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25話ー何故

 オーガの村に行った俺は予想通り戦いになった。しかし、勝負は一瞬で終わった。もちろん俺の勝ち。

 相手は持っている刀で俺に切りかかってきたが、俺は落ち着いて、背後に瞬間移動をした。相手オーガは真二つにするつもりだったのか、思いっきり刀を振り下ろした。今俺がいた場所に何もなかったことにかなり戸惑っていた。そして戸惑っているオーガの首にかたいものがトン、と当たる。


さやがなかったら死んでたぞ」


 ここで俺のキメ顔。

 キマッター!

 前世の俺だったら絶対にやらないことだ。周りのオーガはこうも簡単に決着がつくなんて思っていなかったらしく、ただ茫然としていた。このまま何もしなかったら、永遠にこのままになりそうだったので、俺から声をかけた。


「魔物は弱肉強食なんだよね。じゃあ、俺の言いうことに従ってもらおうか。まずは話し合いの場をもうけて」


 俺が言った後も5秒ほど固まっていたが、やがて村長らしきよぼよぼの爺さんが「か、かしこまりました」と言って俺を案内した。

 案内されたのは、木や粘土を使ったこの村で一番上等そうな建物だ。ただ、上等といっても正直見た目は汚い。粘土を使っているからましになっているけど、汚い。内装もシンプルで、仕切りなどはない。

 俺は適当に胡坐あぐらをかいた。建物の中に入ったのは尊重と、さっき俺と戦ったものの2名だけだ。ほかの人は出入り口の前でなかの様子を見ている。

 すごく気になる。何ならこっちが少し恥ずかしい。

 出入り口の上に藁でできたカーテンのようなものがあったのから、おろしてもらった。

 影は見えるけどさっきよりはだいぶましになった。


「さて、話をしよっか」


 そういった瞬間2人がビクッとした。


「ああ、そんなに硬くならないで。別に危害を加えたりしないから」


 そういうと少しほっとしたのか緊張が解けた。


「まず気になったことから聞くけど、なんで人間をそんなに軽蔑するの?」


 俺がこの質問をすると二人は顔を合わせて考え始めた。どうしたのか聞いてみると長老が、「し、少々理由が、その、ね。きれませんか?」と言ってきた。

 なぜこっちがあきれる必要があるのか不思議に思ったけど、気にしてもしょうがないからそのままいうように言った。


「実は我々はもういいんですよ」

「は?」


 思わず素で返してしまった。

 詳しく聞いてみると、この村のオーガはもう人間のことについては何も思っていないらしい。逆に仲良くなりたいらしい。

 だけど、今までずっと断固として人間と関わろうとしなかったから仲良くしたいと言いづらかったみたい。だから、こっちから言うのもなんか恥ずかしくて言えなかった。

 それから王国からの勧誘はなくなってそのまま孤立状態が続いているらしい。


「…そ、そう」


 言葉に詰まる。そんなこと俺に言われても。


「どうすればよいでしょうか」

「いや、どうって言われてもね」


 どうしようかねー。2人とも期待の目で見てくるし。


「とりあえず俺がアロンに言ってみよっか」

「ほ、本当ですか?!」

「と、とりあえず聞いてみるよ。じゃ」


 俺はその場から瞬間移動をした。2人の反応は見てないから分からないけど、たぶん驚いているだろう。

 アロンの仕事部屋に移動した。

 いきなり現れた俺にびっくりしていた。30分くらい前に分かれたばかりなのにもう再開した。


「どうしたのじゃ」

「いやーちょっと相談があってね」


 俺はさっきオーガの村であった一連の出来事をアロンに話した。


「なるほど。オーガのみんなはそんなことを思っておったのか」

「うん。それでね、アロンが今から村に来てくれると、助かるんだけど」

「良いだろう。わしを連れていけ」

「ありがとう!ほんとに助かる!」


 アロンの肩に手をかけて再び瞬間移動した。

 オーガの2人の前に移動したとき、「うわ!」と驚かれた。と同時に少し警戒態勢に入った。


「おいおい。お前らが呼んできてほしいって言ったんだろ」

「はっ、そうでした」


 それから俺は3人で話せるように建物の外に出た。話し声事態は遮るものがないから聞こえたけど、内容は聞こえなかった。内容は大体わかるけどね。

 10分ほどしてアロンに呼ばれた。ついでに紙とペンを持ってくるように言われた。周りにいたオーガに頼んで持ってきてもらって俺が運んだ。


「で、どうなったの?」

「イグリス王国とこの村は正式に同盟関係になることになった。今書いたのはそれを約束するための契約書みたいものだ」

「それと追加の相談なんですけど、エルフとドラゴニュートの村も同盟関係になりたい言っているんですが」

「わかった。その村とも同盟を結ぼう」

「ありがとうございます!」


 これでこの村と王国が仲良くなった。

 そのあとさっき言っていた2つの村にも行った。話を円滑に進めるためにオーガの村の村長、名をオクレ、を連れて行った。

 オクレのおかげで何のトラブルもなく同盟が結ぶことが約束された。

 どうやら、2つの村の両方にアロンの知り合いがいたようで、エルフの村はカテリーの、ドラゴニュートの村はアーケードの村だと判明した。


 そして俺は思った。

 ここの世界の村って全部こうなのかな…。

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