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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
火星革命軍の襲来
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第30話 狙われた進宙式

 9月1日、アメリカ政府軍基地でリントヴルム艦の進宙式が行われていた最中、火星革命軍の艦隊が敵の殲滅を目指し、攻撃を仕掛ける。それを受け、アメリカ政府軍はありったけの戦力でリントヴルム艦隊を護衛することとなった。

 また、艦隊のクルーも戦闘に参加せざるを得なくなる。


“コンディション、オールグリーン! BX-01-C ロードブレイダーカスタム、出撃して下さい!”

「了解! よし……、出るぞ!」


 そして、ロードブレイダーC(カスタム)はリントヴルム艦のカタパルトから出撃し、本格的に地球軍側も攻撃を開始した。


「ようやく来たか! 何としても全滅させてやるぜ!」


 革命軍の量産型空戦MU(メタルユニット)サイファルの部隊が意気揚々とリントヴルム艦に接近する。


「やらせるかよッ!」


 亮は接近して来た瞬間、すぐさま自らの剣で敵の機体を袈裟斬りにした。


「何だとッ! グアァァッ!!」


 敵機は爆発四散し、黒煙を上げながら塵となった。


“亮、ここは私たちも加勢するよ!”

“ちょっと、俺も忘れんなよ!”

“亮さん、このルイジェン・リーもお忘れなく……”


 玲たち3人が合流し、革命軍の討伐を始めた。


「俺と玲はここで戦闘を続ける。ジェフとリーは、より高い空域の方に向かってくれ」

“了解! 任せといてくれよ!”


 ジェフとリーの二人は、遥か上空へと向かっていった。

 


 そして二人は、同じクルーの兵士や現地の空戦部隊と共に群がる敵に挑んだ。


「よぉし、ここはツインバズーカで……」


 玲は、両手にバズーカを構えて敵機を狙い撃った。


「何て威力だッ! ウワァァッ!」

「しまった! 操作がもう利かない……」


 次々に敵を撃ち落としながら空を舞う玲。

 白銀色の機体が輝きながら凄まじい攻撃を繰り出していく。


「俺だって! こいつでまとめて倒すッ!」


 亮は、大型粒子砲から巨大な稲妻のようなビームを撃ち放つ。攻撃に巻き込まれた敵機は次々に爆散し、木っ端微塵になっていく。


「どれだけ来ようとも不足は無いぜ!」

“亮、後ろッ!”

「何だとッ!? うわぁッ! やりやがったな……!」


 隙を狙われ、背面に被弾する亮だったが、そんなことはお構いなしに剣を構え、先程攻撃して来た敵機を真っ二つに切り裂いた。


「玲、ここは背後を取られたら負けみたいだな……。背中合わせになって掃射するぞ!」

“了解! 任せといてよ!”


 二人は隙を突かれないようにひたすら攻撃を行った。しかし、敵はまだ諦めることなく近寄って来る。


“君は竜崎亮准尉とだったな! 我々アメリカ空軍も一斉掃射に加わる!”


 現地の兵士が、突如として亮と通信を行った。


「了解。ご協力お願いします!」


 戦力が増えたことで、敵機殲滅は思いの外順調に行われた。しかし、この快進撃は思いがけない形で止められることとなる。


「ん……、あれはグリムリーパー隊か!?」


 亮は思わず、操縦桿を握る手が震えるが、冷静さをどうにかして保とうとした。


“竜崎准尉も知っているとは思うが、漆黒の死神(ブラック・デス)のいるこの部隊は只者じゃないッ! 気をつけるんだ!”

「わかっています。奴とは戦った事があるので、どれほどの実力者なのか知っていますよ……」

“そうか……。ならば尚更だな。死角を狙われないよう、しっかり注意しろ”

「了解」


 そして、無数の光弾がグリィパー達を襲うが、その攻撃を蝶のように舞いながら、彼らは接近。

 巨大なビームサイスを、自分の体の一部の如く巧みに使い、次々に地球軍の機体を薙ぎ払っていく。


“接近戦に持ち込まれたら負けるぞ! なるべく遠距離から攻撃を行え!”


 現地の空軍の指揮官であるダニエルは、必死になって指示を行いつつ、機銃で光弾を連射するが、部下はなし崩し的にやられていき、周辺の僚機の数も少なくなっていく。

 それを見た亮は、自らを鼓舞して戦意を高める。


「これ以上させるものか! 喰らえェッ!」


 亮は、ビームマシンガンでガスベルの機体肩部を撃ち抜く。


「グアァァッ! くっ……、これ以上は戦えない……。グリィパー少佐! 私はここで撤収します……」

“分かった……。後は我々に任せろ……”


 グリィパーは冷淡な表情を見せた。


「今までより強くなってる……。これじゃ勝てないわ……」


 玲はレリィナやウィザルグを相手に苦戦するが、その時、どこからともなくビームが放たれた。


「何だッ! ウワァァッ!!」


 そこに現れたのは、美奈や省吾が砲撃手を担う小型艦“SC-14”であった。さらに下を見ると、日本政府軍の艦隊の姿もあり、玲は思わず安堵した。


「玲! 地上から僕たちが応戦するよ!」

“リックも来てくれたの?”

