あの時①
あの子の人生。
彼女は心の葛藤を抱え、
人を傷つけ、傷つけられ、
傷つきながら生活していた。
そんなあの子、気づいたら人生を
見つめ直すことが出来たひとりの人間の人生の物語。
23歳、あの子はコンセプトカフェで働いた。
学校に行けなかったあの子がそこで得たものは学校そのものだった。人と話しをして、コミュニケーションを取り、悩みながらもたくさんのものを学んだ。
輝きたい子、好かれたい子、何者かになりたい子、変な子、なんとなくやってみたかった子、憧れてきた子、注目されたい子。いろんな子が集まっていた。
あの子は、楽しかった記憶から始めた。
関わる人、みんな違う人間が集まっていた。
当たり前のことだ。
でも、あの子にとっては特別な場所だった。
年齢もバラバラ、生きてきた道のりもバラバラ、高学歴もそうでない子も、芸術の道から来る子もいた。
働く理由も働くに至る過程も、大企業で働く人も、そうでない人も。
推す側も、推される側も、推しながら推される人も、いろんな人がいた。
いろんな人と出会い、いろんな人と別れ、いろんな感情を得た。
そんな場所が心地よかった。
みんな違うけど何かを背負って生きている人達の集まり。
好きな物を追いかけ、好きな人と好きなことをする楽しさを知った。
30代になった今、私から見たコンセプトカフェのイメージは良くない。
世間からみるコンセプトカフェで働く子は良いものではなかった。
あの子がみていた世界が違っていたのか、捉え方が違ったのか、時代が変わったのかは分からない。
でもあの子はコンセプトカフェにいた事で大きな成長をした。
可哀想なあの子。可哀想だと思われたいあの子。
普通が分からないあの子。人と違うあの子。
人と違うことが怖いあの子。人と一緒は嫌なあの子。
何者かになりたいあの子。特別になりたいあの子。
そんなあの子はいつも普通を問う。
これはそんな「あの子」の生きてきた人生を描いた物語である。




