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神との契約

修正しながら書いてたら遅くなりました、すいません><

「世界を救うですか?」


 突然の言葉に思わず聞き会えすと、神はにこやかに笑いながら話を続ける。


「君には記憶を持ったまま転生してもらって。

 世界を救うため幾つものダンジョンを攻略してほしいんだ」


「ダンジョンって魔物とか罠とか沢山出てくる感じのアレですか?」


「そのアレ」


「いや、無理でしょう、俺の生前はロクに喧嘩もしたことも無い普通の人間ですよ?

 あっ、もしかして俺自身が気づいていない特別な力が実は眠っていたりとかしますか?」


「君の魂少し調べたけど全くないね」


 あっさり否定された、アニメや漫画みたいに特別の力が有るのかと期待したが。

 ではこの神は、俺にどんな期待を込めてこんな事を頼むのだろうか・・・

 スポーツが得なわけでもないし格闘技なんてやったこともない、特別頭が良いわけでもないし。


「ハッキリ言って君には大した期待もしてないよ、所謂ダメ元ってやつさ」


 うわ!考えてたこと対して答えが返ってきた、もしかして心読めるのか?

 しかしダメ元って・・・、喋り方もそうだけどこの神、何だか適当だよな~

 もしかして、1から作り直せるからっていいやと安易に考えてるんだろうか?

 

「別にそこまで安易に考えてないんだけどね。

 今ある世界も結構思い入れも有るからね、1から作り直すのは本当に最終手段。

 それまでの間に打てる手を少しでも多く打っておきたいだけさ」


 うん、確実に心読んるよこの神は、心のプライバシーが無いよ。

 あと喋り方もう少し神様らしくならないですか?


「下界に神託飛ばす時くらいは喋り方には気をつけてるよ。

 そうしないと神だと信じてもらえないからね、でも結構疲れるんだよね気持ち的に」


 気持ちの問題かよ・・・

 それと俺の心に返事をするの止めて、何だか気持ち悪いから。


「了解、わかった」


「それで俺にどうやって、そのダンジョンを攻略させて行くつもりなの?

 記憶持ったまま転生した所で俺には無理だと思うんだけど」


 確かに記憶を持ったまま転生するのは魅力的では有る。

 前世でも上手く行かない時に、人生やり直したいと思った事は何度も有るが。

 やり直した先が、前世よりも過酷で絶望的運命ならば、無理に記憶引き継いでまでやり直したいとは思えない。


「そうだね、そこで私から特別なスキルを一つ君に授けようと思う」


「特別なスキル?」


「そう、神から与えられる特別なスキルさ」


 おっ、何やら期待出来そうな単語が出てきた。

 神からの特別なスキルか、きっとかなり強力なんだろうな。


「神からのスキルって、どんな敵でも簡単に倒せるチートスキルとかかな?」 


「チートかどうかは解らないけど、かなり特別なスキルだと思うよ?20年前に来た魂にスキル上げた時は、結構良い所まで行ったしね」


「前にも上げた事あるんだ、ちなみにそのスキルってどんなの?」


「前に上げたのは『素早さ5倍』だったね、結果は殆どの相手が彼の動きを捉えることが出来ない速さを手に入れてたよ、最終的には壁や水の上を走れる程にもなったけど、高速移動中うっかり足滑らせて後頭部強打で死亡したよ」


 足滑らせて死ぬってギャグかよ!?

 余りにもの速さに自身が付いてこれなかったのかな?


「その前は数秒先が見える『未来視』だったけど、数十秒前に魔物の大群に囲まれて居た事を5秒前位に気づいて死んだね、その前は『物理攻撃無効』だったけどドラゴンのブレスにやられて死んだし、その前は『空間移動』だったけど、移動する前に奇襲受けて死亡、一番期待していた『絶対無敵』なんて調子に乗って準備を怠り、ダンジョンの途中で食料切れて餓死だったのには流石に呆れたね」


 え、俺以外にも異世界から来た人が結構沢山いる?

 それに結局みんな途中で死んじゃってるし。


「中には、結構強そうな人も何人か居たんだけどね、前世で英雄とか剣豪とか呼ばれて人もいたし。

そういう訳だから君にはあまり期待してないんだ、まあ渡せるスキルを全部見せるから好きなの選んでダメ元で頑張ってみてよ」


 ぶっちゃけちゃったよ、この神は。

 正直なのは良いが、もう少し期待する言葉でも言えないのかな・・・


「まあ、俺にあまり期待してないのも解ったけど。

 そんな話聞いたら、やる気出ませんよ?」


「それもそうだね、じゃあ止めておく?記憶引き継がないで転生になるけど」


 正直かなり迷う、記憶を失う事は今の俺が消えるみたいなものだし。

 しかし、過去に英雄とか言われた人達がスキル貰ってもダメだったみたいだし。

 無理にダンジョン挑むより、記憶失ってでも平凡に暮らした方が良いかもしれない。


「うん、そうしようかな・・・どう考えても俺には無理そうだし」


「受けといたほうが良いと思うんだけどな~、どの道、ダンジョンに潜る可能性高いし」


「え?ダンジョンに潜る可能性高いってどういうこと?」


「下界では、大半の人間が種族問わずダンジョンに挑む事を義務付けられてるからね」


 どうにも神の話では、ダンジョンの増殖による世界の侵食を食い止めるために、国家単位で全国民にダンジョン攻略の協力を義務付けられてるらしい。

 力ある者は攻略を、力無き者はその支援を。

 そこに王族貴族関係なしに、それどころか人以外の全種族の国家が参加しており。

 時には魔物と言われていている者も協力したりもするらしい。

 

「だから、余程の戦闘力が無いものか、支援する為の貴重な技術や役割がない限り、男女関係無しに最低1度は挑むことになると思うよ」


「マジかよ、そこまでしないといけない程、世界が追い詰められてるなんて」


「だから、私からスキルを貰い記憶を引き継いで転生した方が、生存率が上がると思うよ?」


「そんな・・・」


「それではもう一度聞くよ、この世界救って見る気はないかな?」


 断れば、前世の記憶や特別なスキルを貰えずダンジョンに挑む可能性が高く。

 受ければ、前世の記憶や特別なスキルを貰える代わり、世界を救うためにダンジョン攻略をやり続けなければいけない・・・選択の余地無いじゃん。


「ちないに、途中で攻略に疲れたからってリタイア出来ますか?」


「しばらくの休息や怪我の療養、高齢による引退くらいは認めるけど。

 私と契約した限りは、全力で挑み続けてもらうよ」


 うん、解っていた。

 そんな気がしていたけど、これって神との契約になるんだな。

 しかし、契約と言っても休みは有るみたいだし定年退職も許されるみたいだ。

 うん、それなら何とかやっていけるかな。


「それでどうするの?」


 俺の答えはもう決まった。


「解った、何処までやれるか解らないけど、世界を救うために頑張ってみるよ」

 

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