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13ー会談①

 俺は執事のセバスちゃんに城の中を案内されている。

 城の中はほとんど似たような構造がいっぱいある。何度「ここさっき通らなかったっけ?」と、思ったことか。恐らく、テロなどが起こった時に相手を錯乱させるためだと思うが、なんというか、ややこしい。

 日本のテレビ局みたいに、階段の位置をずらして迷路みたいにするとか、他になかったの?そっちの方がいいと思うけど。

 しかも、天井高いし、廊下長い!

 10分ほど歩いただろうか。一般的な大きさの扉があり、その取っ手にセバスちゃんが手をかけた。しかし、すぐには開けなかった。「何してるんですか?」と聞きそうになった時、手の部分が一瞬ひかり、ガチャ、とかぎが空いた。指紋認証かなと思ったけど、そんなのがあるとは思えない。まあ、後で聞くか。

 中に入ると、城の食堂のような感じで、椅子とテーブルが配置されていた。セバスちゃんに好きなところに座れと言われたから、適当に座った。

 俺が座るとを見ると、セバスちゃんは外に出た。そして5秒後、また来た。これにはびっくりした。2人分の紅茶?を持っているところを見ると、どうやらセバスちゃんは瞬間移動でキッチンに行って、すぐに戻ってきたらしい。


「紅茶でございます。お好みが分からないのでいくつか持ってまいりました。お好きなのをどうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

「私などに敬語は不要でございます。どうぞ気軽にお話ください。」

「は、はあ。」

「では、失礼致します。」


 そう言うとセバスちゃんは部屋から出ていった。やっぱり何故かセバスちゃんには敬語を使ってしまう。

 セバスちゃんが持ってきた紅茶は3種類。青いのと赤いのと緑のがそれぞれ小さな瓶に入っている。。見た目では全然分からないので、瓶の蓋を開けて、匂いを嗅いでみた。

 青いのはとても爽やかで、嗅いでいて鼻が気持ちいい。赤いのはなんだか嗅いだことあるようなないような。お母さん同士で飲む時とかに出てそうな匂いだ。最後に緑のはなんとホテルなどによくある煎茶の匂いがした。この世界に来て煎茶の匂いを嗅げるとは思わなかった。

 俺は迷いなく、緑の紅茶を選んだ。紅茶の葉をポットに入れ、しばらくしてからコップに注いだ。それはまるっきり煎茶だった。

 美味しい。そして懐かしい。

 俺がそんなふうに過去に浸っていると、突然ドアが開いた。ちょっとびっくりした。

 入ってきたのはロマノフ王だ。

「ここの紅茶は美味いだろ。」そう軽く自慢されて俺の前に座った。


「さて、お前に聞きたいことはいくつかある。まずひとつ。お前は何者だ?」

「その前に1つ。俺はあんたのことなんて呼べばいい?」

「ふん、好きに呼べばいい。」

「じゃあ、ロマノフ。さっきの質問に答えるけど、それを話すとかなり長くなるよ?俺が自分で言うのもなんだけど結構すごい事だよ?ここで話してもいいの?」

「安心しろ。ここは絶対に声が外に漏れることはない。しかも長い話なら今まで散々聞いてきた。今更どうってことない。」

「そうか、じゃあ話すけど──」


 この人なら言っても大丈夫だと思った。だから俺は細かく話した。俺がどうやってここに来たか、誰に育てられたか、なぜここにいるのかを。

 ロマノフは真剣に聞いてくれた。


「・・・そうか。にわかには信じがたい事だが、ヴェルハザードが死んだって言うのは本当なのか?」

「ああ、本当だよ。」

「うーん。」

「信じるの?」

「それしかなかろう。嘘を言っているようにも見えんしな。しかし、ヴェルハザードはどこにいたのだ?あそこ周辺はくまなく調べたはずだぞ。」

「そりゃあ見つからないよ。隠したのは父さんだからね。ここの幹部じゃあ見つけられないよ。」


 どうやら信じてくれたようだ。しかしすごいな。魔物の俺をこうもあっさり信じてくれるなんて。これは思ったよりも早く事が進みそうだぞ。


「それで次に・・・」


 ロマノフが俺に次の質問をしようとした時、ドアが勢いよく開いた。

 ロマノフが入って来た時はちょっとのびっくりで済んだけど今回は完全に不意をつかれた。結構びっくりした。


「おお、ロマノフ!やはりここにいたか!少しだが探したぞ!」


 いきなり元気なおっさんが来た。腰に剣をさしていたからここの騎士だろうか。いや、でもここの騎士ならもっと礼儀よくするはず。会っていきなり「おお、ロマノフ!」とは言わないだろう。と言うことはロマノフと対等な関係、つまりどこかの王か?


「アロン、なぜ来た。」

「いやー、ここに来る前に異常な魔力を感知したからただ事ではないと思い、転移して来たのだよ。」


 おっさんはロマノフの知り合いらしい。グイグイ来るおっさんに抵抗も何もしないロマノフ。おそらくもう諦めているのだろう。

 ロマノフはおっさんを引き剥がし、俺を紹介してくれた。


「今、目の前にいるのが今回の元凶だよ。」

「ほう?お主か。どれどれ・・・」


 おっさんは俺を見つめて来た。なんだか体がムズムズするような感覚があった。

 おっさんに見つめられても俺は嬉しくないぞ!

 ただわかった事がひとつある。このおっさん、かなり強いぞ。もしかしたらロマノフよりも強い。


「ユリウス、今お前をジロジロ見ているのがイグリス王国の王であるダンジア・アロンだ。」

「うむ、ダンジア・アロンだ。まあ気軽にアロンとでも呼んでくれ。そして早速だがお主は何者だ。」


 う!?またこの質問か。ここ最近俺の自己紹介多くねえか?


「アロンは『真実トゥルース』と言うスキルを持っている。お前が嘘をつけばすぐにわかる。さ、もう一度話せ。」


 そりゃないぜ。さっきの説明で30分かかったのに、また同じこと話すの?はー。でも父さんの願いを叶える頑張るか。また30分。

 俺はさっきロマノフに言ったことと同じことを再び言った。

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