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そして、ゴロリとソファーに寝転がると綺麗な天井が目に入ったけれど気にする余裕もなく直ぐに目を閉じてー
「異世界転移なんて何番煎じの話なの?喋る動物もイケメン国王も魔法使えちゃいますも全部出尽くしてるから!この後は何!?世界を救う系?私の世界の知識で世界発展系?どれが来ても面倒くさい事この上ないっ!」
一気に吐き出した。
小声のつもりだったのに、感情が高ぶってつい少し声が大きくなってしまったけれど、おそらく部屋の外で待っている侍女さん達までは聞こえてないだろう。耳の良いメジストには聞こえたかもしれないけれど。
「……私は読んでるだけで良かったのに。」
ポツリと呟く。
帰りたい…何の変哲もないけど、仕事して家に帰ってお気に入りの小説読んで、休みの日には好きなだけ寝て、起きたら小説を読む…その幸せな世界に。
だけど、もう帰れないと思ったほうがいいだろう。
「はぁ……受け入れるしかないよね。」
文句も言ったし、スッキリした私は待っている侍女さんとメジストたちを部屋に迎え入れるべく立ち上がった。
次はもっと長く書きます。