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BFDX  作者: 姫
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魔法をかけられて

みんなどういう反応するかな…ドキドキと不安が入り混じりながら会社に着いた。

向かう途中、悠弥とすれ違ったが、緊張のあまり視界に入らなかった。

「遅くなりました」

麻美が声を上げると、みんなが一斉に振り向いて尚を見て驚いた表情になっていた。

「え…本当に尚ちゃん?」

思わず朱里はそう言ってしまった。

「は、はい…尚です…」

「すごい…普通に女の子にしか見えない…」

「ってか、すごく可愛い…」

みんながそう言いながら近づいてくる。

そして目の前まできて七瀬がはしゃぎだした。

「本当に尚ちゃんだ!信じられない!!」

みんながキャーキャー言ってきて、尚は照れ笑いを浮かべていた。

けど、最後の仕上げが残っている。

「麻美さん…」

「そうだったね、ちゃんと魔法をかけてあげないとね」

朱里が「魔法?」と聞き返してきたので、さっき話したことを説明した。

「なるほど、うまい例えをしたね。じゃあ尚ちゃんに魔法をかけてあげよう」

誰がメイクをしてあげる?って話になり、みんなは迷わず綾を指名した。

「一番メイクが上手なのは綾さんだからね。それにここの責任者が最後に仕上げないと」

七瀬がそう言うと、綾の顔つきが変わった。

「任せて、とびっきりの魔法をかけてあげる」

それを聞いた尚の表情が一気に明るくなる。

「綾さん、お願いします!」

綾は尚に説明をしながら、丁寧にメイクをしていく。

尚はそれを真剣に聞き、みんなはそれを見守っていた。

そして仕上げにチークをはたいて完成した。

「はい、尚ちゃん魔法をかけたよ」

「すごい…これが僕なの…?」

尚は鏡から目が離せなかった。

ただでさえ女の子にしか見えなかったのに、メイクをしたことで

あどけなさが消え、プロのモデル顔負けなくらい素敵な女の子に変わっていた。

「尚ちゃん、魔法をかけたんだよ。もうこれで尚ちゃんは女の子になったんだから「僕」じゃないでしょ」

そうだ…もう女の子になったんだ…

「はい…わたし…女の子になりました…」

涙がこみ上げてきた。

これはうれし涙だ。

「泣かないの、メイク崩れちゃうじゃない」

「だって…だって嬉しくて…グスッ」

綾がその涙を優しく拭き取ってからこう言ってくれた。

「ようこそ、わたしたちの世界へ」

尚はみんなの顔を見まわすと、みんな優しく微笑んでくれていた。

このときから、尚の心は完全に女性と化した。

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