5
明けましておめでとうございますm(_ _)m
喋るまでは分かったけど、ツガイ?って番?
この黒豹何言ってんの?
ー
番の疑問を突っ込む隙も無いまま、私は今、お城の客室で国王との謁見準備が整うまでソファーで座って待っているように言われたけど・・・。
(お、おちつかない。)
本当にTHE・お城だし、部屋も豪華すぎて最初はソファーに座るのも躊躇ってしまった。
(すごい、小説の描写と実際に見るのでは全然違う!なんだっけ?そんな格言?あったよね。身をもって体験する日がくるとは。)
謎の感動をしていると、近くにメジストが来ていた。
「メ、メジスト様?」
『“様”などいらない、メジストとそう呼んでほしい、お前にはそう呼ばれたい。』
乞うように、輝く金の瞳を細めた。
「メジスト?」
『なんだ?』
望んだ呼び方で呼ばれて嬉しいのか、声が更に柔らかくなった。
それに、表情もとても豊かに変わる。
だけど、今はそれよりも
「なんでずっと喋ってくれなかったの?」
喋れるなら会ったときに話せていたらよかったのに、そう出来ない理由があったのかな?
『話せなかったんだ、お前がまだこの世界に馴染んでいなかったから。』
眉を下げて悲しげな顔をしながらメジストは答えてくれた。
そうか、よくある設定だ。
『だが、やっとお前と話すことが出来て嬉しい。あぁ、まだ名を聞いてなかったな。どうか、教えて欲しい。』
まるで、許しを請うかのように私に頭を下げた。
あの騎士たちには神のように扱われていたのだから、もっと偉そうにしていいはずなのに。
「浅倉 理沙っていうの、リサでいいよ」
『リサ…リサか。』
目を閉じて私の名前を繰り返す。体の中に取り込むかのように。
読んでいただきありがとうございます。