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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
火星革命軍の襲来
24/59

第22話 ロンドン防衛戦(後編)

 ついに、火星革命軍のファルコン隊はイギリスのロンドン上空へと駒を進め、爆撃を試みる段階にまで進んでいた。

 そんな中、彼らに対抗したのは特殊部隊“WOLF(ウルフ)”とイギリス政府軍の

機動大隊である。

 その中には、保安部隊の姿もあった。


「マーク大佐……。どうしますか?」


 ジェイクは手に汗握るこの戦いに希望を見いだせないのか、焦燥に駆られる。

「ここは集中砲火で撃ち落とそう。落ちてきた艦の残骸は確実に破壊して、市民を守ろう……」

「承知しました、大佐……」



 その一方、ブレイダー隊の5人はイギリス政府軍本部に到着し、戦闘準備を終えてそれぞれの持ち場に就いていた。

   ︙

 亮と鎧、そして玲の3人はイギリス保安部隊と共に市街地の巡回を行いつつ、敵が来るのを待った。


“亮、玲、既に上空には敵艦がいるようだが、大丈夫か?”


 鎧は少し緊迫しつつ、亮達と通信を行う。


「もちろん! でも、いつ接近してくるかはわからないから、油断は禁物だな……」


“確かにそうだな……”


 鎧は軽く頷いた。


“話は変わるけど、鎧さんのアームドブレイダーって遠距離戦用の武器ってあったっけ? ビームクナイだけじゃ射撃とかできないよね……”


 玲は緊迫した空気の中、突拍子もなく鎧に質問をする。


“遠距離戦用武器? それなら一応、整備士の山田さんから許可を貰ってスペアのビームライフルを譲り受けている……。だから、その点については大丈夫だ”

“そうなんだ…。なら多少はどうにかなりそうだね”


 玲は思わず安堵の表情を見せた。そんな話をしている隙に、敵は刻一刻と近づく。


「まずいぞ! 敵が接近して来たぞ! 鎧さんは保安部隊と連携を取った上で対空射撃を頼む! 俺と玲は遠距離攻撃で攻めていくつもりだ! 二人共、頼むぞ!」


「了解!」


 亮は、ビームマシンガンを素早い動作で構えて、目を鷹の如く鋭くして敵を狙い撃つ。


「今だっ! 喰らえェッ!」


 放たれた光弾は全て敵機の胸部に直撃し、煙を上げた後、爆発四散した。


「この野郎! メッタ刺しにしてやる……!」


 仲間を倒されたことに憤怒する敵兵の一人は、果敢にも接近戦を試みる。


「死ねェッ!」

「やらせるかよォッ!!」


 亮は、敵が接近して来た途端に腰のブレードを引き抜いて、すぐさま真っ二つに切り裂いた。


「ギィヤァァッ!」


 切り裂かれた敵機は轟音と共に爆発し、一瞬で灰と化した。

 その姿を見て、玲も負けてられるかと言わんばかりの活躍を見せる。


「来たね……! これで決めるわッ!!」


 玲は、二丁のビームガンを駆使して群がっていた敵を次々に撃墜していった。


「あの野郎ォ、捻り潰してやろうじゃあないかッ!!」


 革命軍側の残存部隊の隊長は、残り少ない部下を率いて玲に立ち向かった。


「あのゾギィ、機動性が他のと段違いね……。でも、私のソニックブレイダーなら追いつけるはず……。保安部隊の皆さん、援護射撃お願いします!」

“わかった! 任せてくれって!”


 玲は、地上にいた保安部隊と共に攻撃を仕掛けた。


「ひたすら……、撃つ!」


 玲は無我夢中で二丁の銃で敵を狙い撃つも、撃ち漏らしがあったのか、生き残った敵機が彼女に牙を剝いた。


「生意気な新型機め……! 殺してやる!」


 敵兵の一人は、自らの剣で果敢に斬りかかる。


「きゃあッ! 危ないじゃないの……。さっきのお返しよ!」


 玲は上手く攻撃を躱し、すぐさま銃で狙い撃った。


「うあッ! しまった……」


 敵機は行動不能となり、その直後に地上へと墜落した挙げ句の果てに、黒煙を上げながら灰となった。


「ふぅ……、何とかやり過ごせたね」


 玲は思わず溜息をこぼす。

“何とか片付いたな……”


 唐突に亮からの通信が入った。


「そうね……。でも、敵の爆撃空母はまだ4隻もいるわ……」

“どうする? 倒しに行くか?”

