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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
火星革命軍の襲来
26/59

第24話 魔の絨毯爆撃を回避せよ

 ついにブレイダー隊は、アメリカ政府軍本部が置かれているワシントンに到着した。

 出撃体制に入り、いつ敵が襲撃して来ても即座に戦闘に移行出来るようにするため、常に上空にも防衛部隊を配備し、万全な状態となった。

 そして、今回の作戦では亮はリック、鎧、アンナと共に地上戦を担当し、アメリカ政府軍陸戦部隊と共同作戦を行うこととなる。


“亮さん、アメリカ政府軍基地の地図のデータを送ります。これを他の方々と共有して下さい”


美奈の手によって、ワシントン基地の立体マップのデータが転送され、ビジョンに映し出された。


「この基地の中心に巨大な滑走路があるみたいだが、こりゃ宇宙機動艦用のものか」

“そうですね。現在そこには任務を中断して一時的に帰還した艦が6隻あるようです。


 これらも重要な戦力ですから、破壊されないように護衛をした方がいいですね”


「わかった、省吾……。しかし敵はまだ来ないようだな……」


 亮は、メインカメラやレーダーを用いて敵を探るが、まだ来る気配は無い。


“もしかしたら、敢えて攻撃の契機を伺って待っているかもしれないですね……”

「そうか……。まさしく一触即発の状態ってわけか……」


 しかし、その時であった────────

 上空から濃い煙幕に包まれ、視界が急激に悪化し、とても戦闘が行えないような状態になってしまったのだ。


「何だッ? 周りが真っ白で何も見えないぞ……」

“亮! ここは油断しないで慎重に戦おう……”


 リックは冷静さを保とうとしつつも焦りを隠せずにいた。


「あぁ、わかった。でも、この状態じゃあなぁ……」


 しかし、無情にも火星政府軍の手による本格的な攻撃は始まった。


「まずいぞ! この不利な状況じゃ戦うにもどうしようもないぞ!」

“亮さん、亮さん!”


 突如として、省吾から通信が入った。


「どうしたんだ? 省吾……」

“ここは配置を確認できるレーダーを使って下さい”

「わかった、アンナもいけるか?」

“はい……。まだ未熟ですができる限りの事はやってみます!”

「よし、それならいい。行くぞ!」


 四人は煙が広がった中、手探りで攻撃を始めた。


「そこかっ!?」


 亮は、機銃を駆使して光弾を連射し、何とかしてすぐ目の前にいた敵を撃破した。


「しまったァッ!!」


 機体は倒れ込んだ後に爆砕し、灰と化した。


「亮、後ろから来るぞッ! てやぁッ!」


 鎧は、勢いをつけて敵に刀で斬りかかった。


「やべぇッ! うわぁぁッ!!」


 真っ二つにされた末に、機体は爆発四散した。


“ありがとよ、鎧さん!”

「礼には及ばん……。 あっ、まずい……」


 しかし、敵はまだまだ群がっていき、亮達を囲む。


「くっ、万事休すか……。だがこっちにも手はある!」

“鎧さん、ここは私にお任せを……”

「アンナ、できるのか?」

“はい、大丈夫です。私は射撃が大の得意ですから…。亮さんとリックさんもいけますか?”

“勿論だぜ! だろ? リック……”

“うん、僕も今回は地上戦を想定してビームライフルを持って来たからね……”


 そして四人は機銃を駆使して一斉掃射を開始した。無数の光弾が流星の如く飛び交い、着実に敵を

撃破していき、最終的に囲っていた敵部隊の殲滅に成功させる。

 亮は戦闘が一段落したので、一旦ヘルメットを脱いでタオルで汗を拭う。


「ふぅ、何とか上手くやったな……」

“亮、東側の格納庫エリアの方に向かうぞ!”

