〜I〜 ミっちゃんが叱ったんだ4
ミっちゃんが、態度が悪い、って叱ったんだ。減り張りがないって。
研修があったんだけれどね、つまらなかったんだ。それで皆はうわのそらで、バスで移動中も爆睡しちゃって、気が弛んでいるって思われたんだ。そらそうだよね。
ミっちゃんの言う通りさ。研修は仕事であって、私的な観光じゃない。上司の前だし、部外者にも会うし、背筋を伸ばして上品でいないとね。
それができれば、あんなことにはならなかったわけで、反省したな。
ミっちゃんは、運動できる格好で僕たちを集めて、一緒に走ったんだ。いや、罰だから、僕たちは走らさせられたんだ。
ミっちゃんは走るのが得意で、むちゃくちゃ速いペースで走るから、途中で付いていけなくなる人がけっこういたんだな。僕も危なかった。
本当に死にものぐるいだったよ。脱落したくない一心だったな。負けず嫌いと仲間に助けられたよ。
ものすごくきついことをした後は体が軽くなるみたい。走らさせられたおかげで体力が少し向上したみたい。
それにこの経験は、自分の限界に臨んだ貴重なものだと分かったんだ。ミっちゃん、ありがとう。