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28話ー契約

 契約書にサインした村長たち。書き終わった瞬間紙に書かれた文字が光った。すぐに消えたが、村長たちが「契約の内容がすべてわかるぞ!」とはしゃいでいたので、成功したのだろう。

 そしてこの日はこれで解散となった。

 村長たちはアロンの提案で城に泊まることになった。慣れないところに泊まりたくなかったのか俺に瞬間移動で送ってくれとか言っていたけど、面倒だから断った。俺もこの日は城に泊まった。


 次の日。

 朝食を食べ終わった後、俺と村長はアロンの部屋にいた。

 今日は同盟したことを国民に知らせるために同盟宣言をすることになった。これに村長たちは慌てふためいていたが、アロンが何もしゃべらなくていいと言って少し落ち着いた。それでもたくさんの人と魔物の前に出るのは緊張するらしく、俺に一緒にいてくれと頼んできた。しかしアロンがそれに反対した。


「お主はお主自体が国家機密じゃ。そう簡単にばらすわけにはいかんじゃろう」

「周辺にいる兵士の恰好すれば大丈夫なんじゃない?」

「いや、もしばれたらどうするんじゃ」

「その時はうまく変えるよ」


 俺は人差し指で頭をポンポンとやって言った。

 アロンはあきれた様子でこのことを承諾してくれた。村長たちは何ことかわからなかったようだけど、別にわからなくてもいいことだから言わない。

 こうして俺が村長達の隣で見守ることなった。宣言は昼食後にするらしい。昼食は村長たちが駄々をこねて村でとることになった。

 村長をそれぞれの村に連れて行ったあと、オーガの村、オノ村で同盟の内容が頭に入っているか確認した。村人全員の頭に内容がいきわたっていたので、無事に同盟完了だ。おそらくほかの村も大丈夫だろう。

 確認した後、村人たちが、「村長たちが宣言する瞬間を見てみたいです」と言ってきた。


「別にいいけど、ただ突っ立てるだけだよ?」

「構いません。それに一度、アロン王をこの目で見てみたいです」


 まあ、俺が反対する理由もないしいっか。


「じゃあ、国までは近いから昼食後に歩いて行ってね」

「え?」


 ん?なぜそこで疑問が生まれる?

 質問されるようなことは言ってないし、何のこと?


「瞬間移動で連れて行ってくださるのではないのですか?」


 あ、そういうこと。だから村長ではなく、俺に言ったんだ。


「いや、そこは頑張れよ。本当にすぐだから。30分くらいだよ」

「サンジュップン?とはどういう意味なのでしょう?」


 そっか。この世界には時間という概念がないんだ。


「んー、とりあえず近いってこと」


 俺は考えるのが面倒になり、適当に流した。

 ほかの2つの村にも行ってみたけど、みんな王国に行きたいと言った。


 俺は昼食は王国で食べることにした。

 村人たちに一緒にどうかと誘われたが、ちょっと見たところ、肉は焼いただけ、果物や野菜は切っただけのすごく質素な食事だった。さすがによその食生活に文句は言えず、王国に用事があると言って逃げた。

 王国の自分が使っている部屋に瞬間移動した俺はお茶を飲んだりして時間をつぶした。

 でも、あまりに暇なので、外に出た。影を見るとまだ昼までに1時間くらいありそうだから城の庭で刀を振って修行みたいなのをした。

 そういえばこうして振るのはいつぶりだろう。あっちの世界が懐かしい。

 刀を振っているを剣道を思い出す。

 1人の男がやってきた。

 確かこの国の幹部の人だけど、名前忘れた。

 男は俺の近くに来てこういった。


「…剣道?」

「え、知ってるの?」


 まさかこの世界で「剣道」という言葉を他人から聞くとは思わなかった。

 ということは、


「俺、日本人」


 やっぱり。いやまさかこの国に日本人がいるなんて。

 日本人がいてうれしいなんて思ったのは初めてだよ。


「忘れてると思うから言う。僕、アイン・ヒストリー。死ぬ前までは野崎真一のざきしんいちだった」

「そっか。俺は浜辺康平はまべこうへいよろしく」


 それからしばし話した。

 ヒストリーは現在23歳で13歳の時に病気で死んだらしい。

 背が低くて顔が無表情だったからもっとしたかと思ったら結構いっていた。

 それから成り行き(長くなるから説明省略)で、ちょっと剣を合わせることになった。

 スキルは持っていないが持ち前のすばしっこさでそれをカバーしている。しかも剣に無駄がない。これはかなり鍛えている。

 俺もスキルを使わないようにした。俺の場合スキルなしでも魔物(いや亜人といったほうがいいかな)だからもともとの身体能力が高い。だから勝ちはした。でも、俺が普通の人間だったらたぶん負けていたと思う。

 終わったころにここの使用人が来て「昼食の用意が整いましたので、ご報告いたします」といったので、俺たちは食堂に行った。

 それからいつもみたいに食事を済ませ、昼の宣言の準備をした。

 国内には広場があるからそこで宣言をするらしい。

 そろそろ村のみんなが来る頃だろうと思って、門の前で待っていた。

 すると色がバラバラに混ざっている一つの集団がこっちに来た。俺は村長だけを残してあとは広場につれていった。

 時間にして1時間後。

 朝の時点ですでに宣言をすることが知れ渡っているらしく、広場にはたくさんの人がいた。その中で村人は後ろのほうで固まっていた。見るのが面倒だったからそれ以上は見なかった。

 人だかりの前には大きな朝礼台があった。

 そこにアロンが上った瞬間静かになった。


「みなももう慣れておるじゃろうから軽く紹介する。こちらの3人が今回同盟を結んだ村の村長じゃ。毎度のことじゃが同盟を結んだばかりでは人間不信みたいなところがあるから、そこは大目に見て、仲良くしてやってくれ」


 と簡単な話が終わって、宣言は終わった。

 さすがに短くないかと思ってあとで聞いてみたら、


「以前ははもっと長かったんじゃが、何度もするうちにみなも慣れてしまっての。これ以上言うことがなくなったんじゃ」


 だそうだ。

 にしても、と思ったがやめておいた。

 こうしてオノ村、リノ村、エノ村は正式にイグリス王国の同盟国になった。

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