「わかったぜ、鎧さん……」


 四人はそのまま目的地へと向かうのだった。


 一方、時を同じくしてジェフ、玲、リーの三人は上空で戦闘を繰り広げていた。

 地上と同様に、凄まじい煙幕で視界がかなり悪化していたが、何とか悪戦苦闘しつつも攻撃を行う。


「玲、リー、大丈夫か?」

“私は大丈夫。何とかして全滅させないとね……”

“ジェフさんよぉ、これだけの敵をどうやって倒すんですか……? 案は無いんですか?”


 リーは上空に蔓延る敵を見て、危機を察していた。


「こういう時はな……、ミサイルランチャーを使うんだよ」


 冷静な面構えをして、ジェフはゆっくりとミサイルランチャーを構えた。


「ターゲット確認! 発射ァ!!」


 無数のミサイルが敵機目がけて飛来し、全て命中するも、それでも全滅とまでにはいかなかった。


「まだ残ってやがる……」


 ジェフは悔しそうな表情をした。


“ジェフさん、ここは俺が……”

“私も忘れないでよね!”


 リーと玲は、果敢に攻撃を仕掛けていった。


「俺はこいつで…、仕留める!」


 リーはビームソードを取り出し、迫り来る敵に次々に斬りかかっていき、確実に仕留めていった。


「私だって負けてられないんだからッ! えぇいッ!」


 玲もまた、レーダーの配置を頼りに遠距離攻撃で 敵を次々に撃墜していたのだ。

 やがて、煙幕は消えて視界が良くなり、周辺の敵を全滅させた頃には彼らを阻害するものは無くなった。


「よし、ひとまず片付けたか……」


 ジェフがホッと一息ついていると、突然通信が入った。


“ジェフ、こっちに大至急合流してくれ! 俺達だけじゃとても手に負えないんだ!”


 亮はいつになく必死な表情である。

 その表情から、ジェフは彼らが余程苦戦しているのだと察する。


「だってよ、二人共ォ。早く行くぞ!」

“えっ、待ってよぉ!”

“やべぇ、俺もついていかないとな……”


 そして三人は亮達と合流すべく、早急に地上へと降下した。



 一方、亮達はシャドー隊を筆頭とする前線攻撃部隊と交戦しており、ジン達の圧倒的物量攻撃に苦戦していた。

 特に、アルカディーの乗るゾギィ・ブラストタイプは現地の機動部隊を翻弄させており、地球軍側がかなり不利な状態となっていたのだ。


「喰らうがいいッ!」


 アルカディーは、機体肩部に付いているキャノン砲からビームを連射し、次々に地球軍の機動部隊を

撃墜していった。


「何て火力……。私達とアメリカ陸軍の部隊全員でもかなわないなんて……。亮さん、これでは私達の

身が持たないですよ……」

“アンナ、ここは俺が一掃してやるさ……”


