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特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
地上防衛戦線
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第15話 地下要塞を攻略せよ(前編)

 4月15日、アマゾン川流域のジャングルに建っているブラジル政府軍基地・アマゾナス州支部は、火星軍の地球駐在部隊の襲撃を受け、大きな被害を負った。

 5日後、ブラジル政府軍の諜報部隊の懸命な調査により、駐在部隊の潜む地下要塞を幾つか場所を特定することに成功してそこに攻撃を行ったが、あまりにも守りが固く、殲滅に失敗してしまう。

 そこで、当国の政府軍長官は各国の特殊部隊を集めた上で、2つの地下要塞に攻撃を仕掛けることを決意した。

 その召集命令は、ブレイダー隊の方にも下った。


「今回君たちには、ブラジルの火星軍駐在部隊がいる2つの地下要塞を襲撃してもらう」

「なるほど。それと、私達はいつブラジルヘ行くんですか?」


 亮は江川に対しそのような質問をした。


「準備のことを考えると、少なくとも明後日だな」

「明後日ですか……。まぁ、この前のオーストラリアに行く時よりは時間があるから、少しはゆとりがありますね」


 そう言って亮は安堵の表情を見せる。


「とはいえど、油断は禁物だぞ……。いくら時間があるとはいえど、何が起こるかは全くわからないからな……」


 鎧は亮に対しそのように注意喚起をした。


「確かに……。何かトラブルがあってもおかしくは無いなぁ…」


 亮も、彼の意見に賛成してそう話す。


「まぁ、多少のトラブルがあっても無理はないだろう。とにかく、君たちには明日、ブラジルに行くための準備をしてもらいたいところだ。自分の機体のメンテナンスを、明日のうちにするように。

何かあってからでは自分が困るからな。では、頼んだぞ……」


 そう言った後、江川はミーティングルームを去っていった。


 そして、翌日にブレイダー隊は予定通りにブラジルヘと向かうための準備を始めた。各々で必要な物の用意や、機体のメンテナンスを行った。

 そんな中で亮は、最近自分の機体に乗っていなかった事から、どこか壊れていないか細かく確認をしようとしていた。


「おー、亮君じゃないか。どうしたんだ?」


 気軽そうな雰囲気で声を掛けたのは、整備士の山田である。


「あっ、山田さん。ちょっとメンテナンスがしたいんでね……。いろいろと器具を貸して貰いたくて…。お願いします」

「もちろんOKだよ。ちょっと待っててくれよ……」


 そう言って山田は、次々に色々なメンテナンス用の器具を持って来たが、その中にはあまり見た事の無いような変わった物もあった。


「あの、これって一体何でしょうか……?」


 亮は不思議そうに謎の器具を指差して尋ねた。


「あぁ、これかい? 前、説明しなかった奴だな……。これはコンディションチェック用のゴーグルだよ。こいつを頭に装着して、耳の部分のボタンで操作すれば、一発で機体のコンディションがわかるようになってるんだ。ちょっと使って見るかい? なかなか便利なんだなぁ、これが!」


 彼はそのように言って、亮にゴーグルを手渡す。

「ふーん、じゃあ、顔に取り付けて……。あっ、何か表示されましたよ?」

「最初に表示される画面には、いくつか項目があるだろう。一番上のやつを選んでくれ」

「はい、そうですか。ここを、こうやって……」


 亮はゴーグルの両サイドに着いた操作ボタンを軽く押す。


「そしたらコンディションチェックモードになって、自動的に機体がどんな状態かが分かるぞ」

「なるほど……」


 少し待った後、チェックの結果が表示された。


“コンディションチェック完了デス。機体ニ問題ハアリマセン。イツデモ出撃デキマス”


