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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
それぞれの戦い
49/59

第44話 アイザック強襲

 11月19日────────

 地球政府軍軍・火星政府軍の連合艦隊は戦力を固めていき、オリンピウス基地とロンバルダ基地の間に存在するゴラム前線基地に攻撃を仕掛ける事を決意した。

 しかし、最近中尉になった亮達はそんなこともさぞ知らず、束の間の憩いの時を楽しんでいたのだ。

 とはいえ、マークの死を受け、今までよりも気持ちを引き締めてはいた。


「あっ、亮! これ……、自分で作ったんだけど!」


 玲は、可愛らしいロードブレイダーを元にしたと思われるぬいぐるみを差し出した。


「これ……、俺が乗ってるロードブレイダーにそっくりじゃないか! その上丸っこくて可愛いな……。それにしても、よく作ったな……」

「へへっ、案外良いでしょ! これ、あげるよ」


 彼女は、にこやかな面持ちでぬいぐるみを渡した。


「ありがとよ。これ、部屋に飾っとくぜ」

「ホント? 嬉しいわ」


 そして、亮は自分の部屋に向かった。



 一方、ジェフとリーは、新たにWOLFの隊長となったジェイク達と食堂で昼食を食べつつ気ままに話をしていた。


「ジェイク中佐、ここ数日は革命軍の連中が来ませんけど、どうしたんでしょうね……」


 ジェフはこのことを不自然に思い、疑り深い表情をしていた。


「そうだな……。きっと奴らの事だ。油断した隙に攻撃を仕掛けてくるはずだ」


 ジェイクは真摯な顔つきで話す。


「やはり、攻撃して来るとわかっていても怖いですね……」


 かすかに青ざめた面持ちをするリー。彼は、どこか怯えているようにも見えた。


「大丈夫だろ……。気を引き締めてれば……」


 ジェフは、リーを安堵させようとする。


「まぁ、そうですけどね……」


 リーの表情はどこか気がかりな面持ちだった。

 その後、彼らは昼食を食べ終えて機体のメンテナンスをするため、整備ドックへと向かった。



 その一方、亮はいち早くスコットと機体のメンテナンスを行っていた。


「あの、スコットさん……。確か、スコットさんはこの機体の開発に関わってるんでしたっけ?」

「あぁ、そうだが。急にどうしたんだ、亮……」


 スコットは、突然の質問に眉をひそめる。


「何故、僕の機体はロードブレイダーと言うんです?グランドブレイダーでも良かったような気がするんですが……。どうでもいい質問ですみません」

「いや、別にいいよ。何故かと言うとね……、開発スタッフのリーダーが、この機体には第三次大戦を終結させ、平和への道を切り開いて欲しいという願いを込めてロードブレイダーと名付けられたんだ。ちなみに、そのリーダーはベン・ローウェルといってね、君のようにメカニックの技術力に優れていて、世界一とも言われているんだ」


