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無属性魔法

獄炎世界(インフェルノ)!」


ルインが唱えると魔法が発動し、目の前の的が消し炭になる。


「ほんとに出来た」


「な?簡単だろ?」


信じられないと驚くルインに綾斗は言った。


「さぁ、朝練は終わりだ。早く行かないと授業に遅れるぞ」


「あ、待てよ綾斗」


綾斗が教室に向かって歩くのにルインが続く。



「魔法には火、水、風、土、光、闇の6属性とは別に無属性があります。無属性魔法は魔法の中で1番簡単な魔法で、人間でも扱うことの出来る魔法です。さらに、無属性は他の魔法とは違い限度はありません。なので、魔力コントロールが上手ければ上手いほどより強力な効果をうみます。今日の授業はその無属性魔法の物質形成、モデリングをやりますので、教科書の3ページを開いて下さい」



「それでは皆さん今説明した通りに教科書の問題の順番に布、コップ、皿、と作り出して下さい。終わった人は剣を作ってみてください」


「なあ、綾斗」


「んー?」


「あの子可愛いよな」


ルインが指を指す方を見ると1人ポツンと座るアリスの姿があった。


「アリシアちゃんだっけ?」


「アリス」


「あれ、あの子も知り合い?」


「ああ、俺はアリスの眷属なんだよ」


「え?お前あんなに可愛い子の眷属なのか?」


「じゃあ、ルインの主人はどんな人なんだ?」


「俺の主人はあっち」


ルインが指さしたのは課題を終えて気だるげな女の子。見た目はアリスと同い年くらいで、アリスとおなじ金髪赤眼で、髪型はツインテール。アリスと同じくらい可愛い。


「お前の主人も充分可愛いだろ?」


「いや、俺の方は性格がねぇ」


「悪いのか?」


「もうそれはそれは」


「でも、アリスは王族だぞ?」


「関係ないね、難易度が高い方が燃える性格なんで。それに…うちの主人も一応王族なんだよね」


「え、どういう、偶然?」


「びっくりだよな。でもまぁ、男子は女子寮入れないし、その逆もダメ、となると話す機会も…」


「あんまりないよな」


綾斗が言うとルインは机に突っ伏した。



放課後になり綾斗とルインは訓練スペースに来ていた。


「「物質形成(モデリング)」」


2人同時に唱えて剣を作り出す。


「うん、流石は無属性魔法、簡単だな」


「なぁ、綾斗今から刃なしの剣を作って剣の練習しないか?」


「いいけど急にどうした?」


「いいから、いいから」


「まぁ、いいけど」


「んじゃ、物質形成(モデリング)


物質形成(モデリング)


2人同時に走り出して距離を詰める。綾斗が振り上げた剣を振り下ろすと綾斗の剣は何も無い空を切る。それにワンテンポ遅れてルインは踏み込みを入れて剣を綾斗の胴をめがけて横に薙ぐ。それを綾斗は辛うじて剣を振り上げて弾くと大きく後ろに飛ぶ。


「なるほど、緩急をつけてタイミングをづらしたのか…」


「正解、でも流石は綾斗。初見で今のを防ぐなんてやるねぇ。じゃあ、これはどうか…なっ!」


言葉が切れると同時に綾斗の視界からルインの姿が消える。綾斗は左の首筋に寒気を感じてとっさに守りに入る。


「残念、こっち」


ルインの声が背後から聞こえると共に綾斗はの頭にそっと剣が乗る。


「はぁ、やめてくれよ本気の殺意を向けるの」


「いやぁ、綾斗相手に生半可な技使っても防がれるだけだと思って」


ルインがヘラヘラと笑って言った。


「お前、剣を習ってたのか?」


「ああ、俺の家が剣を教える教室だったんだ」


「だった?」


「俺が6歳の時に鳥人族の子供を狙う奴隷商人に俺が捕まって、俺を助けようとした父親と、母親が殺された」


「ごめん、嫌なこと思い出させちゃったな」


「いや、確かに両親が死んだ事は悲しかったけどその後シャルロット…俺のご主人様の父親に助けて貰って王宮に招き入れて貰った。王宮の人達はみんないい人だった」


「そっか」


「なんか重い話になっちゃったな、この話は終わりにしよう」


「ああ」


「そんな事より無属性魔法に他の魔法を重ねることってできるのかな」


「ん?」


ルインの発言を綾斗はとっさに理解出来ずに聞き返した。


「いや、モデリングで作った剣に火属性とかの魔法をかけて炎の剣とか」


「ああ、やってみるか」


火球(フレア)


ルインが火球を剣に向かって使うとなにも起こらなかった。


「あれ?出来ないのか」


「どうだろう他にやり方があるとか」


ルインの質問に綾斗は教科書の中から答えを探しながら答える。


「教科書には乗ってないな」


「えぇ、じゃあ出来ないのか」


「いや、まだ見つかってないだけとかも有り得るんじゃないか?あ、」


「どうした?」


「ここ、」


効果付与(エンチャント)?これがどうかしたのか?」


「教科書を読む限りだと物に不審者を見つけ次第持ち主に知らせるとかに使うみたいなんだけどこれなら出来るんじゃないか?」


綾斗はルインにそう言うと教科書を置いて唱える。


物質形成(モデリング)効果付与(エンチャント):炎を纏う」


綾斗の手に刀身に炎を纏う剣が現れる。


「おお、流石は綾斗。その発送はなかった」


「ていうか今何時だ?」


「そう言えば暗くなってきたな」


近くにある時計を見ると針は6時50分を指していた。


「そろそろ夕飯の時間だな、食堂行こうぜ」


「そうだな」


綾斗が言うとルインは頷き2人は修練スペースを後にした。

まず最初に最後まで読んでいただきありがとうございます。

次に更新が遅れてすいませんでした。家族旅行に行っていて更新が出来ませんでした。

さて、今回は前回出てきた新キャラ、綾斗のルームメイトのルインの過去を少し出しましたがいかがでしたか?アリスがほとんど出てこない話でガッカリした方もいるとは思いますが予定ではアリスがメインの話もこの先書くつもりなので少々お待ちください。ということでまた次回の後書きでお会いしましょう。


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