第105話 ハナ……?
ハナ……?
どこかで聞いたことのある単語を口にするマユ。
どこで聞いたっけ……?
「――やっぱりお前、ハナの家族か」
……思い出した。
チルタが言ってたんだ。
「違う……、絶対に違う……」
なんかつぶやいてるマユ。
大丈夫か……?
そんなマユにも容赦なく斬りかかってくる敵。
俺はとっさに刀で敵の斬撃を防ぐ。
結構強いな……。
敵は俺の腹を蹴って後ろに下がる。
なんかかなり痛い……。
攻撃力上がってない?
「マユ、お前の知り合いなのか?」
敵を見ながらマユに訊く。
「い、妹……なんです……」
……え?
妹さん?
「いや、違う……、そんなわけない……」
「そんなわけないって……、なんでそう思うんだ?」
「……昔……、死んだんです……」
昔死んだ?
なのになんでその妹さんがここにいるんだ?
似てる人なのかな?
でもチルタの言ってることが本当なら、敵はマユの妹さんだ。
『においが似てる』とか言ってたもんな、チルタのやつ。
でも、死んだ生き物を復活させる能力を持ってるやつなんているのか……?
……いや、確かに敵はマユの妹さんの可能性もある。
その証拠に俺やルイナ、セトオギロがついていけなかった敵の動きに、マユはついていけた。
それは、家族だからなのか?
マユは竜の女。
だから、敵が竜特有の動きをしていても、マユがついていけてもおかしくない。
だけど……、竜ってことは『翼』があるよな?
今のマユは翼がないけど、フィランと戦う前はあった。
今の敵には翼が生えてない。
ま、マユみたいに翼を切断されたって言われたらなんも言えないけど。
そんなこと考えてたら、敵が地面に刀を刺す。
なにかくる……。
そう思って敵を見つめてたら、景色が変わった。
なんか紫色の花が地面にいっぱい咲いてる。
普通に綺麗。
そして、敵が消えていた。
敵だけじゃない。
マユもルイナもセトオギロも。
あとついでにキイラも。
幻覚か……?
どんな攻撃がくるんだろう……。
俺は刀をかまえながら辺りを見渡す。
どこを見ても紫色の花。
……うん、攻撃が来ない!
もう5分くらいずっと止まってるけどなにも起こんない!
せめて攻撃してきて!
逆に怖いから!




