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第6話 慣れる?

 夫と連絡がつかなくなって、数ヶ月が過ぎた。


 心配しても、仕方がない。実家の近くで、またパートを始めていた私にも、余裕がない。冷たいようだけど、夫のことを心配している場合ではない。


 目の前のことを、やり切らないと。


 夫の捜索願を出すべきだろう。それに離婚届を提出して、お義母さんの老人ホームの費用負担から、解放されるべきだ。そう思っていても、できない。


 母の介護、新しいパートの仕事、夫の心配。残念ながら、夫の心配の優先順位は、低い。忙しくしていると、夫のことを考える時間が、霧のように散っていく。


 こんなにも早く、夫のいない生活に慣れてしまった。自分でも薄情だと思った。


 夫は、きっともう、この世にはいないのだろう。そう思ってしまう。その方が楽なのかもしれない。楽なのだ。


 私の視界が、ぼんやりしている。老眼が、さらに悪くなったのだと思った。


 蛍光灯の光が滲む。それで気付いた。私は、泣いている。


 夫に、会いたい。夫に、生きていてほしい。

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