第101話 手伝えない
「『手伝え』って言われたけど……、あんなん手伝えねぇぞ……」
上を見るセトオギロ。
そこには『花』の操者と戦ってるマユとキイラ姿があった。
「ってか、そもそもあの女誰だよ……」
「ムルノちゃんだよ」
セトオギロの質問に答えるようにつぶやくルイナ。
セトオギロは驚いた表情をしてルイナを見る。
「なんでわかるんだよ?」
「ムルノちゃんとおんなじにおいがしたもん」
「お前はイヌかよ……」
「逆に気づかなかったの? ムルノちゃんとおんなじにおいがすること」
「気づくわけねぇだろ」
セトオギロはそう言って空に目を戻す。
操者に向かって斬りかかるマユ。
それと同時にキイラが反対側から斬りかかる。
すると、操者の周りに赤色の花びらが大量に現れる。
それに触れたマユとキイラの身体が動かなくなる。
その間に操者は地面まで行き、そこで体勢を立て直す。
マユとキイラの身体が動くようになったころには、二人とも地面に立っていた。
ルイナは地面に立っている操者に殴りかかろうとしたが、それはできなかった。
操者に全く隙がなかったのだ。
「……確かに、私たちじゃ戦えなさそうだね……」
「マジで独特すぎるんだよな……。ってか、それについていけるマユとキイラのやつもすげぇのか」
「本当にそうだよね……。私たちは――」
ルイナがセトオギロのいる方向に顔を向けた。
しかし、もうそこにセトオギロはいなかった。
鎌で操者に斬りかかっていた。
操者はそんなセトオギロに顔を向けて、刀を構える。
その一瞬の隙でキイラが操者に斬りかかった。
向かってくるキイラに気づいた操者は刀を地面に刺す。
すると、操者の周りに大量の青い花びらが現れる。
その花びらが、キイラとセトオギロに当たった。
その瞬間、二人は一瞬だけ叫ぶ。
操者が地面から刀を外すと、花びらも消えた。
しかしセトオギロは鎌を放して、地面に横になっている。
ルイナがその場まで駆け寄った。
「いってぇな……!」
「大丈夫? ……って、なんかすんごく冷たくない?」
セトオギロの手に触れるルイナ。
そして驚いた。
セトオギロの手が青紫色に変色していて、少し膨れ上がっていたからだ。
「霜焼け……?」
「なんでだよ……! なんで急に霜焼けなんか……!」
「あの青い花びらだからかな……? やっぱり私たちは一旦離れるよ」
ルイナはセトオギロを背負って操者から離れる。
「――やっぱり私たちには無理かな……?」
ルイナはアシトたちがいた方向に顔を向ける。
しかし、そこにアシトたちはいなかった。
「アシト……?」
ルイナは周囲を見渡したが、アシトはどこにもいない。
「どこ行った……?」




