第47話 ICBM破壊作戦
12月9日────────
ついにリントヴルム・ガルード連合艦隊による革命軍の大型ICBM基地襲撃作戦を実行する時が来た。
当日、亮達は何としても作戦を成功させて見せようと意気揚々とした態度で戦地に赴いた。
しかしながら、基地の周辺には敵軍の機動部隊が点在していたのだ。
そのため、基地を破壊する前に戦闘を行わざるを得なくなった。
「ウィリアム艦長、機動部隊は出撃させますか!?」
「うむ、そうした方がいいだろうな…」
そして亮達は出撃し、迫り来る敵部隊と対峙する。
亮達は焦燥に駆られる中、戦闘を開始した。
亮はまず、ビームマシンガンをチャージモードに切り替え、上手く自らを囮にして敵を引きつける。
「こっちだ! 上手くいってくれよ……」
敵の攻撃を蝶の如く回避しつつ、攻撃の契機を窺う。
「あの世に行かせてやるぜ!」
亮を包囲しようとする敵部隊の兵士達。
だが、彼らは既に亮のペースに持ち込まれていることを知らない。
「今だッ!!」
その時、機銃の砲口から蒼い雷のような光線が放たれ、周辺にいた敵機の半数が撃墜された。
“亮、油断するなよ!”
「ジェイク中佐! 分かりました」
ジェイクは残った敵機をビームライフルで確実に仕留めていく。
“俺たちも援護するぜ、亮!”
「ジェフ、玲、リー! 助かるぜ」
ジェフ達三人もまた、亮を援護する。
敵部隊は確実に減っていき、全滅とまではいかなかったものの、何とかICBM発射基地へと進軍することに成功した。
一方、ICBM発射基地ではグリムリーパー隊などの
機動部隊が待ち受けており、敗走した兵士の報告を受け、戦闘態勢を整えることを強いられる。
「さて……、どうしようか。ウィザルグ、レリィナ、もう戦う覚悟は当然出来ているな?」
「もちろん出来ていますとも。今は亡きガズベルの仇を必ず討ちましょう」
ウィザルグは怒りが垣間見える顔つきで、拳を強く握る。
「私も右に同じです。二度とあの悲劇を生まぬよう、ブレイダー隊の連中を全滅にまで追い込みたいですね」
「二人とも十分に覚悟出来ているようだな。では、我が軍のICBM発射基地を守り抜いて見せようじゃないか」
「了解!」
そして彼らは、各々の機体に搭乗して出撃。
ついに本格的に戦いは始まった。
連合艦隊はICBM発射基地に辿り着き、
当初の作戦通りに爆撃機を召集し、上空から地上を攻撃した。
「何だとッ!? 爆撃機の編隊が、こっちに来ている……」
「対空砲で攻撃しますか?」
「うむ、構わん」
そして、爆撃編隊は敵の基地にある対空砲からの攻撃を喰らうが、全く成果は挙げられなかった。
やがて爆撃編隊の手によって、12基ある内、7基のICBMが破壊されて使い物にならなくなる。
基地内にいた兵士らは、遂にICBMの発射を行う事を決意し、発射台の施設へと向かう。
その一方、亮達は敵機動部隊をダミーバルーンや
煙幕弾で撹乱し、その隙に敵に対し攻撃を仕掛けていた。
「くそっ! 煙幕弾やダミーバルーンを使ってくるとは……。だがこの程度の撹乱など想定している。レーダーマップで敵配置を確認するか……」
グリィパー達は連合艦隊の撹乱作戦に怯むことなく、ひたすら突き進み、果敢にも攻撃を仕掛けた。
そして、亮達の作戦はフェーズ3・一斉攻撃へと移行。
「よし、アレックス! 行くぞ!」
“了解!”
