表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊部隊BLADER-FORCE  作者: 藤沢マサト
地上防衛戦線
11/59

第11話 輸送艦隊護衛作戦

 3月1日、日本政府軍は次の火星軍襲撃に備え、大至急基地の防衛強化を始めていた。

 亮は、その工事の様子を談話室の窓から眺めている。


「しかし、この前は大変だったな……。まさかあんなことになるとは……。今まで以上に必死に訓練をしないとな……」


 彼は前回の戦いで機体に大きな損傷を負ったこともあり、今後の戦いに向け、さらなる強化訓練を行うことにした。


「亮、最近暗いね……」

「何だ玲? そんなに暗そうに見えたか?」


 亮は少し微笑みながらそう言った。


「いや……、この前の戦いで機体が壊れたから、ちょっと自信をなくしたのかな……って思ってさ」

「そんなことはないぜ。玲、心配してくれてありがとう」

「どういたしまして」


 玲もまた、亮を見て微笑んだ。


「亮、機体がやられたからって、そう落ち込んでないで、元気出しなよ」

「あっ、リック……。俺は落ち込んでないから安心してくれ」


 リックに対し、亮はサムズアップをした。


「なんだ、そうだったのか。元気で何よりだよ」


 その様子を見て嬉しそうにするリック。


「へへっ、いつだって俺は元気さ。風邪とかにかかった時は別だけどね」


 満面の笑みで亮はそのように答えた。



 一方、ジェフは鎧をミーティングルームに呼び、あることを話そうとしていた。


「ジェフ……、何故俺をここに呼んだ?」

「理由は簡単だ。話があるんだよ」


 ジェフは腕を組みながらそう言った。


「そうか……、どんな話なんだ?」

「今度機体をチューンアップしようと思ってな……。整備士の山田さんとかと協力してより強い機体に

改造したいんだ。鎧さんもやるかい?」


 ジェフから話を聞いた鎧はどうするか一瞬悩むも、やることを決意した。


「面白い……。でも、どうやってやるんだ?」

「あっ、そうか……。鎧は機体のチューンアップの方法を知らないんだったな。それは俺が丁寧に教えてやるからよ」


 笑みを浮かべながら話すジェフだったが、鎧は少し不安そうな表情をしていた。


「そんな顔すんなって。わかんない所は俺が教えてやるさ」

「わかった……。ありがとう、ジェフ」


 少し安心した鎧は、少し微笑んだ。



 一方、火星政府軍内では次の作戦に向けて計画が練られていた。

 その作戦指揮を行うのは、地球軍からは“白き猟犬(ホワイト・ハウンド)と呼ばれて恐れられている男、レックス・ギルダーである。

 彼もまた高い操縦技量を持ち、何百人もの兵士を葬ってきた。


「今回の作戦では、月からの資源輸送艦を撃墜する……。それに成功すれば、一時的に日本政府軍の資源供給網は絶たれることになる……。何としても成功させるんだ」


 レックスは、ニヤリと笑みを浮かべながら話す。


「なるほど……、しかし、その輸送艦は何隻来るんですか」

「そこまで具体的な事はちょっとな……」

「そうですか……」


 部下の一人であるウェインは、やや不安そうな表情をしながら、僅かながらに震えていた。


「まあ、輸送艦が何隻来ようが俺らの敵じゃあねぇけどな」

「そうですね、レックス少佐」

「それと、今回の作戦では艦の撃墜が目的だからな……。ビームバズーカの用意をしておいた方がいいな……」

「そうですか……。確か昨日整備ドックを見に行った時にいくつかあったんで、それを使うとかなり有利になるでしょうね……」


 もう一人の部下であるコーディーは、そのように提案した。


「わかったぜ、コーディー」

「少佐、今回はどう動けばいいですかね?」


 じっとレックスの目を見つめるコーディー。


「そうだな……。とりあえずターゲットが来たら、そいつを包囲して集中砲火で撃墜してやろう……。もし護衛のメタルユニットがいたら話は別だ。上手く3対1で相手を不利な状況にして、挟み撃ちにしてやろうじゃあないか……。ちと卑怯だが、そんなことは関係ない。勝てばいいんだよ、勝てばなぁ!」


 レックスは自信満々で今回の行動内容を話した。


「なるほど、これまた少佐らしい作戦ですね……」

「だろ? 俺はどんな戦い方であろうと勝ちたいんだよ。ウェインとコーディーもそう思わねぇか?」

「同感です。私たちハウンド小隊は手段を選ばない……」

「どんな勝ち方でも敵を潰す……」


 ウェインとコーディーは、大胆不敵にもニヤリと微笑む。


「その通りだ。よくわかってるじゃあねぇか」

「当然です」


 彼らは誰よりも凶悪な心の持ち主である故、どんな人間でも容赦なく殺す男たちである。


「作戦内容も話したわけだし、出撃準備を始めるか」

「わかりました」


 こうして彼らは、戦いに向けて準備を進めていった。



 それから数時間後、火星軍は進軍を開始。

 月からの輸送艦隊を撃墜すべく、各部隊は地上への降下を開始し、標的を待つ。

 このことを察知した日本政府軍は、各部隊に出撃要請を出した。


“緊急命令、緊急命令! 火星軍の機動部隊が接近中。早急に出撃準備をお願いします”

