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29話ー出会い

 同盟宣言をした次の日。

 それぞれの村は工事がされていた。正式にイグリス王国と同盟を結んだことで、王国から大工が来て大改装が始まっているのだ。

 土地拡大、建物の建築、立て直し、畑の安全確認などなどだ。

 俺は適当に工事の風景を眺めていた。しかし、エノ村にいるときに、出会いは突然起きた。

 今見ればなぜここに来た時に気づかなかったのか不思議に思った。それは完全に周りのエルフに溶け込んでいた。

 緑色の髪が風にたなびいて、かなりの美人。服装は周りのエルフと一緒で基本的に白一色で、腰に細い革のベルトをしている。そして働いている人に飲み物を出してねぎらっている。彼女の笑顔は最高だ。彼女の笑顔で大工は全員回復した。

 いや、そういうことではなかった。

 確かに周りと比べてかなりの美人だ。しかし、問題はそこではなかった。

 問題は彼女の放つ魔力だ。一見するとただの一般人と同じくらいだけど、よくよく見るとかなりの魔力を持っていることが分かる。魔物は全員多少なりとも魔力は持っているものだけれどもそれの比ではなかった。

 俺は勇気を出して彼女に声をかけてみることにした。

 正直かなり緊張した。こんなナンパみたいなことは初めてだし、何より、俺が地球にいたころ、テレビ以外でこんな美人を見たことがない。もしかしたら、いや、もしかしなくてもテレビの人よりも美人だ。


「ね、ねえ。ちょっとといいかな」

「はい、何でしょう?」


 ああ、こっち向いた。

 最初、「あ、えっと、んー」と言葉が詰まってしまったけど、俺は勇気をさらに出した。


「単刀直入に聞くけど、君は何者?」


 俺がそう聞くと、彼女は一瞬顔をしかめた。そしてすぐに笑顔になって、


「大きな声で言えることではないので、向こうに行きませんか?」


 と言って森のほうを指さした。

 俺はそれを承諾して、彼女についていった。

 しばらく森の中を歩いた。工事の音もだいぶ小さくなった。


「さて、さっきの質問の答えでしたよね。質問を質問で返すのは失礼と承知ですが、逆になんだと思いますか?」


 彼女はそう言って俺の目を見た。

 彼女の眼はすごくきれいでずっと見ているのがつらかったけど、頑張って見た。

 するとどこか懐かしい感覚があった。彼女自身にではなく、彼女の持っている魔力にだ。

 俺はつい思ったことを声に出してしまった。


「ヴェルハザード?」


 俺は言った後、はっとした。まずいと思った。

 普通の人ならだれに似ているかと聞かれて、破壊の限りを尽くす奴の名前を言われたらかなり腹立つだろう。

 彼女が普通ならね。


「そう、よくわかりましたね。やっぱりあの子の子供だからわかるんですかね」


 そういう返答が来て俺は戸惑った。

 腹を立てて怒るかと思いきや、逆にその通りだ言われた。


「ど、どういうこと?」

「私はあの子、ヴェルハザードの姉に当たる創造龍ファヴァルニールと申します」


 あね?あ、お姉さんか。いたんだ。初めて知ったよ。


「その様子ですと、ハズは私たちについて何も話していないようですね」


 俺が戸惑っているところを察してくれた。ヴェルハザードって姉弟きょうだいからハズって呼ばれてるんだ。

 しかし、今気になるワードが出てきたぞ。私たち?ほかにもいるの?


「私たち、ということはほかにも?」

「ええ、私とハズの兄の維持龍オルドラがいます。でも、オルドラに関してはどこにいるのかさっぱりですけど」


 兄の居場所知らないんだ。

 しかし、ヴェルハザードは1人で行動してたらしいけど、その、創造龍と維持龍っていうのは何をしてるんだろう。

 聞いてみた。


「私たち龍種はそれそれ役割があります。ハズは作ったものを壊し、私は材料を造る。兄はその関係を維持する役割です」

「その循環は何のため?」

「人類や魔物の発展のし過ぎを防ぐためです。発展しすぎるとせっかくのこの世界が壊れかねません。まあ、ハズは逆に自分が敵になることで強くしようとしてたらしいですけど」


 彼女、ファヴァルニールさんはふふふと笑った。

 そのあと、話を詳しく聞いた。

 父さんがしてきたこと自体は変わっていないけど、昔と違って被害を最小限に抑えていたらしい。

 発展しすぎた国をちりも残らず滅ぼすのではなく、ある程度は技術と人を残す。

 昔はすべてを滅ぼすから誰がやったのかわからなかったらしい。しかし、少しでも人が生きていればやった犯人が特定できる。そして周りと協力して倒そうとする。こうして強くしようとしたらしい。

 魔族がいるから大丈夫じゃないかと思ったけど、魔族は自分たちに危害が加えなければ大丈夫らしい。魔族らしくないなと思ったけど、ファヴァルニールさんもそのことについては本当かどうかわからないらしい。


 話の区切りがよくなり、俺たちは村に戻ることにした。

 そこでファヴァルニールさんから提案があった。


「もしよろしければ、あとのことは任せていただけないでしょうか。あなたもまだやるべきことはあるのでしょう?」


 俺はその提案を受け入れた。

 でも、ある程度は工事の風景を見てみたいからその日は村に泊まった。

 俺は新しくなった家に泊めてもらった。城の部屋には劣るけど、それなりに寝心地がよかった。

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