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第4話 初めての戦闘


道を探すために北に歩き始めてから3時間程が経過した。

空はだいぶ暗くなりはじめ、2人とお腹が減り始めていた。


「そろそろ今日の寝床つくるか」

「オッケー、あっちに少し開けたとこがあるぞ!」

「よし、そこで野営しよう。豪志は湿ってない木をいくつか集めてきてくれ」

「分かった!」


俺はテントを設営、豪志は薪となる木を集めてきた。


「豪志ー、なんか食べたいものとかあるか?」

「俺は牛丼で飲み物はジンジャエールな」

「すっかり慣れたなお前、まぁいいか。」

「お前は何を食うんだ?」

「俺はカレーだ!」

「この前も食べてなかったか?」

「うるせぇ、美味いからいいんだよ」


創造を使って食べ物を出した。


「まぁなんでもいいけどなw、よし!食べようぜ」


「「いただきます!!」」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ごちそうさま〜」

「食ったな〜」

「とりあえず今日はもう寝ようぜ、明日も歩くんだし」

「おう!」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「キャァァ!!」


ガバッ


俺達は同時に飛び起きた。


「今のはなんだ?」

「悲鳴みたいのが聞こえたけど…」

「行こうぜ」

「おっ…おう」


(なんか嫌な感じがするな)

俺達は装備を全て付け寝床を後に悲鳴の聞こえた方に向けて走り出した。

30m程の所に灯が見えた。双眼鏡を創造して灯りの方を覗いた。


「離して!!」

「うるせぇ女だな…死にたくなければ黙れ!!」


少女とその前に大柄の男がいる。

(不味いな…やるしかないか…)

俺は自分の武器を見つめた。その時に隣にいる豪志が


「敵は12人、襲われているのは3人で馬車の車輪に背中をつけている老人とその横にいる少女とメイド服の女だ」


いきなり豪志がこんなことを言い出した。俺がポカンとしていると


「俺の能力(ちから)だよ!急に状況がスゲー分かるようになった」


豪志がこちらの世界に来た時に貰った魔眼による効果らしい。

(なんて羨ましいやつだ!)

そんなことを思っていたら


「キャッ」


男が今にも少女をかばい守っているメイドに向けて武器を振り下ろそうとしたのだ。

(こんなこと考えてる暇はねぇっ)


「俺が前に行くから援護頼めるか豪志?」

「任せとけ!」

「頼んだ」


その言葉を残し俺はまた走り出し、道に飛び出した。


「動くな!!今すぐに武器を捨てて跪け!」


一斉にその場にいた全員がこちらを向いた。


「んだこのガキ」

「やんのか?」

「悪いことは言わねぇ、金目のもん置いてさっさと失せろ」


(こんなこと前にもあったな…でも今持ってるのは本物だ)

何とか平和に終わることは出来ないかと考えていると敵の1人が


「しねぇぇぇぇぇ」


いきなり走り出し俺に向かって走り出してきた。俺が慌てて照準を合わせた次の瞬間


ドンッ!!


体に響く重い火薬の爆発音が響いた。その音とほぼ同時に俺が照準を向けた敵の顔が吹き飛んだ。


「なっなんだ!」

「何が起きた!」

「あいつきっと魔法使いだ!」


敵が慌てはじめた。

(ここで守れなければ生き返った意味がねぇ!)

俺は大柄の男に照準をあわせて引き金を引いた…


ダンッ、ダンッ、ダンッ


3発の弾を大柄の男に打ち込んだ。見事に全弾命中し、大柄の男は血を吐きながらその場に倒れた。ほかの敵が「お頭!」なんて叫び出した。

(なるほど、こいつがリーダーか…)


「こんな風になりたくなかったらさっさと武器を捨てろ!」


これで終わってくれれば、なんて考えてしまったばっかりに…


「頭の仇!!」


敵の1人が物凄い勢いで切りかかってきた。


「チッ…思うように行かねーな」


向かってきた敵に向けまた引き金を引いた。


ダンッ


目の前の敵が倒れ、一安心…かと思いきや倒れた敵の影からまた1人現れた。

(重なっていたせいで分からなかった!)