 それを聞いて、亮は思わず驚嘆した。

 自分の駆る機体の名前にそのような意味があったことに。


「そうだったんですね……。初めて知りました。では、これからはより気を引き締めて、戦争終結のために頑張ります……」

「頑張れよ! 俺も応援してるよ」


 スコットは笑ってみせた。


「あっ、亮じゃないか! もうここに来てたんだな」

「ジェフ、昼食を食べ終えたんだな?」

「もちろん! とりあえず今からメンテを始める所さ」


 ジェフは気楽そうな面持ちで、エアブレイダーのメンテナンスを始めた。



 数時間後、ジン達はこれから行われる作戦会議に参加しようとミーティングルームへと向かっており、その道中で亮と合流し、これから自分たちはどうすべきか話し合った。


「やぁ、亮……。お前達はこの前中尉に昇進したんだってな」

「ジン少佐、どうしたんです? これから会議だっていうのに……」


 一度立ち止まり、きょとんとする亮。


「我々はこれから、どうしていけばいいと思う? ただ思うままに戦うだけでは、駄目であろう……」

「それだけでも、分かっていたらいいんじゃないですか? あくまで俺の意見ですけど……」

「そうか……、まぁいい。また後で自分で考え直す」


 それを聞き、亮は何のために質問したのか気になった状態のまま、作戦会議に参加した。

   ︙

 作戦会議では、ゴラム基地をいかにして攻略するかについて試行錯誤がなされていた。

 様々な陣形でシミュレーションが行われ、最終的には三日月状のフォーメーションで戦闘を始めていくこととなった。

 さらにそこから、包囲していき敵を追い詰めていくという亮の提示した戦法も採用され、戦略案は煮詰まってきた。


「さて、かなり戦法もしっかりとしたものになったが、まだ意見のある者はいるかね?」


 すると、挙手をしたのはジンであった。


「おや、ジン……。どんな考えがあるか聞かせてくれ」

「はい。今回の作戦では、地球で新兵器として使われたメガランスを使用したいのですが……」

「なるほど……。いいだろう」


 ラゾウスはしっかりと頷く。


「採用して下さり、ありがとうございます……」


 敬礼をした後、ジンはゆっくりと座る。


「他にはいないようだな……。では、今回の作戦会議を終了とする。諸君、健闘を祈る!」

「了解!」


 全員は、一糸乱れぬ動きで敬礼を行った。



 その一方、ゴラム前線基地ではアイザック率いるファルコン隊がこれからどのような作戦をこなすか、慎重に考えていた。


「さて……、これからどうすべきか。いかなる方法を使ってでも連合艦隊を沈めてやろう。アヴィルの仇のためにもな……!」


 アイザックは力強く、拳を握りしめる。


「ええ、必ずや憎きブレイダー隊を……、いや、リントヴルム・ガルード連合艦隊もろとも私達で撃破してみせましょう」


 メイルは僅かな怒りと強靭な自信に満ちた面持ちであった。


「お前も覚悟はできているようだな……。ならば、不足はあるまい。では、今回の作戦について説明しよう。今回は、二方向から敵を攻めていくこととする。双方にフォートロンが一機ずつ後方にいるが、油断は禁物だ。我々は、メガキャノンやナパームミサイルランチャーで攻撃を仕掛ける。ただ、高威力の兵器を使うにしても、力任せに撃っていては駄目だ。確実に仕留めることを心に留めておけ」

「分かりました……」


 彼女は真剣な表情で頷く。

 そして、彼らは出撃準備を整えることにした。



 それから数時間後、両軍の連合艦隊はゴラム前線基地へと進軍を開始。

 戦力も十分に万全で、兵士達は闘志を燃やしていた。


「ウィリアム艦長、敵を何としても殲滅しましょう」

「うむ、それが上手く出来ればいいがな。まぁ、これだけの戦力を持っていれば十分だと思うが……」


 ウィリアムはブリッジの窓から漆黒の宇宙を眺める。しかし、行く道中で警戒ブザーが唐突に鳴った。


“敵部隊接近! 敵部隊接近! 至急機動部隊は出撃せよ! ブリッジにいるクルーは警戒せよ!”

「ついに来たか……」


 思わず体が震えるウィリアム。そして、両軍は機動部隊を出撃させることとなる。



 亮達は、焦燥に駆られながらも敵を捜し、攻撃を仕掛けようとする。


「よし、どこからでも来い!」


 亮はビームマシンガンを撃ち始めるが、革命軍の機動部隊はメガキャノンで先陣を切る。


「何だ!? 凄まじい攻撃だな……」

“亮、無茶しない方がいいよ。まずは回避することを優先しようよ”

「分かった、玲」


 玲のアドバイスを受け、ブレイダー隊宙域班は避けつつも、少しずつ攻撃をすることとなる。

 さらにそこに、シャドー隊が合流。亮とジンはメガキャノンのエネルギーが切れた隙に攻撃を仕掛ける事を決意した。


“亮さん、どうするんですか!? 敵の攻撃は強靭ですよ!”


 リーは、かなり焦っているように見えた。


「大丈夫だ。メガキャノンはエネルギー制限があるから、弾切れになったところを攻撃すれば倒せるはずだ」

“確かにそれなら攻撃しやすいですね……。分かりました……”

“とりあえず、回避しつつ攻撃の契機を待つ訳か。オーケーだ。やってみようぜ”

“まぁ、やるだけやってみようよ”


 リー、ジェフ、玲の三人も亮の意見に肯定的であった。そして、メガキャノンによる攻撃が止んだ時、ジンは合図を出した。


“今だ! 行くぞ亮!”

「了解ッ!」


 そして、七人は我先にと攻撃を仕掛けて前方にいた敵を僅かながら撃墜に成功するが、その矢先に革命軍の機動部隊は、ナパームミサイルを短いスパンの中で撃ち放っていった。


「今度はナパームだと!? 強気だな……」


 再び後方に下がる事を強いられた亮達だったが、ジンは諦めているようには見えなかった。

 それもそのはず、彼は敵前逃亡を誰よりも嫌っていたからだ。


「ジン少佐! どうするつもりですか!?」

“亮、俺はまだ諦めん! 何としても奴らを撃墜する!”

「そうですか……。なら、俺も!!」


 亮とジンは、爆風の隙間をくぐり抜けつつ光弾やビームを放ち、次々に敵を撃墜していった。


「何だと!? 真紅の悪魔(レッド・デビル)が来るとは…。うわァァッ!!」


 亮はビームマシンガンで一気に掃射を行い、迫り来る敵を撃墜し、突破口を切り開いていった。

 また、ジンも負けじとマルチガンナーを使って寄って来た敵を黙殺していく。


「さぁ、早く行くぞ!」

“分かった! 任せとけ……”


