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竜猿三兄弟 2
「誰だ、オメー!? この斉天大聖、孫悟空さまに何の用でい?」
背中全体に巨大な山を背負った孫悟空。
にらみをハヌマーンに向けて放つが、白猿剣士は涼しい顔だ。
「早く、出してやるぜ。キョーダイ!」
筋斗雲から飛び降り、悟空の眼前に立つハヌマーン。
インド舞踏のように、踊りながら魔剣サルノコシカケを振るう。
「白猿流剣術、羅閃斬り!」
見えない斬撃が孫悟空の背の山を斬り裂く。
すると、山は粉砕され、欠片は天高く舞い上がり、消滅した。
悟空は立ち上がり、首をコキコキと鳴らす。
「……助けてくれた礼は言う。だけど、オメーは誰だ!? オレさまを助けて何のメリットがある?」
「俺はハヌマーン。竜猿族の生き残りで、お前の兄貴だ!!」