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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
それぞれの戦い
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第49話 作戦名X-DAY(前編)

 12月20日、地球政府軍、及び火星政府軍は革命軍が本拠地として不法占拠しているオリンピウス住居区付近にある前線基地を奪回すべく、今までに無い一大作戦を練っていた。

 それが、作戦コードネーム“X-DAY”である。

 この作戦を実行に移すのは、翌日となっていた。

 亮達は、地球軍より送られた武装などの物資を見て、これなら十分に戦えると考える。


「これだけの物資を用意してくれるなんて、地球軍も粋だよなぁ」


 ジェフは頭の後ろで腕を組みつつ、コンテナをじっくりと見つめる。


「ねぇ、亮。これって食料品とかみたいな生活必需品もあるのかな? 無かったら無かったで大変だけど……」


 玲は少し心配そうな面持ちをしていた。

 彼女は最近から食料がかなり減っているのではないかと察していたのだ。


「大丈夫だって。流石に持ってきてくれるだろ」

「そうだといいよね……」


 その中で、兵士の一人が“EGF-C”と書かれているコンテナを開けた。


「おぉ、これは小型ミサイルポッドか……。それに装甲板やビームライフル用のカートリッジまであるな。他にはビームバズーカが分割されて入っている」

「これだけあれば、機体改修に使えますね」


 また、別の兵士は“EGF-D”と書かれたコンテナを開けると、食料品が入った箱などが入っており、玲はそれを見て安堵した。


「ひとまず、これだけあれば何とかなりそうだね」

「そうだな」


 二人が話をしていると、兵士の一人が駆けつけた。


「済まないが、君たちにもコンテナの開封と物資の仕分けを手伝ってくれないか? 人員が少し足りないんだ」

「えっ……、いいですけど」


 亮達はすぐに快諾し、開封や仕分けの作業用を手伝う。


「これは……、その他かな。この箱は野菜が入っているみたいだから、食料品に……」


 リーはテキパキと仕分け作業をこなしており、他の兵士よりも素早く行っていた。


「亮、これは特に何も書かれていないんだが、どこに仕分ければいい?」


 ジェフは何も書かれていない段ボールを見て首を傾げた。


「それって……、たぶんシャンプーとかじゃないか? 持ち手の隙間から中身を見てみろよ」

「あっ、本当だ。助かったぜ……」

「これってどうするの? ネジとかが入ってるけど……」


 どこに仕分けるか、少し悩んでいた玲。

 箱を持って亮の元に来た。


「この箱は資材の方に仕分けると思うぞ」

「あぁ、そうかぁ。教えてくれてありがとう」

「どういたしまして」


 その後も物資の仕分け作業は続くが、全員が熱心に作業をしていたおかげで予定よりも早く終わった。

 そして亮達は部屋へと戻った。



 時を同じくして、ジンはアシュリーと共に紅茶を飲みつつ、X-DAY作戦についての話をしていた。


「ジン、例の作戦なんだけど……」

「どうした? アシュリー?」


 ジンは横にいるアシュリーの顔を見て、すぐに彼女が次に行う作戦について不安を抱いていると察した。


「私はX-DAY作戦を成功出来るかどうか、それが気がかりで昨日も眠れずじまいでね……」

「何故そこまで不安なんだ。俺に話してみろ」


 安心しろと言わんばかりの表情をするジン。

 彼は何とかして彼女を安心させようとする。


「実は昔……、軍に入ったばかりの時に、自分のミスが原因でかつての上司が戦死してしまった事があって……。それ以来私は、自分のせいで誰かが死んだらどうしようと心の底で思いつつ戦い抜いて今に至る訳で…。私はこれ以上部下を死なせたくない。そのためにも、何か出来ることはないかしら!?」


