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7話ーside〜ロアンクルシル王国

 ユリウスに負け、すごい剣幕で歩いているハリセン。

 そんなハリセンに声をかけられる部下などおらず、無言でついて行く。


 次の日、ハリセンはロアンクルシル王国に着いた。ハリセンはこのことを報告するために、クインテール・ロマノフ王のもとに行った。

 ドアの前に立ったハリセンだが、入るのにの躊躇した。

 1分ほどしたら、ノックをした。


「失礼します。ハリセンです。今回の件の報告をしにまいりました。」

「入れ」


 そこには事務処理をしていたロマノフ王の姿があった。

 見た目でいえば、30代半ば。その顔は整っており、なかなかにイケメンだ。

 話はロマノフ王から始まった。


「どうした、予定よりもかなり早かったではないか。」

「そ、それが…」


 ハリセンはドラーシップ街で起こった出来事を話した。

 嘘はつかなかったが、ハリセンが余計なことを言ったからあの騒ぎになったことは言わなかった。

 話したあとのロマノフ王の行動が読めなかったから、ビクビクしていた。

 しかし、ロマノフ王は、


「それは、本当のことか?」

「は、はい。何一つ嘘は言っておりません。」

「そうか。では、1万の兵を連れていき、そのドラーシップ街を滅ぼしに行く。いいな?」

「え?聞き間違えなら申し訳ありません。今、1万とおっしゃいました?」

「ああ、1万だ。」

「その、訳を伺ってもよろしいでしょうか?」

「もともとあそこら辺の街は邪魔だったんだ。周辺の資源を取ろうとすると、この街のものだ、と言って突っぱねられる。下手に攻撃すると、他の王国の反感を買う。だが、今回は違う。相手から仕掛けて来たのだから、言い訳が効く。しかも、あのような小さな街でも容赦しないことで、その周りの街に圧力をかけ、事実上ロアンクルシル王国の支配下に置かれたことになる。あの周りの資源が取り放題だ。分かるな?」

「かしこまりました。すぐに手配を。」


(なんてお方だ。まさかあんな街にも容赦しないとは。いやはや、国王も恐ろしい方よ。)

 ハリセンは部屋を出て、そう思った。

 そして、すぐに他の幹部達を集めた。

 1時間後、会議室にハリセン含める5人の幹部が集まった。


 スクラ・バーン(筋肉増加)…見た目と脳みそが筋肉で出来た男、主に兵の訓練をしている。

 アスラル・リーナ(打突)…黒い長髪で美しくスピアを操る、主に司法を担当している。

 レブ・レス(命中射撃)…気弱でいつもネガティブ、弓矢の腕前は一流

 ソルド・ウォント…いつも冷静で頭がキレる、バーンと共に兵を訓練している。


「なんだよ、兵の訓練もこれからだって言うのに。」

「ホントよ、私だって暇じゃあないのよ?しかもなんであいつが1番遅いのよ。」

「僕はいつも暇だよ僕は使えないからね、仕事が与えられないよ。」

「まあ、そんな事言うなよ。ハリセンがすぐに来いって言っていたんだ。何かあったんだろ。」


 そう、口々に言っていると、ハリセンが来た。

 ハリセンは部屋に入ると同時に、自分の席へ歩きながら、言った。


「これから中央にあるドラーシップという街を攻め落とすことになった。おのおの準備をしてくれたまえ。」

「はあ?遅れたくせに来て早々何言ってんのよ。」


 リーナがそう言うと、ハリセンは国王が言ったことをそのまま話した。

 そこにはちょっとした疑問を持ったウォントがハリセン質問した


「ちょっと待ってくれ。向こうから仕掛けてきたって言ったよな。じゃあ、お前は今回の調査でそのドラーシップとかいう街にやられて来たのか?」

「ん?ああ、確かにそうなるわね。ププ、ハリセン、あんたダサ。」

「ああ?よく分からんが、戦うってなら早く準備するぞ!」

「僕はみんなの意見に従うだけだよ。」

「あーもう、なんでお前達はこうもまとまりがないんだ。やられたことはもう否定しないけど、もうちょっと真面目にやれ!」

「でも、作戦も何もそんな聞いたこともない街なんか普通に叩けばいいじゃない。1万も兵がいるのよね?じゃあ行けるわよ。」

「ただ、ひとつ問題がある。兵に関してはもともと10万いるから今さら1万人減っても問題ないが、我々がここを離れて大丈夫なのか?」

「そこは心配ない。なんと国王自らが兵を指揮するそうだ。」

「国王自らがか、それなら心配ないな。」


 リーナの言葉に3人も頷き、今後の予定が決まった。


「では、おのおの準備をして、早ければ今日中に出る。以上、解散。」


 そうして会議が終わった。



 2時間後。

 ハリセンは事務仕事をして、戦う準備をしたあと、外に出た。

 他のメンバーはみんな揃っていた。


「お前達早いな」

「そりゃあな、戦うなんて久しぶりだからな。気合いも入るってもんだ。」

「そんなに気合を入れなくてもいいわよ。相手は小さな街よ?そこには奇襲をかけるんだから、戦いはすぐに終わるわ。」

「まあいい。いいか!これからすることはすぐに終わるだろう!だが、その道中、必ず他の街の連中にも見られる。決して気を抜くな!」

「「「おー!!」」」


 そうして、ハリセン一行はドラーシップ街に向かった。

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