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BFDX  作者: 姫
16/24

気づかれていた

今日は忙しく、社内に残っていたのは悠弥、麻美、未来の3人だけだった。

残っている悠弥と麻美は新商品のキャッチコピーを考えていて忙しい。

別に暇というわけではないが、比較的にゆとりがあるのは未来だけだったので、

一人でお昼へ行くことにした。

財布をもって会社を出ると、ちょうど同期で総務部にいる須田奈乃香にあった。

「相原さん、お昼?」

「うん。須田さんも?」

「そうだよ。よかったらどこか食べに行かない?」

奈乃香とは特別仲がいいわけではない。

合同歓迎会で一緒になった以外は、部署も違うのでほとんど接点がなかったが、

同期だし同性ということもあるので、一緒に行くことにした。

お店に入り、注文してから奈乃香は宣伝部のことについて聞いてきた。

「宣伝部ってどんな感じなの?」

「基本的にはシャーロットフランシスの紹介がメインかな。大好きなコスメだから楽しいよ」

「だよねー、羨ましい。モデルなんかもやってるしね。わたしも宣伝部に行きたかったなぁ」

そういわれて、少し誇らしくなった。

ところが、そのあと奈乃香がとんでもないことを聞いてくる。

「最近田口くんがオカマになったって噂が広まってるんだけど本当なの?」

オカマとは違う、悠弥の内面は完全に女の子だ。

けどそれを言っていいのかわからず困ってしまった。

未来は薬の存在を知らされていなかったが、

何かがあってあの2人が女になったというは勘づいていた。

きっとその理由を綾たちは知っているはずだ。

しかし未来は志穂のように問いただすことはしなかった。

なぜならば、今のあの2人が大好きだからだ。

「それ、誰から聞いたの?」

「誰だったかな…結構みんな言ってるよ。特に同期の人たちは」

悠弥はこないだ安原がどうとかいっていた、きっと言い出しっぺは安原だろう。

余計なことを…

「確かに前よりは女っぽくなったかもしれない。やっぱりコスメを扱うところだし、女性しかいない部署だからね」

とりあえずこう誤魔化しておこう。

「そういうもんなのかな。あとね、もう一つ聞きたいことがあるの」

これ以上何を聞くというんだ?

こんなふうに詮索されるなら食事などこなければよかったと後悔していた。

「こないだリップとかの新作出したじゃん。あれのポスターに写ってたのって相原さんと川島さんともう一人って…」

3人がモデルデビューしたときの話だ。

基本的に社員が200人以上もいる会社なので、全員は把握できていないうえに、

尚は新入社員、それに完璧に女の子にしか見えないので

特に勘ぐることはないだろうと思っていた。

けど、確かに尚のことを知っている社員は少なからずいる。

元々いた営業部の人間や同期たちだ。

未来がなんて答えていいか考えていたら、奈乃香は話を続けてきた。

「わたし、結構あの子を朝よく見かけるんだよね。新作発表するちょっと前くらいからかな。

見たことない人だったから出向かなって思ってた。けど代わりにそれまでよく見かけていた人を全然見なくなったの。彼女…佐々木くんでしょ」

見ている人は見ている、それをハッキリと知らされてしまった。

もう言い逃れはできない。

できるとすれば、これしかない。

「ごめんね、肯定も否定もできない。業務上の秘密なの。外部への情報を漏らすのは上司から堅く禁止されてるから。だからね、わたしが今教えらるのはこれだけ、田口くんも佐々木くんも元気に頑張ってるよ」

奈乃香は納得していない感じだったが、未来はこれ以上絶対に話さないとうことを

悟ったらしく、これ以上は聞いてこなかった。


職場に戻ると、麻美と悠弥はまだ仕事の真っ最中だった。

何気なく悠弥を見てみると、あれ?と思うことがあった。

前より女っぽく見える…気のせいかな…

でも尚は身体も女性になっている、悠もそうなってきたってこと…?

悠はそんなこと気にしている素振りもなく、麻美と笑顔で仕事をしていた。

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