「でも、私達の方は航空戦力がかなり少ないから、あれだけの数の敵は倒せそうにないよ…」


 玲は自信の無い表情を見せ、弱音を吐く。


“なら、味方のイギリス空軍に協力してもらえばいいんじゃないか? そうすれば多少なりとも有利になるはずだ……”


「そうね! そうすれば行けるかも…」


 そして二人は、兵力を整えた上で爆撃艦隊殲滅を目指した。



 一方、ジェフとリックは“WOLF(ウルフ)”と共にイギリス政府軍本部にて護衛任務に就いていた。


“ジェフ、敵が来たみたいだ……”


 リックは自分の機体の操縦桿を握りしめる。


「そうか……、行くとしよう……」


 二人は敢然と敵に立ち向かった。


“半径1km圏内ヨリ、敵機ガ襲来シテオリマス”


「それぐらいわかってらぁ!」


 ジェフは基地上空を飛び回りながら、ビームキャノンを背中から取り出して遠距離攻撃を仕掛ける。


「喰らえェッ!」


 砲口から光弾が撃ち出され、見事全弾敵機に命中する。


「あっ……! 機体がッ!! グォオオオッ!」


 撃墜された機体は炎を上げながら爆砕。それは一瞬の出来事であった。


“ジェフ、上から爆撃部隊がッ!!”


 リックは群がる敵を見て、思わず目を見開いた。


「マジかよ? なら、こういう時はミサイルランチャーで一掃してやるまでだッ! マーク大佐、対空キャノン砲のスタンバイをしておいて下さいッ!」

“承知した! 皆、爆撃艦隊を殲滅するぞ!!”

「了解!」


 ジェイク達は大型対空砲の砲撃準備を行い、厳戒態勢に入った。


「行くぞッ! 全員撃てェッ!!」


 無数の光弾が上空に飛び交い、空母3隻が火を噴いて墜落寸前の状況に陥った。


「おい、あれはどうするんだッ!?」


 今にも地上に墜落しそうな爆撃空母を見て、マークは狼狽した。


“マーク大佐! あんなスクラップぐらいならすぐに切り刻めますって!”


 マークの部下であるアレックスは、上空で落下してきた艦の残骸を即座に切り裂き、その一部は仲間と共に回収した。


「これで全部回収しました。後は残りの連中も撃墜してやりましょう!」


WOLF(ウルフ)”のエースであるアレックスは自信満々で大口を叩く。


“アレックス、積極的な戦い方もいいが、そんな気楽に戦っていては隙を突かれるぞ……”

「は、はい……」


 マークに釘を刺されて、彼は思わず緊迫した。

 そして、そのようなやり取りをしている間にも残存部隊が攻撃を仕掛けようと企む。


「マーク大佐……! 早く爆撃部隊を追撃しないと間に合いませんッ!!」

“わかった! 皆、大至急残存部隊を一掃するぞ!”

「了解!」


 ジェフは身震いしながらも、マーク達と共に敵部隊に立ち向かった。

 その敵の群れの中には、ファルコン小隊も混ざっており、アイザックは攻撃のチャンスを探る。


“そろそろメガキャノンを撃った方が得策かと思いますが……”

「そうだな……。では、一発派手にやるとしようか」


 アヴィルは、早急に地球軍の艦隊を殲滅する為、メガキャノンを構えて上空へと飛び立った。


「落ちろォォッ!!」


 アヴィルがメガキャノンの引き金を引いた瞬間、巨大な火柱のような光線が砲口から放たれ、地球軍の戦艦を1隻沈める事に成功した。


「よし、いいぞ! この調子で我々の作戦を妨害する地球軍の連中を粉砕してやろうじゃないか! メイル、我々も出向くとしよう!」

“はい、隊長!”