「艦内には鎧とアンナもいるよ。少なくとも地上から援護してくれるはずだよ。それと、今からナパームミサイルを発射するから下がって!」

“えっ!? わ、わかったわ…”


 そしてリックは、背中のバックパックから以前よりも威力が強化されたナパームミサイルを発射した。


「何だ!? 地上からミサイルがッ! 下がれレリィナ!」

“はい、大尉…”


 ウィザルグとレリィナは、ナパームミサイルの誘爆を回避した。しかし、地上からの攻撃はまだ続く。


「何て小賢しい連中なんだ! これで楽にしてやる……」


 そのままウィザルグは、ビームサイスで鎧の方へと斬りかかった。


「落ちろォォッ!」

「かかったな! クナイを喰らわせてやるッ!」


 鎧は、三本のビームクナイを投げて機体頭部センサーを破壊して敵の動きを一時的に止める。


「てやぁぁッ!」


 さらに刀で右腕を切断され、戦闘続行が不可能となったウィザルグは、やむなく撤収を余儀なくされる。

 その一方で玲は、レリィナと激しい闘いを繰り広げていた。


「一対一になったとはいえ、苦しさは変わらないわね……」


 玲は苦戦しながらも、どうにか撃破しようとしているが、なかなか敵の急所に潜り込めずにいたのだ。

「流石はソニックブレイダー……。ただでは倒せないようね……」


 レリィナは接近攻撃をことごとく避けられたため、もはや勝てないのではないかと思いつつあった。

 さらにその矢先、彼女の元にアンナが駆るラザックがいつにないスピードで迫って来た。


「やらせるものですかッ!」


 アンナはビームライフルを乱射し、レリィナを惑わせた。


「何よッ! 私ばかり狙って……」


 レリィナは何とかビームサイスを高速回転させながら盾代わりに使うが、攻撃できずにいた。


「玲さん、敵の手元を狙って下さい!」

“わかったわ、アンナ! なら、これで……”


 玲はある程度連射が利くビームガンに持ち替えて、レリィナの急所を狙い撃った。


「何としても倒さなくちゃあね……。 喰らいなさい!」

「きゃあァァッ! 被弾したッ!?」


 さらに玲の猛攻は続き、もはやレリィナに攻撃をさせる隙など無かった。


「もう一発!」


 玲はトドメの一発を放ち、ビームサイスを破壊した。


「あぁッ! サイスが……。よくもやってくれたわね!」


 レリィナは怒りのあまり、我を忘れてビームライフルをがむしゃらに乱射し、立場は逆転しようとしていたが、その行動が仇となり、彼女の機銃はエネルギー切れを起こしてしまった。


「敵が撃たなくなった? 今がチャンスね!」


 ビームガンでレリィナの機体に致命傷を喰らわせた玲。

 しかし、レリィナは紙一重の所で脱出ポッドで機体から出ていった。


「グリィパー少佐、機体をやられたので戦線離脱します……」

“了解した。後は俺一人だが、任せておけ……”


 そしてグリィパーは、亮に対し、自分の得意な接近戦で挑んだ。


「ロードブレイダーめ! 切り裂いてくれる!」

「やられてたまるかッ!」


 グリィパーの巨大な鎌が、亮を襲う。

 しかしその攻撃は、亮が素早く反応したことで回避された。


「何てスピードなんだ……。あと1秒反応するのが遅かったら今頃やられてたぜ」


 亮は焦りのあまり、息のリズムが早くなり、若干過呼吸気味になる。そんな状況にも関わらず、亮はどうにか平静さを保とうと試みた。


「さっきのお返しだ!」


 亮の大剣の刃は、グリィパーのビームサイスを真っ二つにした。


「しまった……。ならばライフルで戦うしかあるまい……」


 彼はライフルを背面から取り出し、ある程度距離を保った上で攻撃を行う。


“ビームマシンガンノ残リエネルギーガ少ナイデス。早急ニ、カートリッジヲ交換シテ下サイ”

「本当だ。早く交換しないとな……」


 亮もまた、遠距離攻撃を開始し、エネルギーを無駄遣いしないように的確に敵機を狙おうとする。


「照準を合わせて…、そこだッ!!」


 一発の光弾がグリィパーの機体に被弾したものの、致命傷とはならなかった。これを受け、グリィパーはさらに戦意を向上させた。


「やるな……。だがこの程度で……」


 攻撃を始めようとした瞬間、“SC-14”の主砲からビームが放たれ、グリィパーに大きなダメージを負わせることになった。


“コンディションレッド。直チニ戦線離脱スルコトヲオ薦メシマス”

「やってくれたな……。覚えていろ……」


 そしてグリィパーも戦線離脱することとなった。


“亮さん、大丈夫でしたか!?”

