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少し驚きながらも顔を上げると、そこにはお決まりのイケメンが居た。
それはもう見事なイケメンだ。
切れ長の目に長いまつげ、身体の線は細く視えるが鍛えられているのがわかる。全体的にクールな印象を受けた。
「リサ・アサクラと申します。お心遣いありがとうございます。」
未だに周りがザワつく事を不思議に思っていると
「立てリサ。お前が膝を付けばあやつは頭を付けねばならん。」
あぁ、なるほど
教えてくれたメジストに頷き立ち上がる。
「リサ殿。貴女のことは我が国で丁重にお守りいたします。」
そう言って王様達は頭を下げたけど、正直国とか
「めんどくさいな…」
口の中で呟いた言葉は耳の良いメジスト以外に聞かれることはなかった。
「リサ殿にはぜひ王宮に住んでいただき必要に応じ何でも用意しよう。どうか自由に過ごして欲しい。」
なんて耳触りの良い言葉だろうか、望めばきっと本当に何でも手に入るだろう。宝石も ドレスも 食べ物も。この世界で最高の物が用意されるだろう。
「お気遣いいただきありがとうございます。」
私はお礼だけを述べ、微笑んだ。
この国のことも王様のことも分かってないのに、「はい、そうします。」なんて言えるわけがない。
その後すぐにさっきの部屋まで戻ると私は少しでも状況整理がしたくて1人きりにしてもらった。
メジストは部屋に一緒に残りたかったみたいだけど、なんとか引き下がってもらった。
かなり時間が空いてしまいました。