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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第二章 後輩、同級生、先輩。(小学二年生)
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私の日常 with ファンクラブ

 冬の寒さが近付いて、ベッドから出るのが辛くなってきました。

 どうにかベッドの暖かさに抗って、今日もいつも通りの一日が始まります。


「おはよう千佳ちゃん!」

「おはようございますですわ、お姉様!」

「おはよう。えっと飯田(いいだ)先輩と、小金井(こがねい)ちゃん」


 朝。メグちゃんと花ちゃんを両腕に携え、湖月ちゃんと愛ちゃんを後ろに引き連れ、学校へとやってきます。

 すると、ファンクラブの子たちが次々に挨拶をしてくれます。

 しかし、学校にいる女性の殆どがファンクラブのメンバーになった今、中々顔を覚えることが難しいです。

 いえ、神様から貰った身体のお陰で、普通よりは覚えやすいのだと思いますが。


「わぁ! 名前覚えてくれたんだ、千佳ちゃん!」

「ま、麻衣、感激ですわ!」

「小金井ちゃんは麻衣って言うんだ?」

「は、はい! そうですわ!」

「可愛い名前だね」

「はぅっ!?」


 私が褒めてあげると、小金井ちゃん改め麻衣ちゃんは胸を抑えて後ろに倒れこみます。

 それを五年生の飯田先輩がナイスキャッチ!


「大丈夫?」

「は、はい、大丈夫ですわ! ご心配ありがとうございます、お姉さま!」

「それじゃあ千佳ちゃん、またね」

「うん」


 どうやらファンクラブの規約として、私に話しかける場合は行動を制限しないようにと決められているらしい。

 なので、こういった登下校中や廊下での移動中には、短く話しかけるだけということになっている。

 勿論、私に用事が無い場合は別だけど。


「お、おはようもろゆ」

「確保!」

「やぁー!」

「ちょ、なっ」


 男子が私に話しかけようとすると、この様です。

 何処からともなくファンクラブの女の子たちが現れ、私から引き離されます。

 その後、何が起きているのかは知りません。

 知りたくないです。


 だって、その目に遭った男の子は、私と目が合うとビビッて逃げるんだもの。

 一体、何をされたのでしょうか。


 まぁ私は前世のこともあって、男性には興味がないのでいいかなと思います。

 可愛い女の子たちに囲まれている方が幸せだからね!


「お姉ちゃん!」

「はいはいメグちゃん。どうしたの?」

「えへへ、なんでもないよ!」


 惚れてまうやろー!

 なんだこの可愛い生き物は!?

 持ち帰っていいですか?

 ……いや、もう同じ家に住んでるや。


 昇降口で靴を履き替えたあと、階段の前でメグちゃんと花ちゃんには分かれるのが日常の一シーン。

 しかし今日は分かれる前に、花ちゃんが私の制服の袖を引っ張った。


「ねぇね、これあげる!」


 花ちゃんから渡されたのは、青い折り紙で作られた折り鶴。


「おっ、綺麗な鶴だね」

「最近の花は、折り紙に凝ってるの!」

「うんうん、上手くできてるよ! 花ちゃんは器用だね」

「えっへん! 花はきよーなのです!」


 ドヤ顔な花ちゃん、この子もお持ち帰りしなきゃ! 家隣りだけどね!


 そうしてやってきた私のクラスですが、私が入ってくると既に来ている女の子たちが我先にと集まってきます。


「おはよう千佳ちゃん」

「おっはー千佳」

「も、諸弓しゃん。……うう、舌噛んだ」

「大丈夫? 小豆さん」


 クラスメイトたちに囲まれてまずは朝の挨拶。

 そして昨日のテレビ番組の話や、最近の流行りの話などを皆で話します。

 女の子に囲まれた私、これぞハーレムです。


「千佳ちゃん、変な顔してどうしたの?」

「愛ちゃん。あれはアホなこと考えとるだけやで」


 なんて失敬な湖月ちゃんだろうか。

 最近湖月ちゃんがデレてくれない気がする。


「湖月ちゃん聞こえてるからね?」

「……すまんやで」

「莉里ちゃんの物真似したって駄目だよ!?」

「……すまん、やで?」

「ご本人登場!?」


 いつの間にかクラスへとやってきていた莉里ちゃん。

 女の子たちの輪を掻き分けて、私の膝へと納まります。

 そして私の両腕を取って、お腹へと回すように動かされます。


「おはよう、莉里ちゃん」

「……おはよう、千佳」

「ええな~うちもそこ座りたいわ~」

「……十年早い」


 年月は関係あるのだろうか。

 こうした私を取り巻くハーレムも、直ぐに解散の時間がやってきます。


「はーい皆、席に着いてくださいね。他のクラスの子は、ちゃんと戻ってください」


 九重先生の声掛けに応じて、私のファンクラブの子たちは素直に席や自分のクラスへ戻っていきます。

 ファンクラブ顧問、九重先生の権力は伊達ではありません。


「皆さんおはようございます。千佳ちゃん、おはようございます」

「おはようございます。あ、おはようございます」


 でも、態々私の為に挨拶を繰り返さなくていいと思います。

 完全にそうなると贔屓です。教育委員会が出張ってくる案件です。

 後で止めるように言っておきましょう。


 こうして私の一日は、慌しくも和やかに始まるのです。

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