第112話 なんか覚えてない?
「どう? なんか覚えてない?」
ハナと向かい合って座ってる母さん。
母さんの隣には俺が座ってる。
そしてハナの隣にはマユが座ってる。
少し落ち着いたあと、ハナから操者のことを聞き出すことになった。
母さんの提案で、話によってはゼルロの殺し方が変わるらしい。
「すみません……、あんまり覚えてなくて……」
ま、それでもおかしくはないけどな。
ハナ、洗脳されてるみたいだったし。
「じゃあさ、家族と離れちゃったときのことは? どういうやつに家を襲撃されたか覚えてる?」
「……『風』の操者です……」
風……?
フィランのやつか……?
「一人で家にいたら……、いきなりそいつが入ってきて……、『ちょうど代わりができた』って言われて……、頭を思いっきり叩かれて……」
「……カリンのことか……」
母さんがなんかつぶやく。
カリン……?
「それで……、次に気がついたときには……、お姉ちゃんを……、刺してて……」
「……なるほどね。わかった、ありがとう」
母さんは立ち上がる。
「ハナちゃんの部屋は用意してあるから。マユちゃん、悪いけどそこに案内してくれる?」
「は、はい……」
マユはそう言って立ち上がって、リビングから出ていく。
ハナも立ち上がってマユについていった。
「――アシト、どう思う?」
二人が出ていったことを確認すると、母さんは俺に言う。
「どう思うって?」
「ハナちゃんのこと」
「ハナって……、普通に洗脳とかじゃないのか?」
「違う。ハナちゃんがさらわれた原因」
いや、原因なんてわかるわけないでしょ。
普通にフィランの気分でしょ。
「今のアシトは覚えてないかもしれないけど、私たちが前の『花』の操者を殺したの。多分、その直後のことだと思う、ハナちゃんがさらわれたのは」
へー、それは大変。
俺が転生する前に死んだのかな?
……そういえば『転生』ってさ、死ぬことだよね?
俺って死んだの?
「それより、操者もだいぶ倒したよね、よくやったよ」
「あ、ああ……。それより、操者ってなろうと思えばなれるのか?」
「ゼルロの判断だと思うけど……、なんで急にそんなこと訊くの?」
「いや、なんでもない……」
ラーサのやつ、本当に敵になっちまったのか……。
ま、いうほどラーサとの思い出なんてないし、そこまで悲しくはないけど。
作者がいろいろあって、今週の投稿はできないかもしれません。本当にすみません。




