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BFDX  作者: 姫
19/24

尚と綾

目が覚めると、尚は身体に違和感があった。

いつもより胸が重い、そして股間がすっきりしている気がする。

まさか…

慌てて起き上がると、やはり昨日より胸が重かった。

急いで上半身を裸になると、昨日よりはっきりと大きくなっていた。

次にショーツをゆっくりと降ろしていく。

間違いない、感覚でわかる。

股間は思ったとおりになっていた。

男のシンボルが完全になくなっている。

恐る恐る股を触ってみると、そこには尚が待ち望んでいたものができあがっていた。

「本当に…完全に女になった…」

口に出すと、喜びがこみ上げてくる。

「やったぁ!わたし完全な女になったぁ!!」

思わず叫んでしまうくらい嬉しかった。

ショーツを履きなおすと、邪魔なふくらみがなってきれいにフィットしている。

改めて全身を見てみると昨日より骨盤が広がっていてウエストもくびれていた。

胸も大きくてきれいな形をしている。

またブラを買いなおさないと。

今日は休みだし下着を買いに行こう!

ウキウキしながら着替え始めていたら、ふっと頭によぎることがあった。

身体が女の子になったことを教えたい。

教えたいのは宣伝部のみんなだ。

けど今日は休み、それでもあの人にだけは教えたい。

一番お世話になっているあの人に。

尚はLINEで買い物に行きませんか?と送信した。

すぐにOKの返事が来たので、急いで支度をして家を出た。


綾が待ち合わせ場所で待っていると、いつも以上にガーリーな恰好をした尚がやってきた。

服装のせいかな?いつも以上に可愛く見える。

それに胸…また大きくなってない?

「綾さん、お待たせしました」

「ううん、それより買い物行くのわたしでいいの?志穂ちゃんとか未来ちゃんとか悠ちゃんもいるのに」

「今日は綾さんと行きたいんです。行きましょう」

楽しそうに尚が歩き出すので、綾は一緒に買い物に向かった。

やっぱりどこか違う…

尚ちゃんは見た目も中身も完全に女の子で、身体も女の子になりつつあった。

けど知っているせいか、まだ一部は男性と感じるところもあった。

どこ?と聞かれるとうまく答えられないけど、今の尚からはそういうのを一切感じない。

本当に同性としか感じない。

そんなことを考えていたら、ついた先は下着売り場だった。

「やっぱりまた大きくなったんだ?」

「わかります?」

「わかるよ、だって見た目が違うから」

「えへへ」と笑顔で尚が答える。

この笑顔を見てしまうと、やっぱり元になんて絶対に戻したくないと思ってしまう。

まず店員にサイズを測ってもらい、嬉しそうに「Dでした」と言ってきた。

綾はCなので、ちょっと嫉妬してしまった。

すると尚は、真っ先に高いブランドの下着を選び始めた。

「尚ちゃん、気持ちはわかるけどまた大きくあるかもしれないよ!それなのに高いのはもったいないって」

慌てて止めに入ったら、尚はニコニコしながらこう言ってきた。

「多分これ以上は大きくならないと思います」

「それはどういう根拠で?」

「変化が終わったからです」

「終わったって…まさか!」

綾が驚くと尚はコクンと頷いた。

「今朝起きたら完全に女になってました」

尚は本当に嬉しそうだった。

やはり綾の錯覚ではなかった。

尚の身体は完全な女になっていた。

まさか身体が本当に女になるなんて…こうなると元になんて戻れるはずない…

元に戻さないといけないと思いつつも、

心のどこかではこのままでいてほしいと躊躇っていたせいで、

もはや手遅れの状態になっていた。

今まで以上に罪悪感が綾を襲ってくる。

「わたし、このことを綾さんに最初に伝えたかったんです。だって魔法をかけてくれたの綾さんですから、その魔法のおかげで身体も女の子になりましたって。だから今日は綾さんを誘ったんです」

尚の言葉に偽りはない、素直な気持ちだ。

なんて可愛いことを言うの、この子は…

尚が女の子になったのは間違いなんかじゃない…女の子になるべきだったんだ!

そう思うと罪悪感が一気に消し飛んだ。

「尚ちゃん、おめでとう!」

誰に何と言われようと、志穂ちゃんに罵られても構わない。

尚ちゃんを女の子にしたのは間違ってなんかいない、

そして悠ちゃんの身体も必ず女の子にするんだ!

綾はそう固く決心した。

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