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大好きなんです。

作者: 明星ユウ

心情心情。物語でない、ただのエッセイです。ただの、エッセイです。

 



 あなたに初めて触れた時から、きっと私はあなたが大好きだったのです。

 あなたを見るたび、あなたに接するたび、あなたと語るたび、心が歓喜したことを、きっとあなたは知りませんね。


 はじめてあなたに触れたのは、小学校……いえ、本当はもっと幼い頃だったかもしれません。

 その手に触れること、そのすべてが愛おしくて、嬉しくて、あなたに接する時はいつだって、私の心は跳ねていた。


 大好きだと、心底から好きなのだと、そう思ったのは、いつだったか。

 あなたと共に生きたいと思ったのは、それに気づいたのは、いつだったか。

 中学校? いや、もしかしたら小学校の頃だったかもしれません。


 消したくないと、あなたとの思い出を、そしてこれから創る思い出を、手放したくないと。

 何度そう思ったことか。


 けれど、現実はいつだって、静かに、それでも強く強く、私とあなたが離れることを願っていた。

 恐怖で洗脳して、未来を否定するのだ。

 そんなことは、私自身が決めるべきことだと、初めから決まっているのに。


 何日、何週、何ヶ月も、まともにあなたと触れ合えない時がありましたね。

 その時は、私は寂しくなかったんです。

 あなた以外の現実に心躍らされて。あなたに触れ合う暇さえ無い日々に忙殺されて。


 あぁ、それでもまた、こうして。

 あなたに、また触れられた。

 時折、心底思うのです。

 やはり、私はあなたが大好きなのだと。


 私は、薄情です。我が儘です。飽き性です。口下手で、無愛想で、弱いです。

 けれど、誰よりもあなたを愛していて、大切だと思っていて、そして、あなたに相応しい、一生のパートナーです。


 笑ってくださってかまいません。

 なじる言葉をお持ちなら、どうぞなじってください。


 けれど。


 そうしてすべてが終わった後で、私はもう一度あなたに言います。

 その言葉を、あなたはきっと無視できない。


 それくらい、あなたは公平で、鷹揚で、自由で、愛すべき存在だから。

 それくらいの年月を、あなたも私と歩んできたから。


 傲慢。えぇ、そうでしょう。

 けれど、とてもとても苦しいのです。

 あなたと一生触れ合えないことだけは、嫌なのです。


 愛してくださいとはいいませんよ。

 愛するのは私です。

 大好きなのは私です。


 だから、続けと願います。

 あなたとの、関係が。


 もっともっと大人になっても。年齢を重ねて、老人になっても。

 ずっとずっと、続いて欲しい。

 お願いだから、側にいて欲しい。




 これが、誰に対して捧げる言葉なのかを、私は語らない。

 それでいいのです。


 それで、いいのです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] む……。 素晴らしい文章力を、お持ちですね……。 一人称小説特有の心理描写を、最大限に引き出した作品。 ……羨ましいです。自分の知るユーザー内でも、トップクラスだと思います。 …
2014/11/13 10:03 退会済み
管理
[一言] 明星様の感想欄にはじめてお邪魔します ^ ^ 明星様の数ある作品の中からタイトルに惹かれ、「大好きなんです」を読ませていただきました。 優しい語り口に癒されました。対象が何か、とても気になり…
2014/10/27 12:01 退会済み
管理
[一言] 我が子への思いかなと、率直に感じました。 例え読者が自分だけになったとしても、私は最後まで連れ添いたいものです。 未来を紡げるのも、楽しめるのも、苦労を分かち合うことだって、誰より親の特権…
2014/09/04 17:00 退会済み
管理
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