 ゴーグルからそのように音声が流れ、亮は安堵の表情を見せた。


「良かったじゃないか。どこも壊れてなくて…」

「えぇ、そうですね……。それと、このゴーグルってもしかして誰かが造った物なんですか? よく見るとジャンクを組み合わせた様な感じですし……」

「おっ、よく気付いたね。実はコレ、俺が造ったんだ。すぐに状態を確認するために便利かと思ってね……」


 山田は顔に笑みを浮かべながら話す。


「へぇ、そうなんですか。山田さん凄いですね」

「そうかな…。でも、これぐらいの奴だったら、機械に詳しけりゃすぐ造れるぞ」

「本当ですか?」


 亮は興味津々な顔で言った。


「もちろんだとも。亮君も大学時代はロボットサークルに所属してたんだから、これより良いやつは造れるだろう」

「じゃあ、今度やってみます。ありがとうございます、山田さん」


 亮は山田に対し礼をした。


「また何かあった時は呼んでくれよ!」

「はい」


 そして亮は整備ドックを出ていった。



 その一方で、亮以外の4人は所持品の準備をしていた。


「戦闘が長期化した時の為に、小さいパンぐらいは持っていくとするか……。あと、水もいるな……」


 ジェフは念入りに持ち物を用意しており、その他にも簡易式手当キットや小型ナイフも持って行こうとしていた。


「ジェフ、ナイフなんて何に使うんだ?」


 リックは彼がナイフを持っているのを見て、疑問に思った。


「何に使うかって? そりゃあ護身用に決まってるだろ」

「おいおい、わざわざ機体から出て戦うことなんて無いんじゃないかい?」


 思わず苦笑いするリック。


「甘いな、リック……。万が一って事もあるだろ。そのためのナイフってワケよ……。わかるか?」


 ジェフはお気楽そうな顔でリックに説明をした。それを見てリックは呆れた顔になる。


「ジェフ、アニメの見すぎだよ」


 リックのその言葉を聞いて、ジェフは呆然とした。


「えっ? そうか……」

「リックの言葉にも一理あるな……。今の時代に、機体から降りて生身で白兵戦をするのは、架空の物語ぐらいだと思うがな……」

「鎧さんまでそんなこと言うのかよ……。あのなぁ、このナイフは機体がぶっ壊れた時に使う奴なんだよ」


 ジェフは渋々分かりやすく説明をした。


「へぇ〜、よく考えてるね、ジェフ。でもさぁ、機体が壊れてやむなく生身で戦うとしても、ナイフ一本じゃあ厳しいんじゃないかしら?」


 玲も追い打ちを掛けるかのように畳み掛ける。


「嘘だろ……? 玲まで俺の意見に反対か? 仕方ない。ナイフじゃなくてハンドガンを持ってくか……」


 ジェフは渋々ナイフを小さい鞄から出して、代わりにハンドガンを持って行くことにした。


「ハンドガンか……。それなら飛び道具だし、十分だよ。パイロット同士の戦いになったら必要だね」

「やっと賛成してくれたか、リック……。まぁ、お前らも白兵戦用の武器は持っとけよ」


 ジェフはリック達に対してそのように注意喚起をした。


「うん。一応持って行くことにするよ」


 リックも彼の言うとおりに、武器を持参することにした。


「なぁ……、日本刀は持って行った方がいいか?」


 鎧があまりにも急に想定外の言葉を発したので、ジェフ達3人は“何を言っているんだ?”と一瞬思った後、目をぎょっとさせた。


「いや、何で日本刀!?」


 3人は口を合わせて鎧につっこんだ。

 その時、それを聞いた鎧は“何で?”と言うような顔をしていた。


 その日の夜、談話室では準備を終えた5人が、作戦についての話をしていた。その際に亮は、2つ地下要塞があることから、二手に分かれて戦うという案を考えていた。


「とりあえず……、今回の作戦では、二手に分かれることにするぞ。と言っても、その肝心の要塞がどんな構造をしているのかはわからない。それでも、一応考えておいた方がいいんじゃないかと思ってるんだ。皆は俺の考えに賛成か? いい案があったら教えてくれ」


 亮は4人に対して、案を出すように問いかけた。


「そうだね…。私も亮の意見に賛成するよ。二手に分かれた方が効率もいいしね」


玲は、そのように意見を言った。


「他の皆も異議は無いな?」


 亮がそう言うと、ジェフ達3人も賛成しているのか、軽く頷いた。


「よし、ここから本格的に作戦を練っていくぞ。まず、俺とリックの2人で1つ目の要塞、ジェフと玲、鎧の3人で2つ目の要塞を狙う」

「で、どう行動するつもりなんだ? 教えてくれ」


 ジェフはそのように問いかける。


「とりあえず、前方に敵がいると仮定して……。単体で来たら、積極的に接近戦を仕掛けることにしよう。それで、2機以上の集団で攻撃を仕掛けられたら、迂闊に近寄らずに、上手いこと遠方に回避した上で何機かで集まってから、一斉掃射を行うとしようか。それで、敵をある程度殲滅できれば、近距離で攻撃する」


 亮は事細かに作戦における行動の説明をした。


「結構しっかり考えてるね。これぐらい練っておけば少なくとも大丈夫だよ」

 

 リックはそのように話した。


「なぁ、皆は自分の機体に追加装備とかは付けないのか?」


 ジェフは4人に対してそのような質問をする。


「僕は腕部に取り付ける小型ミサイルランチャーをデプスブレイダーに装備させるつもりだよ。これである程度火力は上げられるだろうね」

「俺は特に新たに武装は付けないぜ。というよりも、付ける武装が無いからな」

「私も亮と同じだよ」

「俺も右に同じだ…。ジェフは何故その質問をした?」


 鎧は、不思議そうな表情をしていた。


「え? そりゃあ激しい戦いになるかもしれないからな。ちなみに俺は、レッグミサイルポッドを使うぜ」

「そうか……。案外単純な理由だな……」

「とりあえず、ある程度作戦は練ったことだし……、今日は早く寝て明日に備えよう」


 亮は4人にそのように指示をした。


「そうだな。それがいいかもな。早く寝よう」

 