 ジェフ達三人も前方に近づき、先程とは打って変わって積極的に戦闘を行う。


「ミサイル全弾発射!」

「何ッ!? うわァァァッ!」


 無数のミサイルが飛び交う中、次々に敵機動部隊は撃墜されていった。


「どこからでもいらっしゃい!」


 玲はビームバズーカで攻撃し、敵機のシールドを破壊。

 そこからトドメの一発として、ビームソードで次々に敵機を切り裂いていった。


「そこか……。撃つ!」

「しまった! ウワァァッ!」


 リーは、的確にビームライフルを使って敵を狙撃していく。

 驚く事に、彼は無駄撃ちを一切していなかった。しかし、そこにアイザックの駆るワイバルドとメイルの駆るサイファルが急速に接近。


「来たか…!」


 即座にアイザックが来た事を察したジェフは、ビームキャノンを取り出し、連射する。


「喰らえェッ!」


 しかし、アイザックはその攻撃を回避し、さらにジェフの元へと凄まじい勢いで接近する。


「落ちろ、エアブレイダーめ! 今度こそ貴様を倒してやる!」

「コイツ……、近づいて来やがった……。なら、尚更容赦はしないぜ!」


 ビームソードを構えるジェフ。とうとう二人は、接近戦を行う事となる。


「絶対に負けやしないぜ! さぁ、来いッ!」

「切り裂いてくれる!」


 二人の持っている剣の刃は激しく衝突し合い、その末にジェフの機体が力負けして、その反動で弾き飛ばされる。


「うおッ! くっ……、姿勢を立て直して……」

「落ちろォォッ!」


その時、アイザックの攻撃をアルカディーが遠距離から妨害した。


“確か、ジェフといったな…。トドメはお前が刺すんだ”

「はい……!」


 ジェフはしっかりと操縦桿を握る。


「クソォッ、邪魔をするとは! だが、今度こそッ!」

「これで撃つ!」


 即座にジェフは、ビームキャノンを撃ち、ワイバルドの左腕を破壊する事に成功する。


「おのれ……、こんな事になるとは……」

「もう一発!」


 再び放たれた光線は、機体頭部を破壊した。さらにジェフは、ビームソードを構えてアイザックの元へと接近。


「トドメだァァッ!」

「何をォォッ!」


 アイザックは咄嗟にビームライフルを放ち、ジェフの機体右肩部を損傷させる。


「コイツめ……! まだやろうってのか!」


 再び姿勢を立て直したジェフは、ビームソードでワイバルドを真っ二つに切り裂いた。


「ウワァッ……、お前と戦えて死ねるなら、本望……、だ……」


 そして、アイザックは機体と運命を共にした。

 一方、それを見たメイルは錯乱したのかビームライフルを無暗に乱射した。


「アイザック少佐の仇は……、私が討つ!」


 しかし、メイルの元にジンが攻撃を仕掛ける。マルチガンナーによってあらゆる角度から攻撃され、戦闘不能にまで陥る。


「これで、斬る!」

「そんなっ……、この私が……」


 メイルの機体は、呆気なく撃墜された。



 ファルコン隊を倒したものの、当然ながら敵はまだ全滅した訳ではなく、次々に敵部隊が攻撃を仕掛ける。


「まだ来るか……。落ちろッ!」


 ラルフはビームライフルで敵を狙い撃ち、見事撃墜する。


「ウワァァッ!」


 機体は一瞬にして、宇宙の塵と化した。


“早くゴラム基地ヘ行かないと……”


 かなり焦っているように見える玲。しかし、その矢先にフォートロンが接近して来る。


「まずいッ! フォートロンが来たぞ!」


 亮は、思わず冷や汗を垂らす。


“なら、集中砲火をしてバリアーを打ち消そうよ!”

「分かったぜ、玲!」


 そして、亮達はフォートロンに集中砲火を浴びせ、電磁バリアーを打ち消そうと試みる。

 そしてそこに、アルフレッド率いるバルチャー隊も合流し、火力はより決定的なものとなる。


“アルフレッド中佐! 援護ありがとうございます!”

「俺たちにも任せろ! 何としてもフォートロンを倒してやる!」


 集中砲火を浴びせられるバルトンは、何としても敵を倒そうと試みる。


「おのれ……、邪魔をするとは……!」


 バルトンはサーチビームを発射し、アルフレッドの部下を数名撃破する。


“中佐ァッ!!”

「俺の部下に何て事をッ!!」


 アルフレッドはビームバズーカで光線を何度も放った。

 やがて、攻撃に耐えられなくなり、とうとうフォートロンのバリアーが打ち消される。


「まずい、俺の機体のバリアーが!」

「トドメだッ!!」


 ジンは急接近し、フォートロンのコクピットにビームソードを勢い良く突き刺した。


「嘘だァッ! ウワァァァッ!!」


 バルトンのフォートロンはとうとう爆発四散し、機体共々灰と化した。

 これを受けて、革命軍はやむなくゴラム基地から撤収を余儀なくされる。

 こうして、この戦いは連合艦隊側の勝利に終わった。



 基地へと戻った亮達は、個室に戻って休憩をしていた。


「あー、疲れた……。それにしても、ロードブレイダーのぬいぐるみを作ってくれるなんてな。嬉しいじゃねぇか。さぁ、寝るか」


 そして、亮はゆっくりと目を閉じて眠りにつく。

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