魔族学園の入学式
「ヴァイトが暴挙に出るとは…」
「あやとさん、朝早くにすみませんでした」
そう言って微笑んだ金髪緑眼の女性はアリスの母親アンリ・ルシェ・ヴァンピィル。見た目は20代前半程に見えるほど。
「いえ、アリスがあの様子ですし、ヴァイトも燃え尽きてしまいましたから」
「そうだ、白眼の吸血鬼が火属性の最上級魔法を発動させるとはなどうやったんだ?」
「どう…と言われましてもコツ、と言いますか」
「フッ、コツ…か」
綾斗の説明を聞いた瞬間にルクスは小さく笑った。
「まぁ、いいそれ程の力があの子のことを任せられる」
「それでは失礼します」
綾斗は一礼して部屋を出た。
次の日の朝、綾斗とアリスは王城の門の前に来ていた。ルシエラ学園はルクスから聞いた話とは違い国の最南端にあるらしく着くまでに半日かかるという。
「それじゃあ、アリス頑張ってね」
「はい、お母様」
アリスは重たい声で言った。
「あやと、アリスのことは頼んだぞ?」
「お任せ下さい」
「グラム、それでは2人のことはまかせる」
「仰せのままに」
グラムは答えるとすぐに馬車に乗り込む。それに続いてアリス、綾斗の順番で乗り込み扉を閉める。カラカラと馬車は音をたてて王城を後にした。道中は誰も一言も発せずにいた。
「着きました」
その声と共に扉を開けて綾斗は馬車を降りた。それに続いてアリス、グラムも馬車をおりた。
「こっちだ」
グラムは無愛想に言うと森の中に佇む大きな建物へと向かって歩いて行く。
「ねぇ、アリス?」
「ん」
「どうしたの?」
「なんでもないの」
その後は男子寮と女子寮にわかれた。
「えっと、俺の部屋は102号室か、1階の奥か」
綾斗は自室の前に立ち止まると扉を開けることをためらう。
「そう言えば、部屋は2人1部屋って言ってたな変な奴だったらどうしようか…まぁ、悩んでても仕方ないな」
そう言うと綾斗は扉を開けた。
「ああ、あんた同室の人?」
「あ、ああ」
扉を開けた先にいたのは黒髪の少年だった。
「俺はルイン、ルインって読んでくれ」
「俺は、綾斗、俺のことも綾斗って呼んでくれ。一応種族はヴァンパイア」
「あやともヴァンパイアなのか」
「俺も?てことはルインもヴァンパイアなのか?」
「ああ」
「ルインはここのこと詳しいのか?」
「人並みかな?」
「じゃあ、どこか魔法を使ってもいい場所ってないか知らないか?」
「うーん、一応自由に使っていい訓練スペースはあるらしいんだけどどこにあるかまでは分からないんだ、詳しいことは明日の入学式の後にきけるらしいんだけど」
「じゃあ、明日まで待つか」
2人で話しているとノックの音が聞こえて扉の方を見る
「失礼します、制服をお持ちしました」
「あれ、ニーナ?」
「あやとさん?」
「なに?知り合い?」
「ああ、一昨日城下町で知り合ったんだ」
「これ、あやとさんの制服です。こっちはルイン様の」
「ありがとう、」
「それでは、私は仕事がありますので」
そう言うとそそくさとニーナは出ていった。
その後は何事もなく1日が終わった。
「おーい、あやと、そろそろ起きないと遅刻するぞ」
「ああ、ルインおはよう」
「皆さん、この度はご入学おめでとうございます。ルシエラ学園学園長…」
「なぁ、あやと俺らクラス一緒にみたいだぞ?」
「え?そうの?」
「なんかクラスが種族別らしいんだよ」
「へぇ、あ、終わったみたいだぞ」
綾斗とルインは体育館の2階から入学式の様子を見ていた。
「皆さん、おはようございます。1年吸血鬼科の担任をしますシャーロットです。それでは皆さん、今から皆さんの実力を知るために修練スペースへ移動しますからついてきてください」
修練スペースは王城のものよりも大きなものだった。
「それでは女子の皆さんからお願いします出席番号順にいきますので名前を呼ばれた人は前に来てあそこにある的に全力の魔法を撃って下さい」
「なぁ、ルインって黒眼だよな」
「うん」
「やっぱ、最上級魔法とか使えんの?」
「いや、最上級魔法はかなりの修練を積まないと使えないらしいよ」
「へぇ、」
そんな話をしていると聞き覚えのある名前が聞こえた。
「それじゃあ、アリシアさん」
「暴風靱」
アリスが唱えると的の太い木を風の刃が一刀両断する。それを見た周りがどよめいた。
「流石はお姫様ね、」
「へぇ、彼女がルシェ大国のお姫様か」
「ルイン?」
「ああ、いやなんでも」
「あやとくん」
「んじゃ、行ってくるわ」
「おう」
「おい、見ろよあいつ白眼だぜ」
「なんで、白眼がこの学校にいるんだよ」
綾斗が前に出ると綾斗の白眼に気づいた周りがざわついた。
ん?白眼がこの学校にいるのっておかしいのか?そう言えば周り見ても白眼なんていないどころか赤眼ばっかじゃねぇか。ここは空気読んでフレアにしとくか
「どうせ、使える魔法も最低ランクの魔法くらいだろ」
「火球」
「はい、次の人〜」
「ルインさん」
「はーい」
「火球球」
「はい、次の人、」
「ふぅ、終わった終わった」
「お疲れさん」
「ん?あやと何してんの?」
「ああ、いやちょっと実験を」
「実験?」
火属性の魔法陣5個を合わせて使うと最上級魔法インフェルノ、なら6個以上重ねたらどうなるか、やってみたかったんだよね
「はぁ!」
「で、実験って何したの?」
「いや、魔法陣6個重ねたらどうなんのかなって」
「魔法陣?」
「魔法を使う時に一瞬だけ魔法陣見えるだろ?」
「ああ、何となく」
「魔法陣を5個重ねて使うと最上級魔法になる、ならその上はどうなるのかって実験」
「そんな、簡単なの?最上級魔法って」
「うん、」
「え、でその結果は?」
「発動がキャンセルされた」
「なんだ、なにも起こらないのか」
「いや、これ他の人の魔法陣に合わせたら魔法を無効化出来るんじゃ」
「あ、やってみるか?」
「いや、ルインじゃなくていい」
綾斗はにやりと笑うと後を向く。そこには先程綾斗を白眼だとか話していた奴らがちょうど今から魔法を使おうとしている。
風の上級魔法、さっきアリスが使ってたやつか。魔法陣4個…1個追加してっと
「あれ?なんでだ?」
「どうしましたか?」
「いえ、」
「今のって…」
「成功だな、」
「あやと、お前白眼なのに魔法のコントロールが出来るんだな」
「ま、まあ、」
「俺に魔法教えてくれよ」
ん?今回の話を読んだ方ならわかると思います。
つまらなくね?←いや、いつもだから
なんか今回は文章にまとまりもなく読んでていつもより面白くないと思いますすいません次回は気をつけるので許してください。
次回は綾斗が活躍する話を予定しておりますのでまた来週お会いしましょう