 それを聞き、ジンは彼女の身になって考えた。

 かつての戦いで、何人の部下を死なせてしまったか。自分も彼女とは何ら変わりないと気付く。


「どうしたの、ジン……」

「出来ることか……。それは、部下を守ろうとする想いを強くする……。今、出来ることはそれしかない」

「そう……。確実な方法は無いとはいえ、それだけなら出来るわ」


 アシュリーは軽く微笑む。


「例え少しの事でも、やっておけば変わるはずだ」

「分かったわ……」


 その後、ジンとアシュリーは紅茶を飲み終えて会議室の方へと向かうのだった。



 そして、それから数十分後のこと──────

 ついにX-DAY作戦の計画を本格的に練ることになる。

 地球軍側もそこへと駆けつけ、どのような作戦を行うか全員で案を出し合っていた。


「さて……、どうするか?これは私の案だが、メガキャノンで敵を挟撃した上で殲滅していきたい所だが……」


 ラゾウスは顎に手を当てて悩み込む。

 彼が思わず眉をひそめている中、亮が挙手し、考えを述べようとした。

「自分は、本作戦では万全な武装を固めた上で攻撃を行うべきだと思います。それだけではなく、今回は最初に一組のグループで戦い、途中から分散して敵の後方に回り込んで一斉に集中砲火を浴びせる方が効率的かと思うのですが……」

「そうか……。まぁ、その考えも悪くは無いな。他に考えのある者はいるか?」


 するとジェフが挙手をして、何か言いたそうな顔をする。


「ジェフも何か案があるようだな。言ってみろ」

「はい、自分としては航空戦力を重点に固めておくべきかと思うのですが……」

「うむ……、いいだろう。君の考えも採用しよう」


 ラゾウスはすぐに首肯した。


「自分もいい考えが浮かびました……」

「何だ? アルカディー……。説明してくれ」

「本作戦で挟撃をする事は決まっているので、集中砲火を浴びせるだけでなく、接近攻撃で追い詰めていくというのはいかがでしょう。さらに、空中と陸上の二段構えで敵に挑むというのはどうですかね?」