“私も心配だったんですけど……。大丈夫ですか”


 省吾と美奈は、亮のことが心配で、気が気でなかったものの、不安はすぐに打ち消された。


「大丈夫だよ。二人とも……。来てくれてありがとよ。戦争が終わったら、必ず会おうぜ……」

“はい! 亮さん”

“私も必ず生き残ってみせます!”

「じゃあ、またな……」


 そして亮と玲は、まだ戦闘中であろうジェフ達の元へ向かっていった。



 一方で、省吾と美奈はしみじみとした気持ちを胸に抱きつつ、艦内のシステムを調整していた。


「美奈……、きっと会えるよな……。亮さん達に……」

「省吾、そんな自信なさそうな顔しないの! そんな調子じゃダメだって……」

「そうだよな。必ず会えるよな……」


 省吾は艦橋の窓越しに、空へと駆ける亮たちを見た。



 時を同じくして、ジェフ達は現地の空軍と共にアイザックが率いるファルコン隊と対峙し、想定以上に苦戦を強いられていた。


「どうしたどうした! 怖気づいたのか?」


 アイザック達は、これでもかというほどのミサイルや光弾を放ち、ジェフとリーを苦しめる。


「このままやられてたまるかよォ! ミサイルポッド、オールオープン!」


 今までより遥かに火力が強化されたエアブレイダーは、全身に火器が装備されていたのだ。それを能ある鷹の如く隠していた。


「喰らえェッ!」

「少佐、下がって下さい!!」


 アヴィルは咄嗟にアイザックの前方へと出て、盾になるかのように守った。

「ウワァァァッ!!」


“コンディションレッド、コンディションレッド。直チニ戦線離脱シテ下サイ”

「アイザック少佐……、後は任せます……」

“大丈夫だ……。お前の分までフォローしてみせるさ”


 そしてアヴィルは撤収していった。

 敵は一機減ったものの、周辺にはファルコン隊以外にも敵機動部隊や敵艦隊もおり、決して有利になったとは言い難い状況であった。


「何て奴だ……。だがお前の命運もここで尽きるだろう……。死ぬが良い!!」


 アイザック達はビームバズーカを構えて、閃光のような光線を撃ち放っていく。


「ジェフさん! ここは俺が接近戦に持ち込みます! 多少やられようと、この強靭的な装甲が守ってくれます」

“リー、行けるのか?”

「任せて下さいよ!」


 リーは、二本のビームソードを構えて、華麗な動きで敵の攻撃を回避しながら接近していく。


「隙ありッ! そこだァァッ!」


 彼の刃は、メイルの機体頭部を勢い良く切断した。


「あぁッ! メインカメラが……。少佐……、申し訳ありませんがここで……」

“分かった。後は俺に任せろ……”


 メイルは、悔しい表情を見せながら去っていった。


「何としても……、憎き地球政府軍の連中を倒す……! 落ちろォォッ!!」


 アイザックはビームバズーカを放ち、次々に応戦する地球政府軍の部隊を撃破していく。

 それを見てジェフは、何としても彼の攻撃を食い止めようとさらなる攻撃手段に出る。


「こうなったら……、アームキャノンだ!!」


 右腕に装着されたアームキャノンから光弾を連射し、アイザックと凄まじい激戦を繰り広げる。


「やるな、エアブレイダーめ……。だがコイツまでは想定していなかっただろうな!」


 アイザックの機体肩部からビームキャノン砲が展開され、凄まじい勢いで光線が放たれる。

 さらに周辺にいた部隊も遠距離攻撃を仕掛けていく。


「クソッ! 何ておっかねぇ奴なんだ……。これ以上はやられるわけにはいかねぇんだよ! リー! 一緒に接近するぞ!」

“了解!”


 そして二人は、恐ろしいほどの十字砲火をかわし、剣を構えて素早く振りかざす。


「何ッ! 二人で来たか!! だが負けぬ!」


 アイザックはジェフの攻撃を盾でどうにか防ぐも、さらに来たリーの攻撃を避けきれず、隙を突かれて左腕を切り裂かれた。


「なんてこった……。このままじゃ死ぬ……」


 そこからさらに追い打ちをかけたのは、合流して来た亮と玲の二人であった。


“ジェフ、リー、大丈夫か!?”

「安心しな。俺たちは大丈夫だぜ」

“そうか……。なら良かった……。俺たちも応戦するぜ!”

“私も参加するよ!”

「玲も来てくれたか……。ありがとよ! 恩に着るぜ!」


 やがて、4人の集中砲火が始まり、立て続けに周辺の敵機を撃墜して敵兵士達の戦意を喪失させ、残るはアイザックのみとなった。


「さぁ、これでもう逃げ場は無くなったな……。喰らえッ!」


 ジェフは、ビームキャノンで光線を放ち、アイザックの機体に致命傷を与え、戦闘不能にした。しかしアイザックは、脱出ポッドを使い難を逃れたのだ。

 こうして、進宙式の妨害から始まったこの戦いは終わった。



 翌日、改めて進宙式を行い、リントヴルム艦隊はこの日をもって地球から旅立った。これから先に、どんな困難が待ち受けているのか。まだ彼らはそれを知らない。

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