 亮はビームマシンガンをチャージモードに切り替えて狙いをジンに定めた。


「喰らえぇッ!!」

「ん? ロードブレイダーめ! 思うようにはさせん!」


 亮の攻撃は、運悪く避けられてしまった。


「チィッ、避けやがったな!? 仕方ない、予備のエネルギーパックを使うか……」


 亮は、目を鋭くして再びジンに攻撃を仕掛けようとする。


「チャージモードは一発がデカい分、撃つまでにタイムラグがあるからやめておくか……。仕方無い……」

「今度こそ……、今度こそ倒してやるぞ! ロードブレイダーめ!」


 ジンは自らの腕に力を込め、好敵手(ライバル)である亮を倒すべくビームマシンガンを乱射していく。

 そんな中、後方からジェフ達3人が合流し、不利な戦況が好転し始める。

 その中で玲、アンナ、鎧の3人は、ヴェスタ小隊と交戦していた。


「近づいて来たわ! たァァッ!!」


 玲は俊敏な動作でアシュリーの猛攻を回避し、横一文字に剣で斬りかかるが、大ダメージを与えるまでには至らなかった。

 そこから更にアシュリーは凄まじい攻撃を繰り出していく。


「この攻撃を避けられるかしら?」


 アシュリーは、ニヤリと笑みを浮かべながら剣を素早く突き出していく。


「何て速さなの……。でも負けられない……。ここは間合いをとって戦うしかないわ……」


 玲は後方へと下がり、2丁のビームガンで応戦し、じわじわとダメージを与える。


「ここでチャージモードにして……、撃つ!!」


 機体両腕部を前に突き出し、凄まじい閃光のような光弾を放つ。その攻撃は見事直撃し、アシュリーの機体左腕部を損傷させた。


「やるじゃないの……。でもまだ終わらせないわ!」


 彼女はハンドグレネードを投げ、ダメージを与えると共に撹乱を行った。


「きゃあァァッ!!」


 玲の機体に直撃し、紅い火花が飛び散る。


「大丈夫か? 玲……! よくもやってくれたな……!!」

“鎧さん、私も援護射撃を行います!”

「わかった、アンナ!」


 鎧はホバー走行し、ビームクナイを3発投げ、更に追い打ちをかけるかのようにアンナはビームライフルを使い、光弾を撃ち放ってかなりのダメージを負わせる。


“コンディションイエロー、更ナル攻撃ニ警戒シテ下サイ”

「くっ……、私をここまで苦しませるなんて……! 仕方ないわ……、ヴェスタ小隊全員撤収よ!」

“えっ…? りょ、了解です!”


 アシュリーの撤収命令を受けて、ミア達も混乱しつつやむなくこの戦地を去っていった。



 その一方で亮、ジェフ、リック、リーの4人と現地の陸戦機動部隊は、ジン率いるシャドー隊との

長期戦を強いられていた。


「まずいぜ、ビームマシンガンのエネルギーが切れた……」

“俺のビームキャノンを貸してやる! 受け取れ!”


 ジェフのビームキャノンを借り、亮は再び攻撃を行う。

 しかし、その中でジンがこれでもかと言う程の熾烈な近距離攻撃を仕掛けていた。


「落ちろ、落ちろォォッ!!」


 ジンは隙の無い攻撃で亮を苦しませる。


「こんな所でやられてたまるかッ! 喰らえッ!」


 亮は、咄嗟にビームブレードを腰部から引き抜いて斜めに勢いよく振りかざした。


「ぐはァァッ! だが負けんぞ……。アルカディー、エアブレイダーを始末してやれ!」

“承知しました、ジン少佐”


 アルカディーは全ての兵装を使い、ジェフ目がけて一斉砲撃を始めた。


「単体なのに何て火力だ……。俺一人じゃ手に負えねぇ」

“ここは僕とリーがやる! 一旦後方支援に回ってくれ”

「わかった、リック……」


 リックはハンドミサイルランチャーを撃ち、アルカディーの機体にダメージを与えた。

 しかし、アルカディーはそこから猛反撃を開始。


「戦力を低下させるには、まずはアメリカ陸軍の連中から片付けるか……。落ちろッ!」


 アルカディーは現地の陸戦部隊の方にターゲットを変えて掃射を行い、一度に3機のメタルユニットの撃墜に成功する。


「うわァァッ!!」


 それだけでなく、他の兵士も脆くも崩れ去っていく。

 この状態を見て、リーは全滅の危機を察し、自ら果敢に接近戦を行った。

 光弾が飛び交う中、ビームソードを巧みに使い、ルードに戦いを挑む。


「これ以上やらせるもんかァ!」


 リーとルードは激しい接近戦を繰り広げ、何度もつばぜり合いが起こり、光の粒子が飛び散る。


「コイツ、なかなかやるな…。だが負けてはいられん! とおォッ!!」


 ルードは上空へと舞い上がり、剣を両手で構えて大きく振りかざす。


「そこだッ!!」


 リーは即座に回避した後に、コクピット目がけて自らの剣を突き刺した。


「しまったァッ! 爆発する!」


 ルードは、脱出する隙を与えられることなく死亡した。


「ルードォォッ!」


 偶然近くにいたラルフは、突然のルードの死に驚きを隠せずにいた。

 しかし、反撃をする暇もなく、絨毯爆撃の合図が出され、戦闘の真っ只中であったジン達もやむなくその場から離れざるを得なかった。


「何だ? 一体何が起きてるっていうんだ!?」


 亮は突然ジン達が逃げて行く理由を理解できずに戸惑っていた。


“竜崎亮准尉! これはもしかすると大規模な攻撃が行われる可能性がある! 至急基地にバリアーを発生させるように指示を出すから、隠れられる箇所に移動するぞ!”


