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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第三章 千佳ちゃんファンクラブ、襲来。(小学三年生)
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リンファ先輩が家にやってきた!

 とある放課後、授業を終えた私たちのクラスに近付く紫色の影。

 彼女、リンファ先輩はゆったりとした歩みで私の元へとやってきました。


「こんにちはー、千佳ちゃんたちー」

「リンファ先輩こんにちは。」

「こんにちはやで~、リンファ先輩」

「こんにちは、リンファ先輩。それじゃあ行きますか?」


 授業終わりに待ち合わせて向かう場所は、ずばり私の家です。

 今日はリンファ先輩を初めて家にお招きすることになりました!


「うんー、行こっかー」


 そう言って私の手を掴んでくるリンファ先輩。

 私は繋がれた手を持ち上げて、問いかけます。


「あの、これは?」

「初めて行く道だからねー、はぐれないようにしないとー」

「いえ、近いのでそんなことしなくても」

「駄目だよー? 自慢じゃないけどー、私方向音痴だからー」

「さいですか」


 メグちゃんたちみたいに年下や、湖月ちゃんたちみたいに同い年でない人に甘えられるのは、あまり経験がありません。

 なので流石の私も少しドギマギしてしまいました。

 くっ、少しでも隙を見せたらまた甘えて、とろとろに蕩けさせられるかもしれない!

 ……その誘惑に引っかかろうと囁く、悪魔な千佳もいますが。


「それじゃあ、向かいましょうか」

「おっけー」

「なんや、千佳ちゃんが言いくるめられてるのは、見てておもろいな~」

「そうだね。愛たちでも見慣れない光景だもんね」


 なにやら湖月ちゃんと愛ちゃんに笑われて、恥ずかしくなってきました。

 そして私の行動を邪魔しないようにしているのか、気配を消して周りに集まっているファンクラブメンバーも笑ったり、口に手を当てて微笑んでいます。

 気配を消すって……、もしかして皆は忍者だったのでしょうか?


「もう! 早く行きましょう!」

「あ、待ってや千佳ちゃ~ん」

「置いていかないで千佳ちゃん!」

「千佳ちゃんの家、楽しみー」


 リンファ先輩、マイペース過ぎませんか。




 そうしてやってきましたマイハウス!

 先に家に帰っていたメグちゃんと花ちゃん、遊びに来てもらっていた莉里ちゃん、桃ちゃんに出迎えられます。


「……おかえり」

「お姉ちゃんたちおかえり!」

「ねぇね、皆おかえりー!」

「ちょっと! 姉さんも恵も花も! まだ宿題は残ってますよ。千佳先輩方、えっと、おかえりなさい」

「うん、ただいま」


 皆が私たちにおかえりと言ってくれる家庭……、グッときますね!

 後はご飯か、お風呂か、わ・た・し? って聞いてくれれば完璧です!


「わぁ、皆来てたんだねー。邪魔しまーす」

「あ、リンファ先輩。そちらのスリッパを使ってくださいね」

「うんー、ありがとー」


 来客用のモコモコスリッパを履いて貰って、リビングへと向かいます。


「あれー? 皆可愛いスリッパ履いてるんだねー?」

「そうなんですよ! 千佳ちゃんが、皆で一緒のやつを買おうって言ってくれて!」

「皆動物のやつやねんで~」

「リンファ先輩も、お揃い買いますか? この家専用になっちゃいますけど」

「私も欲しいよー」

「じゃあ、またお買い物にでも行きましょう!」

「やったー。一緒に行こうねー、勿論皆でー」

「はい!」


 これまでの経験上、私の家に来た人のリピート率は高いので買っておいて使われないということは無いでしょう。

 それに、沢山ある動物スリッパからリンファ先輩が何を選ぶのかも気になるしね!

 やっぱりパンダ?

 いや、それは先入観ありすぎかな?


「メグちゃんお茶用意するから、ってもうテーブルに用意してくれたんだね」

「お姉ちゃんの言うことは予想済みだよ!」

「だよ!」

「恵。花。手柄を横取りしようとしたって無駄ですからね!」

「……私が用意した」

「姉さんまで!?」

「はいはい、桃ちゃんが用意するように提案してくれたんだね。ありがとう、桃ちゃん」

「い、いえ! 当然のことですから!」


 ご褒美のナデナデをしてあげると、嘘吐きーズが指を咥えて羨ましそうに見てきます。


「嘘吐きな子にはご褒美ありませんから!」

「そんなー」

「そんなー!」

「……くっ」


 そんな私たちの様子を見て、くすりとリンファ先輩が笑います。

 尚、今も桃ちゃんは穏やかな顔で私に撫でられています。


「皆といると楽しいねー」

「せやろ~! リンファ先輩も、うちらと一緒におって損させへんで~!」

「そうですよ。愛も、千佳ちゃんと友達になれて毎日が楽しいですから!」

「ふふ、湖月ちゃんも愛ちゃんも千佳ちゃんが大好きなんだねー」


 その言葉に私は二人を見つめます。

 いざ、大好きなんだと言われた二人は顔を赤くして。


「ま、まぁせやな!」

「そ、そうですね!」


 言葉を濁さずに言ってくれるので、私のテンションもフルテンです!


「私も大好きだよ!!」

「私はー?」

「り、リンファ先輩もす、好きだよ!」

「うふふー、顔紅くしちゃって、千佳ちゃんかわいー」


 リンファ先輩、どうやら小悪魔の才能があるようです。

 そうして初めて家に連れてきたリンファ先輩は、私たちを翻弄してほくほく顔で帰っていくのでした。


「転入してきて良かったよー」


 帰る前に言ったその言葉と笑顔に、これからもちょっとくらいなら翻弄されてあげようと思う私たちでした。

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