「とうとう来たみたいだぜ?」


 ジェフは亮にそう問いかける。


「そうみたいだな……。皆、行くぞ!」

「了解!」


 亮率いるブレイダー隊も、直ちに攻撃態勢に入った。

     ︙

 軍の空港に来たブレイダー隊は、二手に別れて敵部隊を迎え撃つことになった。

 亮とジェフは、基地の滑走路上空で輸送艦隊が来るのを待ちながら、敵の捜索を行う。


「ジェフ、今何時ぐらいだ?」

「え? 今五時半を過ぎたところだ……、ってことは……」

「輸送艦隊がもうすぐ来るみたいだぜ、亮……」


 嫌な予感がしたのか、不安そうな目つきをする亮。


「あぁ、そうだな……。それと、艦のクルーに火星軍に狙われていると伝えたほうがいいんじゃないか?」

「確かに、そうした方がいいな。俺が伝えておくよ」

「そうか。ありがとよ、亮」


 二人が話しているうちに、ようやく艦隊が姿を現した。

 二機のMU(メタルユニット)が上空を飛行しているのを確認した輸送艦のクルーは、亮たちにすぐさま通信を入れた。


“こちら地球政府軍月面支部から来たバレーナ艦の者だが……”

「そうですか。私は地球政府軍の地上防衛部隊の者です」


 クルーの一人が、亮は話を続ける。


“でも、どうしてここにいるんだ? 何かあったのか?”

「艦の護衛に来たんです」

“護衛……? でも、何故……”


 艦のクルーは、突然の事に困惑せざるを得なかった。


「この艦隊は、火星軍に狙われています!」

“なんだと!?”


 それを聞いたクルーの一人は、あまりにも突然すぎるその言葉に驚いた。


「もし、艦にMU(メタルユニット)を搭載していたら、出撃可能な方にそれに乗るように指示をお願いします」

“わ、わかった。一旦通信を切るぞ”

「はい」


 輸送艦の艦長は、直ちにクルーに対し出撃命令を出し、態勢を整えることにした。


「あっ、護衛部隊が来たみたいだ……。通信をするか」


 亮とジェフは、コントロールパネルを操作し、艦の部隊と通信を行う。


「皆さん、準備はよろしいですか?」

“こっちはもう準備万端だ。早く火星軍の部隊を捜すぞ”


 バレーナ艦のクルーは意気揚々としていた。


「いや、待って下さい。無理に敵を引きつけたりしたら、こっちがやられるかもしれませんよ……」


 亮は不安な表情をしつつそう話す。


“そうか……。なら、ここで待とう……”

「はい」


 話を受け入れてくれたことに、亮は安心する。



 こうして亮たちは、火星軍が来るのを待とうとする。


「おい、亮……。向こうから火星の連中が来たぞ……。ん!? 待て、しかもあの機体、白き猟犬(ホワイト・ハウンド)か!? 油断したら負けだ!」


 ジェフは顔をしかめて、コックピット内のビジョン越しに、近づく敵の影を凝視した。


“わかった! じゃあ、一仕事行きますかぁ!”

「おう!」


 亮たちは空中で機銃を構えて、遠距離からの攻撃を始めた。

 それを見たレックス達は、飛び交う光弾を避けながら徐々に距離を詰めていく。


「まずいッ! これ以上近づいて来たらやられる……」

“ここは俺に任せて下さい”

「あ、あぁ、わかった…。じゃあ、頼んだぞ」


 亮は、迫りくる敵機動部隊に自ら接近する。


「よし、かかって来い!」

「おっ……、ありゃもしかしてロードブレイダーか? まさかこんなところで会えるとは思わなかったぜ……。よし、ブッ倒してやる……」


 レックスは両腕のビームクローを展開し、先制攻撃を仕掛けていく。


「何ッ!? ぐあッ! スゲェ威力だ……」


 何とかシールドで攻撃を防ぐ亮だが、息をつく暇もないままレックスは更に攻撃する。


「オラオラァッ! どうしたァ? 地球軍の新型機の性能はこんなもんなのか?」


 勢いのままにひたすら攻撃を繰り出すレックスは、少し興奮しつつも亮を煽る。


「こんな所で撃墜されるわけにはいかないな……。ジェフ、後方支援頼む!」

“分かった! 任せとけよ”


 ジェフは背面に装備されたビームキャノンを取り出して遠くから光弾を放っていく。


「何だ……ったく、もう一機新型がいやがる……。まぁいい。ウェイン、コーディー! 後ろにいるやつの相手をしてやれ」

“分かりました……”