気がついた時には既に目と鼻の先に剣が迫っていた。

(クソッ、間に合わない…)

斬られるのを覚悟した瞬間にあの爆発音が響く


ドンッ!!


目の前の敵は体から血しぶきを上げながら左に傾いて倒れた。

(ありがとよ、相棒)

そこからは単なる虐殺だった。もちろん敵が攻撃をしてきたのでこちらは自己防衛なのだが剣と銃では戦い方から攻撃力まで全て違うのだ。最初から勝敗は決まっていたも同然だった。この戦いが長引いた理由は単に我々にとって初めての実戦だったから。ただそれだけである。しかし日本人である彼らにとってこの光景はあまりにも酷かった。


「 オェェェェェ」

「大丈夫か?陸翔は少し休んでろ」

「いや、大丈夫だ」


ちっとも大丈夫では無い。普通に生活していたら山賊に会うなんてことは無いし、人の頭が弾け飛ぶ光景を見ることはないのだ。

(なんてひどい気分だ、豪志はなんで平気なんだ?)

豪志は眉をピクリとも動かさずに死体を1つの場所に集めている。


「陸翔、体調が戻ったらこの人たちの治療をしてやってくれ」

「…分かった」


被害に遭われた3名は全員無事で執事の爺さんは顔面を数箇所殴られ、メイドは切り傷が3箇所、少女はかすり傷程度で済んだ。


「危ない所を助けていただき誠にありがとうございます」

「たまたま運が良かっただけだ」

「それじゃぁ俺らはこれで」

「お待ちください!」


執事が近ずいて来て俺らの前に止まった。


「貴方様のお力を見込んでお頼みがございます」

「頼みごと?」

「はい…見ての通り我々の護衛の騎士は全て死んでしまいました」


確かに死体の数は17とやけに多く、山賊と思われる連中を除いて5人の死体があり、それらはしっかりとした鎧を着ていた。


「それで、頼みごとっていうのは?」

「はい、貴方様方に護衛の仕事を頼みたいのです」

「護衛?」

「はい、左様でございます」

「それが俺らにとってどんな利益がある?」

「ちょっ…豪志!」

「かなり危険なことってのはお前なら分かるだろ!それなりの見返りがないと俺はやることは出来ん!!」


確かに豪志の言う通りだった。ここで手を貸さなくても俺らにはなんの影響もないし赤の他人のために命をかける義理もない。


「確かにそれはそうだけど…」

「少々お待ちを」


そう言って執事はメイドと少女の元に行き何かを話し始めた。数分後戻ってきて


「金貨を50枚!それと下級貴族の称号、他にもあなた方がお望みになることで出来ることは全て致します!どうか…どうか…」

「頭を上げてください!豪志もなんか言えって」

「・・・・・分かった、やろう」

「豪志!!」

「その前にお前らの名前を教えろ」


豪志は頭がいい、故に自分にとってマイナスになりそうなものには一切近ずこうとしない。でもそのおかげで俺は何回か豪志に助けられている。だから豪志が決めたことにはなんの反対もなかった。


「申し遅れました。私はクリストフォロス公カバルディア・ジョーンズ様の元で執事をやらせて頂いております、トーマスと申します。あちらでお座りになられている御方がカバルディア家の次女、カバルディア・アイリス様、その隣のメイドはジェーンでございます」

「トーマスにアイリス、そしてジェーンね。俺の名前は豪志、こいつは陸翔だ。よろしく」

「よろしく」

「ありがとうございます。このご恩は必ず!」


こうして俺らはこの人達の護衛をしながら進むことになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[涼木 陸翔 ]18歳 男

装備: 89式小銃、9mm拳銃

キル:8、総発砲数:15発


[藤真 豪志] 18歳 男

装備:M82A1、HK45、スコーピオンEVO3

キル:4、総発砲数:4発


[創造神デミウルゴス] 不明 男(?)

地球を造った神、全ての始まりの神でもある


[カバルディア・ジョーンズ] 不明 男

カバルディア家当主


[カバルディア・アイリス]10歳 女

カバルディア家次女


[トーマス] 52歳 男

カバルディア家の執事


[ジェーン] 21歳 女

カバルディア家のメイド


次回からなるべく1週間に1話投稿できるようにしますが学生なので遅れてしまったら察してください┏○ペコッ

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