 アルカディーは、自信に満ちた面持ちでラゾウスを見つめる。


「それも悪くないな。いいだろう」


 ゆっくりと首肯するラゾウス。

「他に考えのある者は……、いないようだな。では、三日後に作戦を実行するためにそれまでには準備をするように頼むぞ。健闘を祈る!」

「了解!」


 彼らは、ラゾウスに対し敬礼を行った。


 それから一時間程経ち、亮とリーは廊下を歩きつつ、とある話をしていた。


「それにしても、俺たちはこの作戦を成功

できるんですかねぇ、亮さん……」


 リーは三日後から行われる作戦を成功出来るか不安視していた。


「何言ってんだよ、リー。今まで俺たちは土壇場でも何とか上手くやって来たじゃないか」

「でも、今回は今まで以上に重要な作戦なんですよ。

少しでも何かやらかせば、作戦が失敗することだって十分にあり得るんですよ……」

「まぁ、わからなくは無いな。


 一番重要なのは、失敗を恐れることじゃなくて


“何が何でも絶対に成功させてやる”という精神なんだよ。これは戦いだけとは限らない。世の中のありとあらゆる事にも共通しているんだ」


 亮の説得を聞き、確かに然りだと考えたリー。

 彼は今までの事を思い返した。

 自分も、以前に亮を励ましていた時があった事を思い出したリーは、自分がどこか情けなく思うようになる。


「前は亮さんが同じ事で悩んでましたよね。

言われる側になるなんて……、俺って馬鹿ですよね……」

「自分をそんなに責めるなよ。しっかり思い出せた

だけでもいいじゃないか」

「はい……」


 そして二人は、昼食を食べに食堂へと歩いていった。



 時を同じくして、玲とジェフは昼食としてパンやポークソテーを頬張っていた。

 そこに亮とリーも合流し、四人でX-DAY作戦についての話をした。


「あのさぁ、X-DAY作戦についてなんだけど……」


 先に発言をしたのは玲であった。


「それがどうしたんだ? 玲……」

「この作戦、上手く行くのかな…?」


 玲はとても心配そうな表情をしており、顔をしかめていた。


「あれだけしっかりやっておけば大丈夫だろ……。問題は敵の数だけどな……」

「まぁ、敵の数は当日にならないと解らないしね……」


 作戦について少し悩む玲。

 そんな彼女を、兄である亮はどうにか励まそうとした。


「そんなに悩むなよ。まだ始まってもいない事に悩んでも仕方が無いじゃないか、玲……」

「亮は心配じゃないの? 昔はあれだけ心配症だったのにさぁ」

「おいおい、俺が心配症ってのは言い過ぎだろ。でも、時折心配するのは癖みたいになってるけどな」

「やっぱりそうじゃん。話を戻すけど、これからの作戦では戦力が問題になってくると思うんだよね。すぐさま分析して作戦を立てる……、ってのもいいけど、あらかじめ準備をしておいた方が安心だよね」

「確かにそうだな」


 ジェフはスッと軽く頷く。


「もう一回作戦会議を行えるか、ラゾウス少将に頼んでみてはどうですかね?」


 リーの提案を聞いた三人はいい考えだとは思ったが、すぐに出来るかどうか不安だった。

 すると、そこに昼食を食べ終えたジンが現れる。


「ジン少佐、ちょっとよろしいですか?」

「なんだ? 亮……。短めに頼むぞ」


 ジンはどこか不満気な顔つきであった。


「あの……、もう一回作戦会議をすることって出来ますかね……」


 亮はどこか自信の無さそうな表情であった。


「そうか。ラゾウス少将に聞いてみて、出来るとしたら明日になるだろうな……」

「えっ、そんなにすんなりと出来るものなんですか?」


 ジェフは思わず目を見開いて驚く。


「ああ、それぐらいなら大丈夫だ。何しろ俺は、少将からかなり信頼されているからな」


 どこか自慢気に胸の前で腕を組むジン。

 彼の言葉を聞き、四人は安堵の表情を見せた。


「わざわざ僕たちのためにありがとうございます。助かりますよ」

「礼には及ばんよ。まぁ、やれることはやってみる」


 そして、ジンはその場から立ち去った。



 翌日、起床時間から間もない時にジンは亮の部屋を訪れた。


「ジン少佐……、おはようございます。」


 寝ぼけた顔で挨拶をする亮。


「亮、いい知らせを伝えに来た。二次作戦会議は出来るぞ」


 それを聞いた亮は、思わず驚く。


「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」

「礼なら少将に言うべきだと思うがな……」


 ジンは薄っすらと笑みを浮かべた。


「そう……、ですね」


 そしてこのことは、他の両軍のクルーにも伝えられ、

 一部の人間は面倒だと思っていたが、昼食前に二次作戦会議が行われることとなった。


「今回の作戦会議は、一部の兵士の要望で急遽行われることとなった。準備で忙しいにも関わらず、申し訳ない。ひとまず、前回の作戦会議ではメガキャノンを使い、地上と空中の二段構えの状態で挟撃をすることとなっているこれに付け足しを行いたい者はいるか?」


 亮は素早く挙手をした。


「自分は、誘導機雷を用意して敵を誘爆させようと思っています。どうでしょうか?」

「なるほど……。まぁ、ストックはあるからいいだろう。この前、地球から運ばれたコンテナの中に誘導機雷を造るために必要な部品があったから尚更だな」

「採用ありがとうございます」


 亮は真摯な表情で敬礼をして、椅子に座る。


「他に案のある者はいるか?」

「はい! 私からも一つ……」


 次に挙手をしたのは玲であった。


「じゃあ、聞かせて貰おうじゃないか……」

「私は、管制システムのハッキングをして敵を妨害したいと思うのですが」

「なるほど。で、コンピューターウイルスの用意は出来ているのか?」

「はい。兄の亮が以前開発した物があります。これを改良して使えば出来るでしょう」

「おい……、玲」


 思わず困惑する亮だったが、玲の要望を一応受け入れることにした。


「そうか。頼んだぞ、亮」

「了解!」


 そして作戦会議は終わり、後は準備を進めて作戦実行の時を待つのみとなった。

 果たして、彼らは作戦を成功出来るのか。

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