1/1
快楽と絶望、その先にあるものとは
どこからともなく現れ、必ず人気のない所に現れる割には、善悪問わず必要な人の前に現れる・・・全身、顔すら見えないようにローブを纏って・・・
「時・・・止めてみない・・・?」
夜の9時半、真っ暗に電気の消えたビル。ただし一室だけ明かりが微かに灯っていた。そこには上司、同僚、後輩にすら仕事を押し付けらたひ弱な男が、他に誰もいない静寂な薄暗い部屋をキーボードのタイプ音とため息混じりの独り言を反響させていた。
「なんで自分だけ・・・。課長と同僚の坂井だけ後輩の女子と飲みに行くとか・・・。それも、全部自分に押し付けて・・・。はぁ・・・。作成者 池内・・・と。終わった・・・帰ろ・・・。」
そうつぶやきながら池内は自分のデスクのライトを消し、会社を出た。