WOLFやバルチャー隊等は掃射を行い、ブレイダー隊やシャドー隊等は接近戦に挑む。
竜崎兄妹、ジェフ、リーは自らの剣で敵に斬りかかり、矢継ぎ早に敵を撃破していく。
「私達のスピードについて来られるかしら?」
玲は圧倒的な速さで宇宙空間を飛び回って剣を取り回し、敵を切り裂く。
「何っ……、ウワァァァッ!!」
敵機は彼女の手により撃墜され、爆発四散する。
「俺は何があっても負けない……!」
ビームブレードで数々の敵を圧倒する亮。
さらにそこへとジンが加勢し、彼はマルチガンナーで敵機を次々に撃ち落としていった。
“亮、ひとまず交代だ! 今の内に弾薬の補給をしておいた身のためだぞ”
ジンは亮達に対し、先に艦へ戻るよう誘導する。
「分かりました。でも、ジン少佐は?」
“俺は後で必ず行く”
「はい……」
そして、亮達は一時的に退陣した。
それから少し経ち、シャドー隊等の火星政府軍の部隊も艦へと戻っていく。
一方でジェイク達は空陸二段構えの接近戦で、群がる敵を倒していったが、ついにグリィパー達が姿を現し、戦況は一変する。
「アルフレッド、漆黒の死神が来た……。どうするか?」
ジェイクは困惑するが、アルフレッドは迷わず戦う事を選ぶ。
「これで……、切り裂く!」
レリィナが巨大な鎌でアルフレッドに襲いかかる。
それにより、アルフレッドは機体左腕部を切断され、防御の手段を失う。
「くっ……、ならば零距離射撃で倒す!」
即座にアルフレッドは、敵機のコクピットに自らの機銃の砲口が接した瞬間に光線を放つ。
「そんな……、この私がッ……!!」
コクピットが破壊され、レリィナの機体は墜落し、一瞬にして彼女もろとも灰と化した。
「レリィナが撃墜された! ウィザルグ、早く地球軍の連中を倒さねば……」
“了解……。ですがどうするつもりなんですか?”
「これだ。ICBMで全滅すればいい……」
それを聞いたウィザルグは、思わず絶句した。
“それを使うのですか!? でも、あれは住居区破壊用のものですよ!?”
「ICBMなどメタルユニットと比べれば容易に量産出来るから問題あるまい! 基地の兵士に許可を得ればいい」
“は、はい……”
そして、ウィザルグは密かに施設にいた兵士にICBMの使用許可を得た。
これにより、ICBMの準備が行われ、後は発射されるのを待つのみとなった。
しかし、これをいち早く察したアルフレッド率いるバルチャー隊は、即座に発射台の破壊を行うよう、亮達に指示を出す。
「ICBMで俺たちを抹殺……!? 本当ですか、中佐!」
“あぁ、間違い無い。奴らはさっきから挙動不審になっている。恐らくその理由は、ICBMの発射許可を出しているからだろう”
「なら、行くしか無いですね……」
亮達は予定より早く、再び出撃した。
「ジェフ、ミサイルランチャーの準備は出来てるな?」
“当たり前だろ。これくらいはしとかないとな”
ジェフはすぐさまミサイルを放ち、発射台の一部を破壊した。
「まずいぞ! 奴らに勘付かれたか!?」
“ここは私がやってみせます……”
ウィザルグはジェフの元へと急接近し、作戦を妨害する。
「馬鹿め……。何も考えずに前に出るとは愚かだな!」
近づいて来るウィザルグにすぐさま対応したジェフは、ビームソードで接近戦に挑む。
「かかって来い! 俺は容赦しないぜ!」
モニターに映る敵機を睨むジェフ。
彼は勢いよくウィザルグに斬りかかった。
「くっ、強い……。流石はエアブレイダーだな。一筋縄じゃあ行かないのは目に見えている。ならばこれはどうだ!」
鍔迫り合いをする最中で、ウィザルグは左手にビームライフルを持ち、接射する。
「うぅッ!! このまま倒されてたまるかよ! 腕のミサイルポッドで……!」
しかし、ジェフは僅かに後方に下がってミサイルを発射した。
「何という事だ! このままではやられる……」
その時、リーの駆るグレインが急接近し、ウィザルグが怯んでいる僅かな隙を狙って勢いよく斬りかかる。
「隙ありぃ!」
「しまった! こんな事になるとは……! ウワァァッ!!」
そして、ウィザルグは機体と運命を共にした。
彼の死を見たグリィパーは、即座にICBMを連合艦隊に仕向けるように指示を出した。
「目標、リントヴルム・ガルード連合艦隊!
