第108話 VS花の操者、終
「アシト、私たちはどうするの?」
俺の隣に立って、敵を見つめながら俺に訊くルイナ。
「ムルノにはああ言われたけど、俺たちがなんか手を出しちゃいけないと思う。あれはマユの妹だろ? せめてマユに終わらせてほしい」
「……にしても、似てるね」
確かに、マユと敵はかなり似てる。
顔もそうだし、雰囲気も。
「……ルイナはさ、マユがどうすると思う?」
「どうするって?」
「どんなふうに決着をつけるか」
「わからない。私には兄弟なんていなかったから」
俺はルイナを見る。
それと同時にルイナも俺を見た。
「アシト……、『家族』って大切かな……?」
「……大切だと思う」
「そうだよね、普通」
ルイナ?
なんで急にそんなこと訊くんだ……?
俺がそう訊こうとした。
その瞬間、俺の隣に敵が現れた。
マユと戦ってたはずの『花』の操者だ。
俺に斬りかかってる。
マユはどこに行った……?
ヤバイ……斬られる……。
俺が斬撃に追いつけなくて、ただ止まってた。
すると、ルイナが手で敵の刀を止めた。
刀身を手でおさえてる。
敵は刀をルイナからはなす。
そのときにルイナの手が切れた。
敵は俺たちから離れる。
「ルイナ……、ごめん……」
「いや、全然大丈夫。このくらい痛くないから。とりあえず、今はあいつに集中しよ? こっちが下手に手加減したら、こっちが死ぬ」
「……そうだな」
俺は刀をかまえる。
技を発動させようとしたけど、やっぱりできない。
なんで急にできなくなっちまったんだ……?
敵が俺に斬りかかってくる。
俺はその斬撃を防ぐ。
さっきより強くなってる……?
俺は敵の腹を蹴り上げる。
そして敵が吹っ飛んだときに、俺は敵に斬りかかった。
ルイナも俺と同時に、敵に殴りかかっている。
その瞬間、大量の桜の花びらみたいなのが俺たちの前に現れる。
それに右腕が触れた。
すると、右腕にまるで刀に斬られたように鋭い痛みが走った。
俺は一旦、それから離れる。
右腕には切り傷がある。
……かなりヤバイな……。
敵は俺に斬りかかってくる。
ヤバイ……防げない……!
そのとき、俺と敵の間にマユが入ってくる。
敵の刀はマユの右胸を貫通してる。
なぜか俺は動けなかった。
ルイナも動けないみたいで、目を大きくしてマユを見ている。
一瞬、誰も動かなかった。
最初に動いたのはマユ。
マユは短刀で敵の脇腹を刺した。
敵は口から血を吐く。
「……これで……終わり……!」
マユは敵から短刀を外した。
そのとき、マユの手から短刀が落ちる。
終わった……?
「――おねえ……ちゃん……?」
敵の口からそんな声が聞こえる。
敵は自分の持ってる刀を見る。
その次に自分の脇腹を見た。
「なんで……?」
「……いつでも一緒だよ……」
マユはそう言って倒れた。
そのときに、マユに刺さってる刀は、マユから外れた。
「お姉ちゃん……? どうして……?」
敵はそう言って、マユの隣に倒れた。