 アイザックとメイルの2人も本格的に攻撃を始め、地球軍の兵士達も、彼らに負けじと迎え撃つ。


「来たか革命軍ッ! 喰らえッ!」


 アイザックは、敵が放った光弾を素早い動きで躱した。


「馬鹿な敵め……。沈めッ!」


 素早く光線を撃ち放ったアイザック。

 その攻撃は敵機に直撃した。


「そんなッ……! ヌオォッ!!」


 その兵士の機体は空中で爆発四散し、一瞬で鉄屑と化した。


「メイル……、そっちはどうだ?」

“私の方も順調です……。このままイギリス政府軍本部まで駒を進められそうですね…”


 メイルは不敵な笑みを浮かべる。


「うむ、そうだな……。では、イギリス軍の拠点へと向かおうか」

“承知しました……。ですが、アヴィル少尉はどうします?”

「アヴィルには、すぐに合流するように指示を出しているから、心配は不要だ」

“そうですか……”


 二人は自身に満ちた表情でイギリス政府軍へと向かうが、それをジェフ達は黙って見ていなかった。


「リック、早くあそこにいる革命軍の連中を追わないと本部が危ないぞ!」

“わかった! このことはマーク大佐達にも伝えておくよ”


 そしてジェフ達は、アイザック達の追跡を始めた。


「あの大きなウイングが付いてる奴、もしかしてエースパイロット専用機か!? 何としても倒してやる……!」


 ジェフは、真っ先にアイザック目掛けて光弾を放った。

 それを察知したアイザックもまた、攻撃を始めた。


「追っ手が来たようだな……。ならばこれで……!」


 アイザックは機体両肩部に搭載されたビーム砲を駆使して、エアブレイダーヘの狙撃を行うが、盾で防がれる。


「うぅっ……、何て威力なんだ……。やるじゃないか。こっちも負けてられないなぁ! リック、一発ぶちかましてやろうぜ!」

“了解! よし、やってやるぞ…!”


 リックは助走をつけて大きく飛躍し、その瞬間にナパームミサイルを発射した。


「何だっ!? 陸からも攻撃してくる奴がいるとは……。どこまでもしつこい連中め。メイル、潰してやれ……!」

“承知しました”


 メイルは自らの機銃でデプスブレイダーの撃墜を試みる。


「喰らいなさい!」


 放たれた光弾はターゲットに直撃し、リックは機体に軽いダメージを負う。


“機体ノ損傷度ハ15%。次ノ攻撃ニゴ注意ヲ”

「やはり空戦タイプの機体が相手じゃ厳しいか……」


 彼は思わず固唾を飲んだ。


「新型機といえど所詮は名ばかりかしら?」


 彼女はアイザックと共に地球軍の部隊を翻弄し、確実にじわじわと敵を撃破していった。

 しかし、そんな不利になりつつある状況下の中、マーク達は負けじと対空砲撃を開始。


「対空砲撃だァッ!! 何としても撃ち落としてやる!」


 マークは先陣を切ってキャノン砲で敵を狙い撃つも、焦りからか、なかなか命中させられず緊迫する。


「当たれよッ!」


 その時、一発の光弾がメイルの機体右肩部を貫通し、彼女は撤収を余儀なくされる。


“ジェフ、あの隊長機を追撃してくれ”

「わかりました、マーク大佐!」


 ジェフは遠方にいるアイザックを倒す為、自ら接近していった。


「てやァァッ!」


 ジェフが大きく振りかざしたその攻撃は、いとも簡単に避けられてしまった。


「馬鹿め! 接近戦で俺に勝とうとはッ! 無駄だ!」


 アイザックは二刀流でジェフに立ち向かい、攻撃を繰り出す。


「くぅッ! このままじゃ俺の身が保たねぇぜ!」


 彼はアイザックの猛攻に対し、ただただ防御する事しか出来ずにいた。


「噂に聞いていたブレイダー隊というのはただのハッタリだったようだな! 死ねェッ!」


 ジェフは、アイザックの手により機体の右腕部を斬り落とされてしまう。

 そしてアイザックはロンドン基地を狙おうとするが、自軍の戦力の著しい低下を受けて作戦を中止し、アヴィルや他の部隊の兵士と共に艦に戻った。


“ジェフッ! 大丈夫か!?”