当たってくれよ!」
残った3基のICBMは、連合艦隊に目掛けて放たれた。
誰もが革命軍の勝利を確信したその時である。
蒼き稲妻のような閃光と、鮮血のように紅い閃光がそれぞれ一筋ずつ放たれた。
「あれは……、亮とジン少佐か!?」
ジェフは間違いなくこの二人がICBMを撃墜したのだと確信する。
しかし、まだICBMは一発残っている。
「主砲撃てェーッ!!」
ウィリアムの声と共に、強靭的な光線がリントヴルム艦から放たれ、ICBMは一瞬にして消滅。
何とか最大の危機は免れた。
しかし、基地には敵機動部隊がまだ残っている。
連合艦隊はさらに進軍し、基地へと攻撃を仕掛けていく。
「よし、後は基地を破壊するだけだ! ブレイダー隊の方も準備はいいな?」
“もちろん! ジン少佐!”
「アルカディー、ラルフ! 援護頼むぞ!」
“了解!”
ブレイダー隊とシャドー隊は、基地内部へと入り、護衛部隊と一戦交えることになる。
グリィパーは護衛部隊に敵を包囲するように指示し、亮達を徹底的に追い詰めようとする。
「これで終わりだ! もう勝てまい」
巨大な鎌を亮の機体に振りかざすグリィパー。
しかし、その程度では亮が怯むはずが無かった。
「危ない所だった……。思い通りにはさせないぜ」
亮は剣で押し返し、グリィパーの機体を弾き飛ばす。
さらにジンがマルチガンナーを射出し、護衛部隊を次々に撃破していく。
「包囲しても無駄ですよ……」
アルカディーは静観しながら機銃を撃ち、敵を撃墜する。
「アルカディー中尉、敵はそこまで強くないようです」
“でも、油断したら負けだぞ”
「はい……」
ラルフもまた、余裕の表情で敵を圧倒。
さらにジェフ、玲、リーの三人は接近戦で敵を確実に仕留めていく。
そして、亮はグリィパーと激闘を繰り広げていた。
「やはり漆黒の死神だけあって強いじゃないか……。でも、やらせはしないぜ!」
「どこまでも邪魔をしおって、ロードブレイダー! 撃墜してくれる!」
お互いの機銃は既に弾切れな上、機体は傷だらけであり、接近戦を行う事を強いられていた。
「喰らえェッ!!」
亮はビームブレードでグリィパーの機体右腕部を斬り落とした。
グリィパーは、そのまま敗走する事を余儀なくされる。
「待てッ!」
“亮! これ以上戦うと、機体が持たないぞ!”
ジェフは亮のロードブレイダーの出力システムが限界域に入っている事を見抜いていた。
そのため、グリィパーにトドメを刺す事までは出来ずに戦闘は終わる。
何とか連合艦隊側の勝利に終わったが、亮はグリィパーを倒せなかった事についてかなり後悔していた。
「亮……。その顔から察すると、まだグリィパーを倒せなかった事を後悔しているようだな。いつまでも根に持っていては、普段やれることも出来なくなるぞ」
ジンは必死に亮を励まそうとした。
「ほっといて下さいよ、ジン少佐……」
「その姿を地球にいる仲間が見たら、お前らしくないと言われるぞ」
「でも……」
「でもじゃない。前を向いて突き進め。そして、平和への道を切り拓け……、亮。お前達となら、戦争終結まで戦い抜けると信じられる」
「ジン少佐……」
亮は再びやる気を取り戻したのか、自信のついた表情になる。
「さぁ、夕食を食べに行くぞ」
「はい」
そして、亮は談話室を後にした。
今後、どれほど激しい戦いが待ち受けているか、それはまだまだ誰も知らない。
今回の特殊部隊BLADER-FORCEは
いかがだったでしょうか。少々短い話となりましたが、楽しめていただけたら幸いです。
次回もお楽しみに。