 ウェインとコーディーは、ジェフの元に接近し、勢い良く剣を振りかざす。


「おぉっと、やるじゃないか……。ならこっちも!」


 攻撃を避けながら少し後方に下がるジェフは、ビームソードを構えて反撃を始める。


「二人で攻撃を仕掛けて来るとはな……。だったらこれを使うか」


 ジェフは機体腰部にマウントしていたミサイルランチャーを取り出して遠距離からの攻撃をするために、更に後方ヘ飛んで行く。


「ホーミングミサイルはどうだァッ!!」

「嘘だろ……? このままじゃやられちまう!」


 ウェインとコーディーは、即座に盾で攻撃を防ぐ。


「次はこいつだ!」


 ジェフは敵に隙を与えることなく、次にビームキャノンを再び取り出してそれで狙い撃つ。


「これを喰らえッ!!」


 撃ち放たれた蒼い彗星のような光線は、ウェインとコーディーの機体に直撃する。

 二人は戦闘不能となった。


“レックス少佐ァ! 機体の損傷が激しいので撤収します!”

“私も同様です!”

「何だと!? なら仕方ねぇな……。ここからは俺一人でやる。早いとこ撤収しとけよ」


 とうとうレックスは一人で戦うことを余儀なくされる。


「くっ……、こいつと格闘戦なんてしたらキリが無いぜ! このビームマシンガンをチャージモードにして……。待てよ!? これ、チャージモードで一発撃ったらエネルギー切れになるぞ……」

“どうした、亮……。早く撃つんだ!”


 ジェフは切羽詰まった表情でそう話す。


「もうすぐ俺の銃のエネルギーが切れそうなんだ……」

“何? なら、タイミングを見計らって撃て”

「分かった……。よし、今だッ!」


 標準をターゲットに上手く合わせたその瞬間に、レックスの機体に目がけて蒼い稲妻の如く煌めく光線を放った。


「何だッ? うわぁっ!!」


 その光線は、レックスの機体右腕部を一瞬にして消し飛ばした。

 これにより、ついにレックスも戦闘不能となる。


「おぉっ! 襲撃部隊の奴に被弾させるとは……。さすが新型、伊達じゃ無いな!」


 一人の護衛部隊の兵士は、亮の姿を見て彼のことを褒め称えた。


“皆さん、まだ他の部隊がいます! 注意して下さい……!”

「わかった! よし、早く降下するように指示しないとな……」


 こうして、彼らは軍港の滑走路に少しずつ降下しながら

 亮たちと敵部隊は戦闘を繰り広げた。


「確か、地上には、玲と鎧とリックの3人と、現地の地上防衛部隊がいたな。玲たちに残りの火星の連中に攻撃するように言っておくか……」


 亮は、玲に通信を取ることにした。


“玲、聞こえるか!”

「亮、一体どうしたの?」


 玲は、唐突に彼からの通信が入ったことに思わず驚く。


“もうすぐ輸送艦隊がこの空港に着陸する。火星軍の部隊が空から見えてきたら玲たちも攻撃態勢に入ってくれ! このことはリックや鎧たちにも伝えるんだ! いいな?”

「うん、分かったよ!」


 笑顔で頷く玲。そして彼女はスラスターを吹かし始める。


“じゃあ、頼んだぜ!”

そして、亮は通信を切った。


 ついに上空から見えてきた輸送艦隊は、幸いにも全て無傷の状態であったが、そこでは今尚戦闘が巻き起こっていたのだ。


「来たよっ、二人とも!」

“OK、今からミサイルランチャーを撃つ!”

「味方に当てないようにね」

“わかってるって!”


 三人以外の防衛部隊も攻撃態勢に入り、一斉掃射を開始した。


「全員、撃てェッ!」

「了解!」


 無数の光線が空へと放たれる中、艦は地上へと降下していく。


「ジェフ、どうする?」

「残りの連中を倒すまでよ!」


 二人は艦を撃墜しようと目論む敵部隊に攻撃を仕掛ける。


「さぁ、喰らえェェッ!」


 亮は自らの剣を駆使して迫りくる敵に攻撃をする。


「俺の機体が……、グァァッ!」


 敵機は次々に斬り裂かれた末に、爆発四散していった。


「亮、敵が逃げて行くぞ! 追撃するか!?」

“いや、もういいんじゃないか?”

「そ、そうか……。わかった」


 こうして、何とか無事に五隻の輸送艦は空港に着陸し、難を逃れたのだった。

 各部隊の兵士は元の場所へと帰還していく。



 亮たちは、戦いの疲れを癒やすため、ゆっくり休んでいた。


「今回の戦闘では、あまり俺は力になれなかったな……」


 鎧は、自分が戦闘で活躍出来なかったことを悔いていた。


「えっ? 鎧さんは、ビームクナイで攻撃したんじゃないのか?」

「いや……、俺のクナイじゃ射程圏外だったんだ。今度遠距離戦をするときは誰かの武器を借りるか……。それと、今回は力になれなくて済まない」


 鎧は申し訳無さそうな顔をしていた。


「大丈夫だよ、鎧さん。次頑張ればいいじゃないか」

「あぁ……。励ましてくれてありがとう、亮」


 二人は微笑みつつ、窓から見える夜景を眺めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