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南の国のタイムトラベラー  作者: 麦食くま
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6、今後どうするべきか

「シンガポール?」「そうシンガポールという国があるんだけどここはその近く。ここはその隣にあるマレーシアと言う国なんだ」得意げに語る正一「でもそのライオンとか近くにいるの」「うん、あれはもっと後からできるし、この時代シンガポールという国もないからな。で、日本という国があって、すぐ近くの国は知ってるか?」しばらく沈黙が続く。「知ってるよ中国とか韓国」「そう、よく知ってるね。でその中国の南には半島があってその当たりが東南アジアという地域なんだ」「ふうん。ずいぶん遠いところに着たんだ」「そうだな。飛行機に乗っても5・6時間はかかるしね」2人は時代の事に加え、日本からずいぶん遠いところにきた事に気づく。「でも、益男君それが俺たちが元いた時代の話であれば、その気になれば帰ることはできる。でも、まさか400年以上も過去に飛ばされてしまったとなれば、こればかりはどうしようもない」「そうなんだ」わかっていてもまだ現実を受け入れられない益男のか細い声。「ただ、この南の国でよかった。北極とか南極とかだととてもではないが生きていけないし、実はこの国のこの時代のことは勉強しているから」正一はかつて帰国子女としてマレーシアに在住経験があった為、日本の大学でもマレーシアの特に歴史の事を研究していた。そのことを知ってか知らぬかこのような事になり、正一は現実を受け入れつつむしろ研究者としての気持ちに火がついていた。

「ベアーがいるからいずれ戻れる。そうだこの実際に見た時代をチェックしていけば」正一の頭の中では確実に戻れるという「自信」とその後のことに頭をめぐらせる。「それを論文に書いて発表すれば、俺は大歴史学者だ。まさか実際に見たとなればどんな偉そうな教授連中らでも驚くだろう。いや、まてよ。誰も信じないかもしれないな。そりゃそうだタイムトリップなんて、物語のフィクションの世界としか思えないしなあ。なら歴史小説の作家を目指す事になるのかな?」一人で考えている正一の横ではいつしか益男のイビキ声が聞こえていた。「ありゃ、益男君寝ちゃった。まあ突然のことだから疲れたんだろう。俺も寝よう。ん?その前に俺たちの設定を」

正一は、この時代の人たちといずれ遭遇する際に、自分たちが何者でどこから来たのかをあらかじめ設定しておき、怪しまれないようにすることを考え始めた。「まず、この国や周辺の人間というのは無理があるから、遠い国から来た外国人でいいだろう。日本人が一番スムーズだが、日本は戦国時代でそれどころではない。漁師という事で嵐にあってこの場所に流されたということにしようか。うーんいや待てよ、沖縄出身というのも面白いかも。琉球王国ならこの時代交易も盛んだったし、琉球から貿易に来たという事で、意外にばれないかも知れない。さてどちらが良いか明日益男君に決めてもらおう」と正一は一人にやけながらもようやく落ち着いて眠りにつく正一も疲れていたらしく、横になったらすぐに眠れ、夢を見ることもなかったが、朝になり気持ちよく目覚める。足がかゆいことに気づく「虫に刺されたか、マラリアとかに注意しなければ」横を見ると益男はまだ眠っていた。「益男君。朝だよ」益男を起こそうとする正一。「うーん」益男の目覚めは悪い。

「あれ、夢じゃなかったのか」益男にとって昨日からの出来事は夢だと信じたかったが、朝起きて現実にうな垂れる。「おい朝から元気ないね。見ろよお日様がまぶしいだろ」益男を元気付けようと、必死になる正一。「実は、君が寝てから考えていたんだ。俺たちが何者でどこから来た事にするかをね」といいつつ正一は昨晩考えた案を益男に説明した。

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