21話ーレヴィアタン②
魔力量の上がった、レヴィアタンに対して少し距離をとった。鞭を握っていた手が、まだヒリヒリしていたので見てみると、手が軽くただれていた。
さすが魔族の幹部だ。この俺を傷つけるなんて。でも簡単に回復できるけどね。
手を修復させたのち、レヴィアタンを見てみた。正直怖い。全身が殺気立っていた。
これは本気でいかないとまずいな。いつ周りの人に被害が出るかわからない。
とりあえず俺は龍人化した。それと同時にレヴィアタンの攻撃も始まった。刀で受け止めるが、鞭は傷1つついていない。しかも鞭は威力を上げるために1回引いてから振る。その際に家や道がぐちゃぐちゃになる。
これは早く決着をつけないといけないと思い、瞬間移動で背後に行った。ひとまず、どんなものかと背中をけってみたが、なんともなさそうだ。
「痛ーい!なんでいきなりけるのよ!ていうかなんで瞬間移動が使えるのよ!キーうらやましい!」
質問は1回に1つまでと習わなかったか。しかも、さっき属性系スキルが使えるって言ったし!人の話聞け!
でも、これでレヴィアタンに乱れが生じた。あとは、それを広げていくだけだ。
そこでもう1度背後に瞬間移動して切りかかってみた。だが、今回は読まれていたみたいで、鞭で防がれた。
「同じ手が何回も通用するわけがないでしょ!」
と言われたが、そんなことはわかってる。そんなことより今ので死ななかったのはよかった。旅に出てからこれといって手ごたえのある戦いをしたことがない。俺をもっと楽しませて、コホンコホン。俺は何を言っているんだ。こんなことを言うのは悪役だけだ。俺は人類の味方。
て、さっきからレヴィアタンから距離をとって鞭と刀の打ち合いをしていたが、時間がたてばたつほど鞭の練度が上がっている。
「どうしたの~、さっきから黙っちゃって~。アハ。もしかしてあたしが意外に強かったから驚いているのかしら~。かーわーいーいー。」
「はいはいそうですね。強い強い。」
「んもう~。素直じゃないんだから。」
あー、うざい。もういいかな終わらせても。よし!終わらせよう!
そこで俺は一度下がって(今回下がる回数多いな)、鞭の動きを緩めた。1度緩まった鞭はもとの速度にもどすのに時間がかかる。そのすきをついて、俺は一気に前に出た。
さっきも言ったように鞭は威力を出すには一度引く必要がある。しかも、遠い敵には大きなダメージが入るだろうが近くはそんなに入らない。よって完全に俺が有利。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「それを言って待ってくれた相手はいた?『聖剣突き』!」
これはほとんど身体能力強化の類のものだけで攻撃する技だ。属性があれば、効く相手や効かない相手がいる。そんな奴らに平等に攻撃を与えてくれるいい技だ。
まあ、崩壊の反対属性が分からなかったっていうのもあるけどね。それは内緒だ。
その「聖剣突き」で、とりあえず腕と足の筋を切っておいた。それで向こうに吹っ飛んでいって、城の壁に当たった。
歩くのが面倒だから、瞬間移動でレヴィアタンの正面に立った。
「どう、やられる気分は。」
「どうしてくれんのよ!痛いし動かないじゃない!。」
いや、質問に答えろよ。
それにしても両腕両足の筋を切ったのに泣きじゃくっていないとは。だてに七つの大罪なだけあるな。
「そういえば聞き忘れてたけど、なんでここに来たの。しかもタイミングよく。」
「は~?次どこに行くかぐらい大体予想つくわよ。あとは、魔力感知でここに来たら出ればいいだけの話じゃない。あなたそんなこともわからないの?」
んー、言い方がかなり腹立つ。もういっか。殺っちゃっても。
「俺はね、女はなるべく傷つけたくないんだよ。だから安らかに殺してあげるよ。」
「ふん、あなたもお人よしね~。普通この状況なら一切躊躇せずにやってるわよ。」
そんなもんなのか。まあ、俺をそんな奴らと一緒にしないことだね。」
「じゃ、じゃあね。『麻酔刀』」
俺は刀をレヴィアタンの心臓に刺した。その瞬間、刀を中心に赤が広がるのに対して、瞼が狭まった。そして、息をしなくなった。
俺はそれをしばらく見つめていた。
なぜ、こいつは魔族に生まれたのだろう。
なぜ、こいつは人を傷つけ、殺したのだろう。
考えてもわからない質問を頭の中で考えた。
しばらくして、俺はレヴィアタンを抱えて、城の中に瞬間移動した。