 ジェフ達も納得し、夜9時頃に作戦会議は終了した。


 4月23日、ついに作戦決行の日が来た。

 ブレイダー隊の5人は、輸送機に乗り込み、目的地であるブラジル政府軍基地へと向かう。

 その5人は、輸送機の中でいろいろと話をしていた。

 まだ見ぬ戦地に向け、彼らは何処か緊迫していたが、どうにか落ち着こうとしていた。


「よく寝たから、気分はスッキリだぜ」


 亮は、昨晩ぐっすりと寝た事で、多少の疲れさえも完璧に取れていた。

 それにより、今回は上手く戦えそうだと言わんばかりの顔をしていた。そう、彼は自信に満ち溢れていたのだ。


「皆、昨日はしっかり寝られたか?」

「もちろん! 私なんてもう寝すぎなんじゃないかって位はしっかり寝たからね!」

 

 玲はとても明るい笑顔で、意気揚々と話した。


「ジェフ達はどうだ?」

「俺は8時間位寝たから、元気は有り余ってるぜ」

「僕も十分寝たよ」

「俺も他の二人と同じだ…」


 ジェフ、リック、鎧の3人も、とても気分の良さそうな表情を見せた。


「そうか。皆結構眠れたみたいだな。安心したぜ。でも、ブラジルに着くまで時間もあるし、また寝ておこう」

「あぁ、そうしとくか」


 そして、5人はブラジルに着くまで寝て待つことにした。


 

 数時間後にブレイダー隊はブラジル政府軍基地に到着した。そこでは現地の兵士達が彼らを出迎えた。


「やあ、よく来てくれた。君たちがブレイダー隊か。君たちの噂については既に聞いているよ」


 ある兵士は彼らに対してそのように話しかけた。


「そうなんですか。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくな」


 亮と現地の兵士はお互いに微笑みながら握手をした。


「では、早速作戦に取り掛かって貰おう。既に“WOLF(ウルフ)”や他の部隊は準備をしている。出撃は8時だ。早く行くぞ」


一人の兵士は、5人にそのように指示をした。


「8時……、あっ、そうか……。ブラジルは日本より12時間位時差があるんだったな」


ジェフは時差があったことを思い出し、手を打つ。


「ともかく、できるだけ早めに行動しろよ」


現地の兵士からそのような指示を聞いた亮たちは、出撃準備に入った。



 約1時間後、各部隊は駐在部隊のいる地下要塞を目指して、目的地へと向かった。

亮とリックがいる第1要塞攻撃班は、密林の中に通る道を通って地下要塞を目指す。


“やぁ、亮。久しぶりだな”


「マーク大佐。どうもご無沙汰してます」


 亮はマークに対し、画面越しで挨拶をした。


“最近は暇だったもんでな。他の隊員は軽い平和ボケを起こしてしまってな……。いやぁ、困ったもんだよ”

「そうなんですか……」

“とりあえず、敵が来たときの作戦は練っているな?”

「もちろんです」


 亮は自信に満ちた表情である。


“じゃあその作戦とやらを聞かせて貰おうじゃないか”

「はい」


 亮は昨日考えた作戦内容を事細かに説明した。


“なるほど。結構単純ながら良くできた作戦だな……”

「そうですかね?」


 その中で、先陣を切っていたリックからこのような連絡が入った。


“亮、大変だ! 要塞付近を見回りに来ていた火星政府軍の部隊が近づいて来てるぞ!”

「何だと? これはやばいぞ……。マーク大佐、行きましょう」

“あぁ、分かった”


 そして亮たちは攻撃態勢に入り、火星軍を迎え撃つ。

 亮は真っ先に火星軍のゾギィが確認された場所へと向かっていく。


「地球軍の部隊が来たぞ! 撃てェッ!」


 敵部隊がビームライフルで無数の光弾を放つ。

 それに対抗し、亮たちも掃射を開始した。

 敵味方双方から数多もの光弾が飛び交い、その中で数々の機体が赤い炎を上げて灰となっていったが、地球軍側が優勢だったのは明らかだった。


「くっ……、撤収だ!」


 敵兵士は撤収をしようと試みるが、頭上から何かが落下してきた。その正体は、リックが放ったナパームミサイルであった。


「ミサイルが落ちてくるぞ! まずいっ、うわぁぁぁ!!」


 凄まじい爆音と共に、数多くいた敵の機体は誘爆し、敵偵察部隊は全滅した。


“でかしたぞ! リック。あれだけの数の敵を一瞬で全滅させるなんてよォ!”

 

 亮はリックのことを称賛した。


「褒めてくれてありがとう、亮。よし、このまま地下要塞に向かおう」


 こうして亮たちは、地下要塞へと進軍を再開した。

 果たして、彼らは地下要塞の部隊を殲滅出来るのだろうか。

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