり好きじゃないみたい。

 ほとんど同じ見た目なのに……。


 「鬼が普通に嫌いなんだよ。だいたい、テメェらさ、嫌われてるって自覚ねぇのかよ?」


 うわー、マジで腹立つわー……。

 隣にいるハナはただじっとしている。


 「ま、嫌っててもおかしくないよね。でさ、私たちになにしてほしいの?」

 「俺はテメェらの力なんて借りようと思ってねぇぜ? ただレツが……」

 「鬼が嫌いなんだったらさ、レツちゃんについていかなければよかったじゃん」


 なんか母さんのほうが正論言ってそう。

 他人がなんか言われてるのを見るのはあんまり好きじゃないけど、こいつの場合はなんかスカッとする。


 「そう思うよね? ハナちゃんも」

 「え、あ、はい……。まぁ、差別とかは……、よくないと思います……」

 「……俺の意思でテメェら鬼と協力しようとした。だから協力してほしい」


 いや、さっきと言ってること真逆なんだけど。

 考え変わるの早くない?


 どんだけハナのことが好きなんだよ……。


 「オッケー、じゃ、キミの名前は?」

 「……ケンだ……」

 「ケンくんね。よろしく」


 母さんはケンに手を差し伸べる。

 握手しようとしてる。


 でもケンはただ母さんの手を見ていて、握手する気はないようだ。

 せめて握手はしろよ……。


 そう思って見てると、ハナが母さんと握手する。

 なんでハナ?


 「? ハナちゃん? なんで私と握手?」

 「え、私じゃないんですか……?」

 「いや、これはケンくんの……」

 「! そうなんですか!? すみません!」


 慌てて母さんから手を放すハナ。


 「ずっと手を出してたので私に求めてたのかと……」


 うわ、かわいい。

 その勘違いかわいいわ。


 しぶしぶ母さんと握手するケン。


 これで少しは大人しくなるかな……?


 大人しくならなかったらハナになんかしてよらえばいいや。

 そしたらこいつ、すぐ言う事聞きそうだし。


 ハナ、いてくれてありがとな。

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