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羊飼いも山羊もいない  作者: 遊舵 郁
プロローグ
1/63

在校生からの寄稿

 ”あの出来事”を忘れてはいけない。

 二度と同じ過ちを犯してはならない。

 

 その思いで筆を執った。



【寓話:災厄の村】


あるところに仲の良い優しい村人たちが暮らしている小さな村がありました

その村がある年に干ばつに見舞われました

村人たちは備蓄した食料でなんとか飢えをしのぎました

年が明けても雨は少ないままです

このままでは村は飢え死にしてしまいます

村人たちは村人のうちで最も知恵のある者を村の(おさ)に選びました

村人は早速、その長に干ばつに対する助言を求めました

村の長は一番干ばつに強い作物を植えるように助言し、村人たちはその助言に従いました

その作物は干ばつで痩せた土地でも育ち、収穫の時を迎えようとしておりました

しかし今度は、その村に大量の害虫がやって来てほとんどの作物が食べられてしまいました

すると村人たちは一丸となって村の長を責め立てるようになりました

「あなたの言う通りしたのに作物は被害を受けたではないか」と

そして、村人たちは自分たちの選んだ村の長を村から追放してしまいました

それ以降、村の長の姿を見た者は誰もおりません

長を失った村人たちはなすすべもなく全て飢え死にしてしまったのでした


ー了ー



 誰かに伝わればいい。

 一縷の願いを託し、この掌編を寄稿した。


(続く)



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