ぶらり。
掲載日:2026/07/02
ぶらり そいつは天井から ぶらさがっていた
ぶらり そいつは天井から 長い両手を伸ばしていた
ぶらり もうすぐしたら届く 首すじに向かっていた
ぶらり 長く伸びた黒髪で 視線は隠されていたのに
ぶらり 長く伸びた両手が わたしの首にたどり着いた
ぶらり ぶらり それから ぎゅう ぎゅう ぎゅうと
わたしの息の根を止めるまで 苦しくさせていったのは
ぶらり ぶらり 天井に ただ ぶら下がっていたのだ
丑三つ時に目覚めたのは そいつで
まだ 天井に張り付いている




