第30話 先生の言葉
ミレイユ先生が剣でエレーヌに斬りかかり、エレーヌも自らの剣でそれを受け止めた。交差した剣が火花を散らす。
繰り返される剣戟。勿論、手を休めれば李の打撃が待っている。それが判っているエレーヌはなんとか背後を取られまいと、必死に剣を振るった。
「中々やるじゃないか騎士さんとやら」
ミレイユ先生が挑発する。
「2対1でも負けるものかよ!」
実際、エレーヌはよく戦っていた。が。
「馬鹿め!3対1だ!」
エレーヌを3人で取り囲むように回り込んでいた比良坂先生がエレーヌの脇腹を狙って殴りかかる。それがヒットした瞬間、ドン!と爆発が起こった。血反吐を振りまいて木の葉のように舞うエレーヌ。その鎧の脇腹部分は大きくへこんでいた。平坂先生の拳には赤い筒のようなものが4本、指の股に挟み込むように握られている。
「聞いたことがあるぞ…そうか貴様か…貴様が魔女ギルドの『万能鍵』!侮ったわ…」
「そう。私がマスターキーこと比良坂黄泉。以後お見知りおきを」
比良坂先生が拳を開くと、その赤い筒が地面に落ちてコロコロと転がった。それは空になった散弾実包!そして比良坂先生が左手に持っていたチョークの箱を開けるとそこには新しい弾がギッシリと詰まっていた。
いつも開いているんだか閉じているんだかわからない比良坂先生の目が今はカッと見開いてエレーヌを睨めつけていた。
「くっ…、覚えていろ」
フラフラと立ち去り、校門を出ていくエレーヌ。3人の先生はその後を追わなかった。
3人の先生と私とで生徒会メンバーの4人を保健室へ運んだ。モルタリアがベッドに寝かせた4人をあちこち調べて外傷が無い事を確認する。
「どうやら気絶させられてるだけみたいだね。いずれ目を覚ますだろう」
良かった。4人とも無事で。
「それよりも、だ。君だよ結合。そんなにボロボロになって。さあさあ服を脱いだ」
モルタリアが嬉しそうに指をワキワキさせる。
「結構です!気合で治しますから」
私はモルタリアの指をペシッと叩いた。実際のところダメージを受けた所が内出血を起こしているのだが、帰った後で力を使ってなんとかしよう。
「結合よお、もう一回言っておくが困った時は言えよ」
ミレイユ先生が私の肩をポンと叩いた。
「そりゃあ先生達が協会の人間だって知ってたら言いましたよ」
「そういう事を言ってるんじゃない、一人で抱え込もうとするなって言ってんだ。よく考えとけ」
そんなこと言ったってなあ…。と、むくれる私。
「体育祭の事も含めて、後はこっちで何とかするからもう帰れ」
「でも…」
「いいから!」
私はミレイユ先生に追い出されるようにして保健室を後にした。
読んで頂きありがとうございます!面白いと思って頂けましたら★、リアクションをどうか宜しくお願い致します!執筆の励みになります!




