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その音を肯定と取った私は立ち上がり、黒豹に付いていった。
はぐれないようにその大きな体の背に手を置かせてもらう。
しばらく行くと急に開けた場所に着いた。
真ん中には全体がわからないほどの大きな木があり、その根本には大きな穴が空いている。
あまりの凄さに思わず口を開けて呆けてしまう。
そんな私の横をスルリと黒豹が通り過ぎて穴の方へ向かっていくから付いていこうとした時
(あれ?なんで見えてるんだろう?)
さっきまであんなに真っ暗だったのに、木だと分かる事を不思議に思い、辺りを見渡すとこの開けた場所だけ明るいことに気付いた。
月明かりかと思い空を見上げるけど何も無い。
(まぁ、異世界だしね…)
深く考える事を放棄した私は、今度こそ黒豹の後に付いて行った。
穴の中には黒豹の寝床があった。ベッドのような大きさ二真っ白なシーツ、その中には何が入っているのか厚みがあって寝心地がよさそう。
黒豹がその上に乗り私を見た。
「私も寝ていいの?」
ーグルッ
肯定するように喉を鳴らしてくれる。
「あ、ありがとう」
お礼を言って隣に寝転んだ私はすぐに眠った。
ーーーー
ーザリッ
「・・・んっ!な、なに?」
頬にザラリとした刺激を感じて無理矢理眠りから起こされた私は、ゆっくりと目を開けると目の前に黒豹の顔があって少しびっくりした。
(そっか…異世界に来たんだった)
少しずつ頭が回り始めた頃、外から人の話し声が聞こえてきた。
(人!?)
急いで体を起こして外に出ようとしたけど、ふと、思う。敵か味方か分からないのに出て行っていいのか?と。
「・・・っ!?何これ?」
人がいる方から赤いモヤみたいなのが入ってきていた。
遅くなってごめんなさい…