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竜猿三兄弟
「ヒャッハー! ついに見つけたぜ、キョーダイ!」
そう言葉を発したのは、インド風の鎧に身を包んだ白猿だった。彼は筋斗雲と呼ぶ、雲の乗り物に腕組しながら立っていた。腰には愛剣サルノコシカケを提げている。
白猿の戦士ハヌマーンこと、ランマー・ハヌマットは眼前の山に、首だけを出した孫悟空の姿を見つけると、筋斗雲の上でトンボを切り、喜びを表現した。
筋斗雲の本来の所有者で、如意棒の持ち主。そして、果香山の王にして怪力無双の暴れん坊。それが、孫悟空という魔猿だった。
彼らは、竜の如き強さを持つ神猿――竜猿族なのだった。