第3章*もうひとつの手掛かり*
僕はめあが大好きだった。だから突然姿を消した時は悪い夢だと思って頬っぺたをつねった。
でも頬っぺたは痛くて夢じゃないことに絶望したんだ。
手紙には手掛かりになりそうな事は書かれていない。ただ1ヵ所だけ不思議な文がある。
『今度生まれ変わったら普通の女の子がいいな…』
僕から見ためあは普通の女の子だったと思うんだけどなぁ…。
とりあえず、まずは冷静になって情報収集だ。
めあの友人や姿を消すまで働いていたアルバイト先の人達に片っ端から話を聞きに行く。
だが皆、口を揃えてこう言う。
「何も知らない」と。
るかはめあの両親に会いに行くことにした。
両親ならきっと何か知っているはずだと思ったからだ。
僕はめあの家に向かいチャイムを鳴らす。
応答がない。留守なのだろうか…。
何度かチャイムを鳴らしていると近くを通っていた女の人に声をかけられた。
「あの、もしかして流河さん?」
「…どうして僕の名前を?」
「やっぱり流河さんね。良かったわ!恵愛ちゃんから預かってたものがあるのよ。貴方がここに来たら渡してほしいって」
「え、めあから預かってるものがあるんですか?」
「ええ。私の家にあるから付いてきてくれるかしら?」
「はい!」
どうやらめあは手紙の他にも何かを残していたようだ。
女性が家に招かれ玄関で待っていると奥から女性が本を手にして戻ってきた。
「これよ。この日記を渡してほしいって言っていたのよ」
そう手渡された赤い日記を僕は受け取り頭を下げて女性の家を後にした。