「機体の右腕がやられただけですよ、マーク大佐!」

“だが、このままでは危ない……。後方支援に回れ!”

「は、はい……。承知しました……」


 ジェフは、渋々後方へと下がっていった。


「マーク大佐、敵機は殆ど仕留めましたが、ごく一部の連中が倒せなかったのが心残りです…」


 アレックスは自分の無力さを思わず嘆く。


“確かに……。今回逃した敵部隊もいるが、基地が破壊されなかっただけ良しとしよう……”

「はい……」

“そうだ、まだ我々にはもう一つ任務が残っている”

「それって、爆撃艦隊の撃墜ですか?」

“その通りだ。このまま野放しにしておいたら市街地が危ないからな……。では、亮達の元へ向かうとしよう!”

「了解!」


 その後、マーク達は亮達との合流を目指した。



 一方で、亮達は航空戦力を十分に整えた後に敵の爆撃艦隊と戦闘を繰り広げていた。

 巨大な敵を目前に、彼らは圧倒されそうになるが、負けていられるかと言わんばかりに攻撃を仕掛けていた。


「くっ……、やはり大型艦相手じゃ勝てる訳が無い……」


 空戦部隊のリーダーであるロディーは、敵の屈強さに弱音を吐いた。


“ロディー少佐、諦めたら負けですよ!”

「亮君……。でも、相手はあのデカブツだぞ!?」

“確かに、あの大型艦を相手にすると思うと心細くなりますが一致団結すればきっと倒せます!”

「あぁ……、そうか……。ならば、君の言葉を信じてやれるだけやってみるか!」

“はい!”


 そして彼らは、敵艦の死角に忍び込み、ターゲット目掛けて一斉掃射を開始した。


「喰らえェッ!!」


 亮は真っ先に機銃を使い、光弾を撃ち放った。

 そして、その放たれた光弾は敵の艦体に傷痕を付けていく。


「くゥッ、これ以上あの蚊トンボ如きに沈められてたまるかッ! 今から強行突破を開始するぞ!!」

「了解!」


 敵艦の艦長は、亮達の攻撃を受けているにも関わらず、無視して市街地に爆撃を行うことを試みるが、彼らを待ち受けていたのはマーク達であった。


“マーク大佐ァッ! 一発やってやりましょう”

「そうだな、ジェイク。奴らに一泡噴かせてやろうじゃあないか!」

“了解です!”


 そして彼らは、銃口をターゲットである敵艦隊に向けた。


「一斉掃射開始ッ!!」

“了解!”


 亮達の攻撃に加え、WOLF達による掃射を浴びせられ、大きな痛手を喰らった為に敵艦隊のクルーは、最早逆転することが出来無い状況に陥った末に撤退を余儀なくされるのだった。



 こうして、亮達は日本に戻って安息の時を過ごした。


「いやぁ、それにしても今回はとてつもなく疲れたぜ……」


 ジェフは、とてもだるそうな表情を見せた。


「確かに……。あと、今回僕ははあまり力になれなかったから、次こそ手柄を立ててやりたいよ…」


 リックはそう言った後にあくびをしてそのまま自室へと戻っていった。


「ねぇ、亮……。この戦いに終わりは来るのかな?」

「えっ? そんなの、俺にもわからねぇよ……」


 亮は思わず途方に暮れる。


「鎧さんはどう思う?」

「俺に言われても困るな……。まぁ、止まない雨は無いという言葉を信じて、今は戦い続けるしか無いだろう……」

「そうかぁ……。そうだよね! きっと、この戦いに終わりは来るよね?」

「そうであって欲しいな。あっ、それと……、今日はもう遅いから、早いうちに寝ておこう」


 鎧は思わず少し眠たそうに瞬きをする。

 果たして、この先の見えない戦いに終わりは来るのだろうか。

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