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揺籃
練習室の重い…はずだった軽い扉を開いた時、目の前にそれは現れた。
アメーバ状の…それは、私の語彙から該当するものを選び出すとすれば…スライムに違いなかった。
「ひっ…」
私は短い悲鳴をあげ、後ずさった。
そしてすぐ脳裏に浮かんだのは、私のあの子が同じ目にあっていないかということだ。
私の大事なあの子、いっとう可愛いあの子も襲われてたらどうしよう。
私はステータスが軒並み上がっているにも関わらず、そんなことを考えて固まっていた。
スライムを道隆くんが蹴り付ける。あまり効果はないようで、ぷるんと震えた。
「こういうのは核を壊すのが定石ってな!」
律也君がドラムスティックで核らしき部分を貫けば、スライムは形を保てなくなったのかただの液体になり、そして消えた。
「ひゃあっ」
「どうした律也!」
「あ、いや今ポイントがどうのって急に頭の中で声がして…」