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プレゼント

綾斗とルインは今日も2人並んで授業を受けていた。目の前には火、水、風、土、光、闇の文字が均等に並び円状になっている紙が置かれている。


「今日からは無属性魔法ではなく、6属性魔法の授業をしていきます。まずは皆さんの使える魔法属性を把握するために目の前にある紙に描いてある円の中心に手を当てて魔力を送って下さい。そうしたら光っている文字が自分の使える魔法です。しかし、光っていない文字の属性は諦めるのではなく、現状使えないだけです。練習すれば使えるようになるので、諦めないで下さい」


話が終わると教室中の生徒が紙に手を置いて魔力を紙に送り、仲のいい友人達と話を始める。


「で?綾斗はなん属性使えんの?」


隣からルインが紙を覗き込んでくる。


「なんだ、まだやってないのか」


「ああ」


綾斗は紙に手を置くと言われた通りに魔力を送る。


「なん属性?」


「全部光ってるな」


「綾斗もか」


そう言うとルインは自分の紙を綾人に見せる。


「どうやら、俺達のご主人様方も全適正あるみたいだぞ?」


「アリスとシャルロットさんも?」


ルインは綾斗の問に頷いて答える。


「皆さん終わりましたか?それではまず単体の属性の魔法を練習してみましょう。修練スペースへ移動しますよ」



「綾斗どうする?単属性魔法の練習らしいけど何やる?」


「単属性魔法はいつも放課後に練習してるからな…」


綾斗はシャーロット先生の方をチラッ見る。


先生はくまなく生徒を見張っていた。


「ほかごとやることは出来なさそうだな」


「んじゃ、真面目にやりますか」


「ルイン」


「げっ!」


背後からルインを呼ぶ声が聞こえ、ルインと綾斗は後ろを振り返る。


「なにが、げっ!なのかしら?」


そこにいたのは先日ルインが主人だと言った少女が立っていた。


「あ、いや…そんなこといったか?」


「とぼけるんじゃ…ない!」


そう言うと少々はルインに向けて水の最下級魔法を放ちそれを避けて逃げるルインを追って行ってしまう。


「あや、と」


声が聞こえた先を見ると先程まで少々が立っていた場所に他の少々が立っていた。


「どうした?アリス」


「あ、あの…ね、あやと。この間は助けてくれてありがとう」


「急にどうしたんだ?」


「その、言えてなかったから」


綾斗が聞くと今までのアリスとは、うって変わって恥ずかしそうに答えた。


「気にするな、アリスが困ってたら何度でも助けるよ。それと」


綾斗はそう言うと制服の胸ポケットをあさってある物を取り出す。


「これ、誕生日プレゼント…渡しそびれてた」


綾斗が手に持っているものはアリスの誕生日に朝から城下町へプレゼントを買いに行って見つけたハートのあしらわれた銀色のチェーンのネックレスだった。


「これ、くれるの?」


「ああ」


綾斗はそう言って立ち上がるとアリスの目の前まで行ってネックレスの留め具を外し、手をアリスの首の後ろにまわすと後ろで留め具を再び留める。


アリスはネックレスのハートを手のひらに乗せてじっと見つめている。


「気に入らなかったか?」


「ううん、ありがとう」


アリスは首を横に振って綾斗の問を否定すると小声でありがとうと言った。


「ふふっ、言えたみたいね」


いつの間にか追いかけっこを終え、立ち止まって綾斗とアリスの方を見ている少々は独り言を呟く。


「お優しいねぇ」


少女の隣に立ち止まっている少年が話しかける。


「何か言ったかしら?」


「性格のお悪いお姫様だな」


「あ?」


「すいません…」



「貴方があやとさん?」


ルインと一緒に少々が歩いてくる。


「ああ」


「私はシャルロット・リィ・エル。エル王国の代1王女です」


「俺は綾斗、アリスの眷属だよろしく」


「ええ、よろしく」


「なんだルイン、お前の言うようには見えないけど」


「綾斗?それは言わない方がいい気がするよ?」


ルインはそう言うと引き攣った笑顔を浮かべてに後ろを向く。


「お待ちなさい、あやとさん?詳しく聞かせて頂けるかしら?」


シャルロットは逃げる体制に入ったルインの制服の襟を右手で掴む。


「は、離せっ!この悪魔!」


「誰が悪魔なのかしら?」


物質形成(モデリング)


ルインはモデリングで刃のない剣を作り出す。


「やるき?水弾(ウォーターバレット)


シャルロットは右手で銃の形を作ってルインに向ける。シャルロットの人差し指の指先に小さな水の塊が現れ、それをシャルロットはルインに向けて放つ。


「おーい、お前ら辞めとけって」


綾斗の静止の声を聞かずにルインは剣でシャルロットの魔法を一刀両断する。


「その程度かよ、お姫様」


「まだよ、物質形成(モデリング):弓」


「近ずけば良いだけ!」


ルインは地を蹴って距離を詰めにかかる。


水矢(ウォーターアロー)


「そこまでです」


間に入ったのは笑顔のシャーロット先生だった。


「そういうのは決闘として他の迷惑にならない所でやりましょう。と言ってもやり方を教えていませんでしたね。明日の授業は決闘のやり方を教えるとしましょうか。今日の授業はここまで」

最後まで読んで下さりありがとうございます。

今回は結構前の話で渡しそびれていたプレゼントをどう渡そうかですごく悩みましたw

城を出た時に少しアリスを暗く書いたせいでどう繋ぐかで時間を使いすぎました…悩んでたら丁度いいところに前回チラッと登場したシャルロットがいたのでシャルロットがルインにちょっかいをかけるところから入りました。

いかがだったでしょうか?

いつかはアリスとシャルロットの出会いを書きたいなぁなんて考えております。

ではまた来週の後書きでお会いしましょう。

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