 現地の兵士は、亮達と共にバリアー発生エリアへと向かっていった。


「爆撃を始めろ!」

「了解!」


 予定通りにワシントン基地への爆撃が行われるが、当然ながら巨大なバリアーに覆われている状態では、効くはずが無かった。何はともあれ、最大の危機から逃れる事が出来たため、兵士達は歓喜した。


「何とか、火星政府軍の連中から基地を守ることが出来たはいいものの、戦力の3割近くが敵の機動部隊によって失われてしまった……。だが、今後はこの戦いを省みて、更に我が軍の更なる戦力強化を行うこととしよう。日々の訓練を、今まで以上にしっかりと取り組むのだ! 今後もよろしく頼むぞ」

「了解!」


 こうして、彼らは自らを鍛える事を心に誓うのだった。



 そして、日本へと帰還後、ブレイダー隊の九人はそれぞれの時間を過ごしていた。

 亮は私物のパソコンを使い、ロードブレイダーを改良出来ないか設計データを元に分析していた。


「今後の戦いは激化していくかもしれないから、どうにかして俺の機体を強化しないとな……」


 その日の夜、彼は機体の改良にのめり込むのだった。

   


 一方でジェフとリックは、疲労が蓄積していたのか、リラックスするために色々な方法を試していた。


「次は……、ホットアイマスクを使うか……」

「ジェフ、そんなに色んな事すると逆に疲れが取れないんじゃないかなぁ?」


 リックはやや懐疑的な顔をしつつも、ジェフと共にホットアイマスクを着けた。


「おお、こりゃいいや……。これはぐっすり眠れるぞ……」


そしてジェフは、そのまま眠りに落ちた。


「ジェフ? まぁいいや。僕も寝よう……」


 玲と鎧は、談話室のソファで話をしていた。


「鎧さん……、いつも助けてもらってごめんね……」


 玲は少し落ち込んだ表情をして俯いた。


「なぁに、気にするな……」


 鎧は軽く微笑む。


「私、今までのこともあって、鎧さんのこと好きになってきたの……」

「そうなのか……。俺も、実を言うと玲のことが好きになってきてな。玲の本当の良さが……、分かってきたというかな……」

「本当? じゃあ、両想いってことかぁ……」


 玲は快活さを取り戻し、明るく笑って見せた。


「話を戻すけどさ、次の戦いで鎧さんがピンチになったら、私が……、私が助けるから!」

「わかった。その時はよろしくな……」

「うん!」


 ブレイダー隊転属後初の任務を終えた美奈たち4人は、江川の指示によってミーティングルームに集められていた。


「新たに入った諸君……。今回はよくやってくれた。現地では犠牲があったとはいえ、ここまでの

活躍をしてくれるとは……。特にリー、君はあのシャドー隊のルード・パイソンを撃破したそうじゃないか」

「は、はい! 当たり前のことをしたまでです」

「まぁまぁ、そう緊張するな……。他の3人も、この任務において協力してくれてありがとう。今後も頼むぞ。戦争終結のためには君たちの力が必要だ」

「了解です。ですが、僕は今回それ程力になれなかったと思うのですが……」

「いや、省吾よ。お前も少しでも力になれていたはずだ。一人でも欠けていたらこの作戦は成功して

いなかったかもしれないからな……」

「ありがとうございます、長官!」

「今後も、ブレイダー隊の一員として戦争を早く終わらせるために尽力してくれ……」

「はいッ!!」


 こうして彼らは、戦争終結に向けて尽力することを誓うのであった。


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